『アイスマン』あとがき


たかが、カラーに『色』を乗せる


ワタシの担当2色目となった
fimoオリカラ 『アイスマン』

再び、カラーデザインする日が来るとは…
機会を与えてくれたfimoには感謝の念です。
貴重な経験は生涯の財産。ありがとうございました。

お気づきの方もおられるかもしれませんが、この『アイスマン』誕生に強く影響したのがアメリカ映画 トップガン マーヴェリック。

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トップガン公式サイトより

トップガン マーヴェリックは1作目から36年の時を経てリリースされたシリーズ2作目。ワタシは1作目をリアルタイムで観た世代ではないし、ミリタリー、軍モノに特別詳しい訳でもなかったんですが、この2作目を観て 琴線に触れるナニかがあったのか。何度もリピートしては、1作目を見返したりとハマった時期を経て、今では車内用にDVDまで所持するという。

1作目を踏襲したオマージュ具合。トム・クルーズもいい感じに歳とったな。なんでエンディングはマイティウィングじゃないんや。とか。

その中でも名優ヴァル・キルマー演じたアイスマン。1作目からの流れあり、36年の年月あり。主人公 ピート"マーヴェリック"ミッチェル(トム・クルーズ)最大のライバルである良き理解者は、2作目中盤を彩る〝華〟そのものでした。

https://www.youtube.com/watch?v=BA-1w0vC7S4
YouTubeより。このシーン、一言一句に意味があります。是非字幕で。

Iceman: One last thing, who's the better pilot? You or me? 
Maverick: It was a nice moment, let's not ruin it.

二人の絶妙な掛け合いと哀愁。
全てを悟った笑みと抱擁。このシーンがすごくいい。

時を同じくした春頃。
fimoからシェリー125のオリカラの話。
今回はフィールドモニターからカラーを募り、選抜。
うち、2色を発売するというものでした。

どうしようか老け込んでいると
カザンスキー大将が脳内で囁きました。

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Who’s the better pilot ?

字幕的には「どっちが優れたパイロットか?」と。
いかにもアイスマンらしいエッジが利いた台詞は
半分本気、半分ジョークのようにも聴こえてきます。

ワタシのインスタを見ていた方はピンときてるでしょう。
この台詞をキャッチフレーズとして使ってきました。

皆さんを嗾けてるのではなくって
「最近、調子どうすか?」みたいな。
ラフなニュアンスで受け取って下さい。

そんな盟友をカラーに落とし込んだら?
妙な切り口(どんな切り口よ)から着手しました。

自身が「ぐりむ」の時に断念した命題。
〝クリア系への挑戦〟
これがアイスマンに課したテーマでした。

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塗り絵段階。配色を何回やり直したことか。。

実はイメージ自体は早い段階で降りてきていて
後は色をどう表現していくのか。そちらに時間を要しました。

「ホワイト」・「ネイビーブルー」・「スパッタリング」

これらをルアーカラーとして。
それも皆さんへお届けする商品として
完結させる責任が生じることにもなります。
普段、楽観的なワタシでも眉間にシワが寄りましたね。

ここで、忘れてはいけない
今回オリカラのベースになったシェリーについても一言。
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ヒフミクリエイティングHPより
https://hifumi-creating.com/sherry

意外にも、使ったことがないという声を多く聞きました。致し方ないのか、流通量が少なく、店頭で並んでるところを未だに見たことかありません。

下衆な話をすれば、オークションやフリマ界隈では高値取引の的。極めてユーザー泣かせな側面も併せ持ってます。少なくとも九州ではあまり馴染みがないルアーだと思います。ワタシにとっては稚鮎シーズンの禁術として長らく封印してきたルアーがシェリーだったんです。

カラーサンプルが手元に来たのが昨年の落鮎シーズン。
タイミングはピシャリ。川の魚達が迎えてくれました。

j3wz34xr2acwxwte6x9g_480_480-ad104275.jpgどれもイイ魚。一足先にニヤニヤした2024年の秋。

この稀少性に、この造形美。
そこにチートすぎる釣獲力を隠し持って。
いろいろ反則なんです。シェリーというルアーは。
まず、持っていて間違いない名作なのは確かです。
このキレ味を体感すれば最後。依存性に苛まれます。


話を戻します。

前回のログでは、「色そのもの」についての解説でした。当選された方はアイスマンがお手元に届くまで、できれば使われる前に。一度、トップガンシリーズを2作続けて観ることをおススメします。


なぜなら、映画観ることで埋まるピースが幾つかあるからです。その一つがネイビーブルーがクリア仕上げの理由。これは〝クリア系への挑戦〟とは別に、なぜワタシがアイスマンをクリアというカタチで表現したのか。もしこれを汲み取ってもらえたら、それこそ考案者冥利につきます。

トップガン マーヴェリックは謂わば、1作目のオマージュ作品。
構成、表現、キャラクター、音楽が要所で使われています。感じたのは1作目へのリスペクトとブレない世界観。伏線回収というよりも、伏線繋ぎ。凄く粋だなと。

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"Thank you, Ice...for everything."

『アイスマン』というキャラクター。
観る前と観た後で、ナニかが変わるはず。


〝たかが、カラーに色を乗せる〟

色とは単純に「色」なんですけど、もう一つの意味も。fimoオリカラは考案者のバックボーンやその人「らしさ」も大いに溶け込んでいます。語らずとも、気づかれなくても、空振りの意図であっても。唯一、皆さんと共有できるきっかけがfimoオリカラなんです。

釣れる、釣れないの先に心揺さぶるモノがあるか…
皆さんのフィールドで感じて下されば嬉しいです。

しかし

「傑作の続編は駄作に終わる」なんて
いったい誰が言ったんでしょうね。

It's time to let go.
過去は水に流せ。

あとがきにしては長々と。

One last thing, who's the better pilot? 

それでは、これにて。