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▼ BMCの後継者 〝ヒフミクリエイティング シェリー〟
スイミングペンシルに属するルアー達。
主観に基づき。ご容赦を。
計算し尽くされた機能美
作り込まれたディティールに
詰め込まれたパフォーマンス。
2016年1月リリース。
ヒフミクリエイティング シェリー
ルアーが1~10の行程で出来上がるところを
シェリーは1~20の行程で仕上げられているのではないか。
ルアーを構築するすべての要素に
緻密さを感じることができる。
スタンダードモデルは80、95、125の3サイズ。
F(フローティング)とSS(スローシンキング)の2way。
上記以外に、ラボスペックモデル(会員限定)の
Weight Lockという固定重心モデルが存在する。
こちらはラインナップは95と125の2サイズ。
F(フローティング)とSS(スローシンキング)の2way。
自身はラボスペックを持たず、話ができない。
今回はスタンダードモデルの
F(フローティング)モデルに焦点を当てていく。
シェリーは『シェリー』に属す。
まずは、80F、95F。
BMCの血脈とは異なるようである。
シェリーシリーズは非常に軽量設計である。
80Fが5.4g、95Fは7.6g。125Fで14g。
特に80F、95Fはボディが細く、薄い。
巻き抵抗も非常に軽く、度々消息を絶つ。
感覚的にはライトゲームと同等レベルかもしれない。
自身、手に取った感触は
率直にチープさを感じてしまったのだが
キャストフィールは至ってシャープ。
軽さのわりに飛距離は出るが、やはり風に弱い。
シェリーこそ
「浮くシンペン」もしくは「泳ぐバチルアー」
そんな表現がマッチする。
フロントアイ付近に支点があり
尻をスイングするような動き。
シンペン程の大振りはせず、ピッチ幅はタイトだ。
ミノーライクなきめ細かいアクションが見られる。
しかし、その軽さからか
流れ、特に強い流速では一切粘りが効かず
バタつきが強くなり、破断しやすい。
80F、95Fは止水域や流れの緩やかな場所での使用がベスト。
適材適所を実感させられるルアーだった。
シェリーはアイが額にあるのも特徴。
125Fに関しても性質上は
80F、95Fと基本的に大きく変わらないが
アクションは幅があるように感じた。
アクションに品があると云うか
常に繊細さを身に纏っている。
潜行レンジは0~50cmとややワイド設定。
この50cm内を跳び回るのではなく
I字を伴うマイルドなアクションで
水中をスマートにすり抜けてくる心象を持った。
入力にも反応し
イレギュラーアクションも可能ではあるが
ややレスポンスに欠けるように思う。
ウエイトの戻りは
必ずアングラー側がサポートする必要あり。
その力加減は難しさを含んでいる。
強すぎてはラインを拾い、弱ければ戻らない。
トライ&エラーを繰り返し
自身はスイープなロングジャークで対応している。
癖のある一面は不満要素ばかりではない。
目を見張る、随一の潜在能力は圧巻。
魚が細身のベイトに固執し、偏食が疑われる状況下。
他には見向きもせず、難易度の高さを見せつけられる時
シェリーが秘めた爆発力を発揮するケースがある。
その際の釣れ様があまりにも異質で舌を巻きに巻いた。
感覚としては
スイミングペンシルというよりはミノーに近い。
125Fにしても、やはりBMCとはテイストに明確な違いがある。
アピール力は非常に弱い。
極めてナチュラル。
遠くから魚を引っ張ってくる能力は著しく低いが
そこに居る魚に口を使わす才は他を凌ぐものがあると思う。
先発よりは抑え。
最後の切り札。
秘密兵器。
そんな立ち位置が本領発揮の場なのかもしれない。
万能の真逆を行く特殊条件特務機。
まさに個性の塊。
『シェリー』という別ジャンルだ。
〝Finesse〟の申し子
自身は稚鮎シーズンのローテーションに組んでいるが
他では反応しなかった魚、獲りきれなかった魚を
バイトに持ち込む能力は抜きん出ているものを度々感じた。
ディティール、シルエット、アクションどれを取っても
釣獲力に繋がる要素を高次元で持ち合わせていると思う。
まさにフィネス。
貪欲に魚とのコンタクトを得たいなら最善のルアー。
シェリーでしか反応しない魚が確実に居る。
一方で、繊細な設計であることは一目瞭然。
この〝軽さ〟あってこそ活きる能力。
125Fは一般的なプラグと遜色なく不安な無いのだが
80F、95Fの耐久性に関しては自身、割り切っている。
このログに載せれなかった80Fは破壊の後。
原因の多くは岸に上げた魚の首振り。
無情にも川原で更に数個叩き割られた過去がある。
その後の補充も儘ならないのである。
付属するリング、フックは
正直なところ、常に不安が付きまとう。
80F フック:がまかつRB Mショートシャンク#10 Ring:#2
95F フック:がまかつRB Mショートシャンク#8 Ring:#2
125F フック:がまかつRB MH#6 Ring:#3
上記が標準スペック。
スペアは必須。
ファイト後には必ずチェックしたい。
一本を獲りにいけるルアーではあるが
大型を獲りにいくルアーではないと。
セッティング上、パワーファイトは禁物。タックルバランスにも注意したい。
諸刃の剣。
しかし、ボックスに忍ばせる価値は十分にあるルアーだろう。
スタンダードモデル
ラボスペックモデル
種類が豊富なため、選択肢の多さは有難い。
それだけに流通量の少なさは惜しい。
地域性もあるのか。生産能力なのか。
あまり見かけない上に、競争率が高い。
それだけ人気なのだろう。
使い方次第では
他に代えが効かないとさえ感じる逸品。
もっと手に取り易くなればと思う。
BMCとは完全な別モノ。
『シェリーはシェリー』
これも素晴らしいルアーであることには間違いはない。
ただ、自身の見解として今趣旨からは外れてしまう。
競合するレンジでむしろ使い分けができる愉しみ。
このブログを書きながら
また使い込んでみようと思った次第である。
- 2023年2月26日
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