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陽炎ゆらゆら

【陽炎-かげろう-】
春の天気の良い穏やかな日に、地面から炎のような揺らめきが立ちのぼる現象。強い日射で地面が熱せられて不規則な上昇気流が生じ、密度の異なる空気が入り混じるため、通過する光が不規則に屈折して起こる。(goo国語辞典より)
 
 
斯くして、陽炎は春の日中に起こるものではあるが、釣り人は釣り人だけの特権をもって夜にカゲロウを操ったり操られたりする。
 
ゆらゆら、ゆらゆら。時に不思議な力を持って、スズキという魚が釣れる現象を、カゲロウが呼ぶのである。
 
 

■ デイのイナッコプール
3年程前までは川の両岸を覆う葦のおかげで、ひとたび川の中に浸かってしまえば自然のど真ん中に居るような気分を味わえたものなのに、半年以上ぶりに見たそこは、現在進行形で稼働する重機によって変わり果てた姿になってしまっていた。
 
何か目的があって今の自然環境に手を加えているんだろうけど、やはり湧き出す寂しさを抑えてこれからの未来を見据えるなんて、僕には簡単に出来そうにない。
 
川の中を歩きながらルアーを打ち込んだ瀬も、オーバーハングした対岸の葦際のピンスポットも、流れが寄り所々に沈んだ木や岩が作り出す最高のヨレも、ひとつ足りとも影を残さず姿を消した。
 
そんな寂しい河川中流域からスタートしたこの日の釣りも、どんどんと探りながら下流域に辿り着いた。そこには、イナッコの群れが水面をピチャピチャと跳ねる光景が広がっていた。
 
イナッコと言ったもののよく観察していると、イナッコと呼ぶにはまだサイズが少し小さいような気がするし、ハクと呼ぶには大き過ぎる気もする。
 
どこからどこまでを「ハク」と呼び、どこから「イナッコ」と呼ぶかなんて調べればすぐ分かるようなものだけど…ハクイナ?僕は勝手にそう呼ぶことに決めた。
 
ハクイナが時折対岸のシャローエリアから、僕が立つ岸側にある流芯に向かって時折水面を逃げ惑う。
 
シャローに追い込む方が捕食の確率はあがるから普通逆じゃないのか?と思わなくもないが、とりあえずトッププラグから打ち込んでみる。
 
続いてバイブレーション的な細かいウォブリングをするミノーと名の着くルアー、リップレスミノー、ローリング主体の小さいの…色々やるも、反応はない。
 
自分で答えに辿り着く過程にスズキ釣りの醍醐味を感じる性だが、気の知れた仲間に聞いてやる釣りもまた格別な楽しみがあると思うから、昼飯がてら一旦釣り場を離れ相棒に聞いてみた。
 
「朝ですよ、朝!」
 
と素敵なアドバイスをもらった今の時刻は、すでに笑っていいともが終わって午後からの仕事に手をつけ始めたといった頃合いである。
 
とりあえずもうひとつもらったヒントと狙いのタイミングを打つべく、再度エントリーし直すが降ったり止んだりを繰り返す朝からの雨と蒸し暑さで、カッパを脱ぎ捨てたくなる衝動に駆られる。風呂にも入りたい。
 
上げ潮が入り始めそうな良いタイミング。本格的に上げが効く頃には、ちょうど日没時と絡んで1発何か起きそうな予感がビンビンしながらトボトボと来た道を戻り、車のリアゲートを開けてカッパを放り込んだ。
 
 

■ ナイトのエンピツサヨリ
日が完全に暮れる前にやってきた別の小規模河川には、ハクイナではなくちゃんとしたイナッコが水面を跳ねていた。
 
今日降った雨というより、前日に降った雨の恩恵で僅かだが濁りもあり期待を持てた。
 
エントリーしてほどなく明暗ラインでの単発の捕食が始まり、リーリングする手に少しの緊張が混じる。夏時期のイナッコパターンの定番であるトッププラグから探っていくのだが何故か反応がない。
 
10分、20分と経過し、ついには1時間を迎えてしまった。
 
『おかしいな…こんなハズじゃなかったんだけど』
 
単発ボイルはそう多くないにせよ確実にあって、尚且つ明暗ラインとちょっとした地形的ストラクチャーという絶好のピンはおさえてる。
 
確実にスズキは目の前に居て、そのピンを過去に実績のあるプラグ達で丁寧にアプローチしているのだが…とうとう手を出し尽くし、途方に暮れてしまった。
 
帰るにはまだ、潮位的に勿体無い。むしろこれからが本番ってところなだけに、デイもナイトも中途半端に釣りを終わらすわけにはいかない。
 
まだやっていない手はないかとルアーケースを取り出し選んだのは、カゲロウ124Fだった。
 
目視したイナッコのサイズ感から124ミリだと大きいと思いパイロットルアーとしての役割を今日は控えてもらっていたのだが、実績十分のルアーを投げていないならやる事はまだある。
 
明暗ラインに出る単発捕食のピンスポットに流し込むように、橋の下にアップで打ち込んだカゲロウを流してくる。
 
ゆらゆら、ゆらゆら…
 
手元に帰ってくる直前にターンし、再度別のピンに向けて流すコースにキャスト。それらを繰り返すが、待望のバイトはまだ出ない。
 
じゃあこっちはどうだ?
1番手前の橋脚からのヨレを絡めた、実績もあるピンスポットにカゲロウを通す。
 
ゆらゆら、ゆらゆら…
ゆらゆら、ゆらゆら…
 
…ドン。
 
信じて投げてるはずだけど、にわかには信じがたい気持ちで一杯になりながらランディング。
 
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久しぶりにその顔を拝めたことに満足しもう帰ろうかとも思うが、単発の捕食はどうやらまだ続くようで、もう一度トライしてみることに。
 
ルアーで釣れない時はエサを投げてしまえば良いってことで、ラザミン90を投入していると何か引っかかってきた。
 
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"スズキ釣り歴7年目で初となるエンピツサヨリとの出逢い"
 
イナッコパターンじゃないから反応がなかったのかと心から納得。ここに辿り着くまでに2時間近く掛かってしまったけれど。
 
 
 
斯くして、今度は違う疑問が生まれてしまった。
 
"このスズキは、カゲロウを何だと思って食ったんだ?"
 
【KAGELOU-カゲロウ-】
季節や場所を問わず、スズキという魚を呼んでくる現象。口と身体から不規則な水流錯乱が生じ、密度の濃い色気が入り混じるため、特にクリアカラーについてはボディを通過する光が不規則に屈折して起こる。(puu平田辞典より)
 
カゲロウを使い始めてまだ一年も経っていないけれど、カゲロウ無くして自分は魚が釣れないのでは?とまで思ってしまっているのも確か。
 
サヨリだと思って食った?それもあるかもしれないし、自分なりの答えとしては別の要素が強いと思っていたりする。
 
もっともっと、経験と技術と知識を磨かないといけない。今日の一匹がカゲロウだったのには、僕が解っていないだけで確かな答えがあるんだから。
 
 
【タックル&ウェア】
[ロッド]ZENAQ PLAISIR ANSWER PA89 -Technical Surfer-
[リール]SHIMANO 18 STELLA 3000MHG
[メインライン]SUNLINE CAREER HIGH6 1号(16lb.class)
[リーダー]SUNLINE STATE CLUTCH SHOCK LEADER NYLON 16lb.
[ゲームベスト]SUBROC V-one VEST A-TACS LE X
[ウェーダー]Pazdesign BS BOOTS FOOT WADER V
 
 
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