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プロフィール
村岡昌憲
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▼ いっぱい話したこと
- ジャンル:日記/一般
- (つぶやき)
友人に「お前は泥をかぶったことがない人間だ。」と言われました。
久々にそういうことを言われて嬉しい気持ちになりました。
ま ずは思ったことを面と向かって言ってくれた友人に心から感謝です。
きっと読んでくれるでしょう、ありがとう。
そんで、嬉 しくなって、その後にお風呂に入ったくらいで湯船で急にヘコむのが今までの僕でしたが今回は違いました。
何とも思わなかったのです。
僕 の気持ちが伝わってないだけ、と思いました。
あまり起きて欲しくない仮定の事に対する対応についての話です。
起きたら必 死にやればいい。それで見返せばいいです。
その友人にもう一つありがたい話をいただきました。
みんなが 僕を見てるぞ、と。
直感しました。今の僕の伝え方だけではきっと足りない時が来る。
そう思って、今後はここで僕の頭の中 そのものを書いていきます。
今日は新卒採用の会社説明会の最終日でした。
今 年は規模が大きく、一次面談が始まっている中でも会社説明会はまだ続くのです。
今回までに総計で700人くらいの学生が来てくれました。
少 し前のelegyで学生さんに話した内容をぜひ聞いてみたいというメールを何通かいただいていたので内容を書いてみます。偉そうな点はすみませんがご容赦 の上。僕の人生論ですので僕を理解する上で何らか役に立てば嬉しいです。
1.価値を作るという話
僕が初めて商売をしたの は13~14歳の頃です。
当時、僕は特急列車の写真を撮るのが趣味でした。中学校を出るまでに北海道以外の全ての特急に乗ったほどだったんです が、お小遣いにはいつもキュウキュウとしていました。
そこでお小遣いを上げようと頑張ったんですが、自分で稼げと親父に一括され、その チャンスを待っていたときがあります。
そして色々と挑戦して失敗を繰り返していたある日、東京に観測史上まれにみる大雪が降ったときの上野駅に必 死に辿り着き、各地からやってくる雪まみれになった特急列車の写真を撮り、それを鉄道ファンの雑誌に載せて写真を売ったのです。売ります買いますの欄に載 せたところ、全国から書き留め封筒が続々と届きました。家に帰って正座して恐る恐る封筒を切ると、中にお金が入っていました。
それは社会が僕が撮 影した写真に初めて価値を見いだしてくれた瞬間でもあります。
お小遣いとは決定的に違うお金でした。
そして、その日から 僕は「価値作りたい病」にかかりました。
高校生になってマクドナルドでアルバイトしました。
僕はフィレオフィッ シュの部門に配属になり、価値作りたい病をさらに悪化させようと、一所懸命に働きました。
ある日、フィレオフィッシュの魚を揚げる時間を マニュアルよりあと30秒ほど伸ばすとさらにカリッとして美味しくなると気付きました。マネージャーにそれを伝えると勝手なことをするな、と怒られまし た。
そうです。マックは全国どこで頼んでもあのフィレオフィッシュが出てくることがブランドとしての約束なのです。それを成し遂げる為に マニュアルがあります。そのマニュアルから決して出てはいけないのです。
うちの店はもやし入りだよっていう吉野家は吉野家ではないですよ ね。
それならば、せめてチーズをフライに載せるときの角度にこだわりたいと考えました。
フィレオフィッシュが美 味しそうに見えるチーズのはみ出し方は、魚のフライの角と角のど真ん中から三角形にチーズが垂れていることが美味しそうに見えるコツです。少しでも美味し そうに見えるのならばお客様も喜んでくれるだろうと。
僕はスーサンを作るときと同じように、1ミリ、1度の角度を大事にしてチーズを載せ ました。しかし、マネージャーは怒るのです。
「いいから急げ!」
カウンターの外は長蛇の列でした。混んでいるときは、お 客さんを捌くときにはチーズの角度にこだわっている場合ではないのです。
じゃあ、僕はマクドナルドで何の価値を生み出せるのだろうか。
チ キンナゲットの二度揚げ作戦とかアップルパイのカリカリ揚げとか色々と価値を生み出すことに挑戦しましたが評価されませんでした。
そして 僕は1年ほどでマックのバイトを辞めてすぐに気がつきました。
送別会をやってくれた次の日にはフィレオフィッシュが作る人がいるのです。
マッ クはいつものようにあるのです。
ということは、誰がやってもできる仕事です。
代わりがいくらでもいる仕事です。
と いうことは、僕のマックのアルバイトは僕の人生の時間という価値を提供しているだけにすぎなかったと気付いたのです。仕事のレベルで時給が上がるだけで、 結局は人生の貴重な時間を提供してその対価を得るという仕事だったのだと。その証拠に辞めても代わりはいくらでもいたのです。
だけど、中 学生のあの時、上野駅で写真を撮っていたのは僕だけでした。僕しか持っていない写真、オンリーワン、そこに価値がありました。
み なさんもこれから仕事をする上で絶対に忘れてはいけないこと。
時間を提供して働くという考えをしない、価値を生み出してこそ自分の報酬が あると心から信じてください。
世界がグローバル化して、時間の対価はどんどんと安くなりました。
ユニクロは中国人に洋服 を縫ってもらって、人件費を節約して安い服を作ります。洋服を縫うという仕事は誰でもできることです。となると、中国人が月給3万円で働いてくれるならそ こで作るのが企業です。
日本人も働きたいので3万円でも良いですと言わないといけなくなってくる時代がどんどんと来ています。
そ こで政府が最低賃金を決めて何とか維持しようとしています。
しかし、それは無駄です。それならばと日本のあらゆる企業が海外に工場を造り、もしく はどんどんと機械化します。すると、日本人の雇用はますます減るのです。
一方で同じ洋服を作るでも、価値のある洋服を作る人もいます。
カッ コイイ、かわいく見える、しびれるほど素敵、他にない、美しい、着るとモテる。彼氏ができそう。
ただ裸を隠すためにある洋服に、その価値 を付加できる人は3万円で働くハメにはなりません。
2.沈む日本経済の話
戦後メタメタなところから再出 発した日本経済は過去にないスピードで世界で二番目まで大きくなりました。山で言えば世界で二番目に高い山です。低地から一気にそこまで上り詰めたので す。
その時代はエスカレーターで言えば上に上がるエスカレーターでした。
頑張って駆け上がればどんどんとあがっていったし、そこ に立っているだけでも上に上がっていってそこそこの高さまでいけました。
ただ、バブル崩壊する前あたりからその上昇力は枯れました。
世 界で2番目に大きい山ですから大きな慣性の法則が働きます。
10数年は無重力のような何とも言えない静かな時間が流れました。
が、ここに 来ていよいよ山が底から崩れ始めました。海にどんどんと沈んでいくようなものです。その勢いは加速するでしょう。もちろん大きい山ですから何十年も掛けて 沈んでいきます。
今、麓にいる人はどんどんと海に投げ出されて溺れています。
失業者、派遣社員、アルバイト、どんどんと生活が苦 しくなる一方の人が増えています。
そして残念ながらこれを止めることはできません。
日本人が選び続けた政治の結果がこれなので す。
政治を変えて正しい方向に戻して10年掛けてまた上昇力が出てくるのです。当面は沈む一方でしょう。
今の時代は、エスカレー ターで言えば、下がるエスカレーターです。
立ち止まったままでは、海に投げ出されます。駆け上がらないといけません。
「じゃ あ、駆け上がるぞ!」
ここまでは多くの人が到達している考えです。
が、ここで駆け上がるということは、決してがむしゃら に働くということではありません。 残業、休日出勤なんのその、で働いても代わりがいる仕事をやっている限り、給料も上がらないし、それは実は立ち止まっているのと一緒です。
時 間を売るのは駆け上がっていません。
駆け上がるとは価値を作ることです。
自分にしかできない、かっこよくなった。オン リーワン、お前がいて良かった、よくぞこんな事を思いついた。
そういう働き方をする。
それが価値を作るということです。 エスカレーターを駆け上がるということです。
そして会社も一緒です。会社も駆け上がらないといけません。
こ れからの時代に生き残る強い会社は変化に強い会社です。どういう会社かというと飛行機に例えるとわかりやすいです。
強い会社とはエンジン がいくつもあって、機体が軽い会社です。
先日、日本航空が倒産しました。
日本航空は飛行機に人や荷物を載せてその対価を 得るという事業だけで2兆円を稼ぎ出します。
2兆円という巨大なエンジン一つで数万人の従業員と数千人のOBを乗せて飛んでいる飛行機 だったのです。
良いときは良いけど天下りやら何やらで古い体質のまま変わることはできませんでした。窓の外を見るとどんどんと高度が下がってい る。何とかしようと頑張った人もいたでしょうけどついに先日墜落したのです。
一方で我が社は今大きなエンジンが4つあります。そして工場 無しの社員数25名という少ない人数で飛んでいます。機体は2つでも飛べる軽さですから今回の不況の影響もほとんど受けずに飛んでいます。
そ ういう会社がこれからのグローバルな時代を生きていくと思っています。
そして一つ強調したいのは会社という飛行機に乗っている社員の話で す。
どんな仕事もお客様満足度を高めよう、とみんな言いますけど、高度が下がる一方の飛行機に乗ってそんな余裕がある人はいません。
そ ういう飛行機の中は殺伐として不信や不満が渦巻いた状態で、顧客満足なんて考えられっこないのです。
一方で順調に飛んでいる飛行機の従業 員は満足度が高いです。
自分を幸せだと思っている。大事なことはまず自分が幸せになること。自分が満たされて初めて人を満足させてあげよ うと思うものなのです。
だから僕は従業員満足度を高めることを必死にやります。
3.価値を作る人
あ と、価値を作る人ってじゃあどんな人なのか。
一言で言うと、変人です。変な人。
僕は変な人だけを採用し続けてきました が、実は全ての人は変な人です。
だけど、日本社会を取り巻く、「空気を読め的な文化」の中で、自分の変具合を隠している人が一杯います。
日 本は隠れ変人ばかりになっちゃった。
ある人が変なことを考えた。それはオリジナリティです。しびれるし、カッコイイし、オンリーワンで す。そして、貴重かもしれない。
その貴重さを社会が認めればそれはビジネスになるのです。
で、うちの会社も変な人を一杯探して ます。
だけど、変な人がアイディアを考えても邪魔をする人が一杯います。
これも日本人のダメなところですが、どうせ無 理、だりぃ、やるだけ無駄、リスクありすぎ。。。
そうして足を引っ張る人は多いです。
そういう人は自分が何もしないこと を正当化するために言います。善意で止めといた方が無難じゃないか、って言う人もいます。
だけど、どんな事業も最初は1人の変な思いつき から始まるのです。
そこに挑戦しなければ、下がるエスカレーターを駆け上がることはできないのです。
皆さんもうちの会社 に入ったら既存の事業を一所懸命に頑張ってもらいます。事業を守る、伸ばす、改革する。リーダーになるための経験を一杯積んでもらって、ある日本当のオリ ジナリティに挑戦したい人は挑戦させてあげようと思ってます。
成功したらそれは多くの財産を得るでしょう。
失敗したら、一年ほど は冷や飯を食ってもらいます。既存の事業で何がいけなかったのか、何を見逃したのか、それを学んでまた何度でも挑戦してくれればいいなと思ってます。
4. 財産
最後に財産を得るってお話しします。
価値を作り出すことによって得られる財産は大きく分けて3つあります。
1 つめは経験です。価値を作り出したときの社会が歓迎してくれる瞬間。お前がいて良かった。そんなアイディアを待っていた。代わりがいないってそういうこと です。大歓迎される気分。時間を売って働いているだけじゃなかなか得られない体験。
その経験をぜひ死ぬまでに味わって欲しいと思います。
死ぬときに思い返すことがあるとしたら間違いなく誇らしくなる気分になると思います。
2つめはお金という財産です。
作 り出した価値の大きさで、今の資本主義社会はお金という対価で報いる性質があります。
これは歌手を考えればわかりますね。
ある歌手が良い 歌を作って、社会(多くの人)が価値を認めればその人には多くのお金が入ります。
まあでも一番小さい財産です。
3つめは ネットワーク。
実はこれこそが一番素敵な財産なのです。
一つの価値を生み出すことに挑戦する。それはやがて事業になります。事業 が成長していく過程でどんな事業も数十人というスタッフを巻き込んで進んでいきます。社内社外問わずネットワークで事業は大きくなっていく。
そ してそのネットワークはその事業から去る日が来ても残るのです。
僕はこの会社以外にもう一つ副業(釣り)がありました。
そこでも 14年間頑張ってきましたけど、今度一つの大きな事を始めようとしています。
そして14年間の副業で出会ってネットワークを構築している 人たちや、僕に関心を持ってくれている人たちに呼びかけたのです。
そしたら想像以上の人が集まってくれました。
僕が作ろ うとしている価値を、みんなが歓迎してくれている。
まだ何にも形なんて無いんですよ。こんなのがあったら素敵じゃないか。
それだけで大歓 迎されている。それは絶対成功するんです。僕さえあきらめなければ、僕さえその価値を信じ続ければ必ずうまくいきます。
もうほんと最高。 こんな財産は他にないのです。
皆さんがどこで働くにしても、今日の話をぜひ覚えておいてください。
どうせみんないつか死んじゃう でしょ。
会社で一番変な人間の話でした。
久々にそういうことを言われて嬉しい気持ちになりました。
ま ずは思ったことを面と向かって言ってくれた友人に心から感謝です。
きっと読んでくれるでしょう、ありがとう。
そんで、嬉 しくなって、その後にお風呂に入ったくらいで湯船で急にヘコむのが今までの僕でしたが今回は違いました。
何とも思わなかったのです。
僕 の気持ちが伝わってないだけ、と思いました。
あまり起きて欲しくない仮定の事に対する対応についての話です。
起きたら必 死にやればいい。それで見返せばいいです。
その友人にもう一つありがたい話をいただきました。
みんなが 僕を見てるぞ、と。
直感しました。今の僕の伝え方だけではきっと足りない時が来る。
そう思って、今後はここで僕の頭の中 そのものを書いていきます。
今日は新卒採用の会社説明会の最終日でした。
今 年は規模が大きく、一次面談が始まっている中でも会社説明会はまだ続くのです。
今回までに総計で700人くらいの学生が来てくれました。
少 し前のelegyで学生さんに話した内容をぜひ聞いてみたいというメールを何通かいただいていたので内容を書いてみます。偉そうな点はすみませんがご容赦 の上。僕の人生論ですので僕を理解する上で何らか役に立てば嬉しいです。
1.価値を作るという話
僕が初めて商売をしたの は13~14歳の頃です。
当時、僕は特急列車の写真を撮るのが趣味でした。中学校を出るまでに北海道以外の全ての特急に乗ったほどだったんです が、お小遣いにはいつもキュウキュウとしていました。
そこでお小遣いを上げようと頑張ったんですが、自分で稼げと親父に一括され、その チャンスを待っていたときがあります。
そして色々と挑戦して失敗を繰り返していたある日、東京に観測史上まれにみる大雪が降ったときの上野駅に必 死に辿り着き、各地からやってくる雪まみれになった特急列車の写真を撮り、それを鉄道ファンの雑誌に載せて写真を売ったのです。売ります買いますの欄に載 せたところ、全国から書き留め封筒が続々と届きました。家に帰って正座して恐る恐る封筒を切ると、中にお金が入っていました。
それは社会が僕が撮 影した写真に初めて価値を見いだしてくれた瞬間でもあります。
お小遣いとは決定的に違うお金でした。
そして、その日から 僕は「価値作りたい病」にかかりました。
高校生になってマクドナルドでアルバイトしました。
僕はフィレオフィッ シュの部門に配属になり、価値作りたい病をさらに悪化させようと、一所懸命に働きました。
ある日、フィレオフィッシュの魚を揚げる時間を マニュアルよりあと30秒ほど伸ばすとさらにカリッとして美味しくなると気付きました。マネージャーにそれを伝えると勝手なことをするな、と怒られまし た。
そうです。マックは全国どこで頼んでもあのフィレオフィッシュが出てくることがブランドとしての約束なのです。それを成し遂げる為に マニュアルがあります。そのマニュアルから決して出てはいけないのです。
うちの店はもやし入りだよっていう吉野家は吉野家ではないですよ ね。
それならば、せめてチーズをフライに載せるときの角度にこだわりたいと考えました。
フィレオフィッシュが美 味しそうに見えるチーズのはみ出し方は、魚のフライの角と角のど真ん中から三角形にチーズが垂れていることが美味しそうに見えるコツです。少しでも美味し そうに見えるのならばお客様も喜んでくれるだろうと。
僕はスーサンを作るときと同じように、1ミリ、1度の角度を大事にしてチーズを載せ ました。しかし、マネージャーは怒るのです。
「いいから急げ!」
カウンターの外は長蛇の列でした。混んでいるときは、お 客さんを捌くときにはチーズの角度にこだわっている場合ではないのです。
じゃあ、僕はマクドナルドで何の価値を生み出せるのだろうか。
チ キンナゲットの二度揚げ作戦とかアップルパイのカリカリ揚げとか色々と価値を生み出すことに挑戦しましたが評価されませんでした。
そして 僕は1年ほどでマックのバイトを辞めてすぐに気がつきました。
送別会をやってくれた次の日にはフィレオフィッシュが作る人がいるのです。
マッ クはいつものようにあるのです。
ということは、誰がやってもできる仕事です。
代わりがいくらでもいる仕事です。
と いうことは、僕のマックのアルバイトは僕の人生の時間という価値を提供しているだけにすぎなかったと気付いたのです。仕事のレベルで時給が上がるだけで、 結局は人生の貴重な時間を提供してその対価を得るという仕事だったのだと。その証拠に辞めても代わりはいくらでもいたのです。
だけど、中 学生のあの時、上野駅で写真を撮っていたのは僕だけでした。僕しか持っていない写真、オンリーワン、そこに価値がありました。
み なさんもこれから仕事をする上で絶対に忘れてはいけないこと。
時間を提供して働くという考えをしない、価値を生み出してこそ自分の報酬が あると心から信じてください。
世界がグローバル化して、時間の対価はどんどんと安くなりました。
ユニクロは中国人に洋服 を縫ってもらって、人件費を節約して安い服を作ります。洋服を縫うという仕事は誰でもできることです。となると、中国人が月給3万円で働いてくれるならそ こで作るのが企業です。
日本人も働きたいので3万円でも良いですと言わないといけなくなってくる時代がどんどんと来ています。
そ こで政府が最低賃金を決めて何とか維持しようとしています。
しかし、それは無駄です。それならばと日本のあらゆる企業が海外に工場を造り、もしく はどんどんと機械化します。すると、日本人の雇用はますます減るのです。
一方で同じ洋服を作るでも、価値のある洋服を作る人もいます。
カッ コイイ、かわいく見える、しびれるほど素敵、他にない、美しい、着るとモテる。彼氏ができそう。
ただ裸を隠すためにある洋服に、その価値 を付加できる人は3万円で働くハメにはなりません。
2.沈む日本経済の話
戦後メタメタなところから再出 発した日本経済は過去にないスピードで世界で二番目まで大きくなりました。山で言えば世界で二番目に高い山です。低地から一気にそこまで上り詰めたので す。
その時代はエスカレーターで言えば上に上がるエスカレーターでした。
頑張って駆け上がればどんどんとあがっていったし、そこ に立っているだけでも上に上がっていってそこそこの高さまでいけました。
ただ、バブル崩壊する前あたりからその上昇力は枯れました。
世 界で2番目に大きい山ですから大きな慣性の法則が働きます。
10数年は無重力のような何とも言えない静かな時間が流れました。
が、ここに 来ていよいよ山が底から崩れ始めました。海にどんどんと沈んでいくようなものです。その勢いは加速するでしょう。もちろん大きい山ですから何十年も掛けて 沈んでいきます。
今、麓にいる人はどんどんと海に投げ出されて溺れています。
失業者、派遣社員、アルバイト、どんどんと生活が苦 しくなる一方の人が増えています。
そして残念ながらこれを止めることはできません。
日本人が選び続けた政治の結果がこれなので す。
政治を変えて正しい方向に戻して10年掛けてまた上昇力が出てくるのです。当面は沈む一方でしょう。
今の時代は、エスカレー ターで言えば、下がるエスカレーターです。
立ち止まったままでは、海に投げ出されます。駆け上がらないといけません。
「じゃ あ、駆け上がるぞ!」
ここまでは多くの人が到達している考えです。
が、ここで駆け上がるということは、決してがむしゃら に働くということではありません。 残業、休日出勤なんのその、で働いても代わりがいる仕事をやっている限り、給料も上がらないし、それは実は立ち止まっているのと一緒です。
時 間を売るのは駆け上がっていません。
駆け上がるとは価値を作ることです。
自分にしかできない、かっこよくなった。オン リーワン、お前がいて良かった、よくぞこんな事を思いついた。
そういう働き方をする。
それが価値を作るということです。 エスカレーターを駆け上がるということです。
そして会社も一緒です。会社も駆け上がらないといけません。
こ れからの時代に生き残る強い会社は変化に強い会社です。どういう会社かというと飛行機に例えるとわかりやすいです。
強い会社とはエンジン がいくつもあって、機体が軽い会社です。
先日、日本航空が倒産しました。
日本航空は飛行機に人や荷物を載せてその対価を 得るという事業だけで2兆円を稼ぎ出します。
2兆円という巨大なエンジン一つで数万人の従業員と数千人のOBを乗せて飛んでいる飛行機 だったのです。
良いときは良いけど天下りやら何やらで古い体質のまま変わることはできませんでした。窓の外を見るとどんどんと高度が下がってい る。何とかしようと頑張った人もいたでしょうけどついに先日墜落したのです。
一方で我が社は今大きなエンジンが4つあります。そして工場 無しの社員数25名という少ない人数で飛んでいます。機体は2つでも飛べる軽さですから今回の不況の影響もほとんど受けずに飛んでいます。
そ ういう会社がこれからのグローバルな時代を生きていくと思っています。
そして一つ強調したいのは会社という飛行機に乗っている社員の話で す。
どんな仕事もお客様満足度を高めよう、とみんな言いますけど、高度が下がる一方の飛行機に乗ってそんな余裕がある人はいません。
そ ういう飛行機の中は殺伐として不信や不満が渦巻いた状態で、顧客満足なんて考えられっこないのです。
一方で順調に飛んでいる飛行機の従業 員は満足度が高いです。
自分を幸せだと思っている。大事なことはまず自分が幸せになること。自分が満たされて初めて人を満足させてあげよ うと思うものなのです。
だから僕は従業員満足度を高めることを必死にやります。
3.価値を作る人
あ と、価値を作る人ってじゃあどんな人なのか。
一言で言うと、変人です。変な人。
僕は変な人だけを採用し続けてきました が、実は全ての人は変な人です。
だけど、日本社会を取り巻く、「空気を読め的な文化」の中で、自分の変具合を隠している人が一杯います。
日 本は隠れ変人ばかりになっちゃった。
ある人が変なことを考えた。それはオリジナリティです。しびれるし、カッコイイし、オンリーワンで す。そして、貴重かもしれない。
その貴重さを社会が認めればそれはビジネスになるのです。
で、うちの会社も変な人を一杯探して ます。
だけど、変な人がアイディアを考えても邪魔をする人が一杯います。
これも日本人のダメなところですが、どうせ無 理、だりぃ、やるだけ無駄、リスクありすぎ。。。
そうして足を引っ張る人は多いです。
そういう人は自分が何もしないこと を正当化するために言います。善意で止めといた方が無難じゃないか、って言う人もいます。
だけど、どんな事業も最初は1人の変な思いつき から始まるのです。
そこに挑戦しなければ、下がるエスカレーターを駆け上がることはできないのです。
皆さんもうちの会社 に入ったら既存の事業を一所懸命に頑張ってもらいます。事業を守る、伸ばす、改革する。リーダーになるための経験を一杯積んでもらって、ある日本当のオリ ジナリティに挑戦したい人は挑戦させてあげようと思ってます。
成功したらそれは多くの財産を得るでしょう。
失敗したら、一年ほど は冷や飯を食ってもらいます。既存の事業で何がいけなかったのか、何を見逃したのか、それを学んでまた何度でも挑戦してくれればいいなと思ってます。
4. 財産
最後に財産を得るってお話しします。
価値を作り出すことによって得られる財産は大きく分けて3つあります。
1 つめは経験です。価値を作り出したときの社会が歓迎してくれる瞬間。お前がいて良かった。そんなアイディアを待っていた。代わりがいないってそういうこと です。大歓迎される気分。時間を売って働いているだけじゃなかなか得られない体験。
その経験をぜひ死ぬまでに味わって欲しいと思います。
死ぬときに思い返すことがあるとしたら間違いなく誇らしくなる気分になると思います。
2つめはお金という財産です。
作 り出した価値の大きさで、今の資本主義社会はお金という対価で報いる性質があります。
これは歌手を考えればわかりますね。
ある歌手が良い 歌を作って、社会(多くの人)が価値を認めればその人には多くのお金が入ります。
まあでも一番小さい財産です。
3つめは ネットワーク。
実はこれこそが一番素敵な財産なのです。
一つの価値を生み出すことに挑戦する。それはやがて事業になります。事業 が成長していく過程でどんな事業も数十人というスタッフを巻き込んで進んでいきます。社内社外問わずネットワークで事業は大きくなっていく。
そ してそのネットワークはその事業から去る日が来ても残るのです。
僕はこの会社以外にもう一つ副業(釣り)がありました。
そこでも 14年間頑張ってきましたけど、今度一つの大きな事を始めようとしています。
そして14年間の副業で出会ってネットワークを構築している 人たちや、僕に関心を持ってくれている人たちに呼びかけたのです。
そしたら想像以上の人が集まってくれました。
僕が作ろ うとしている価値を、みんなが歓迎してくれている。
まだ何にも形なんて無いんですよ。こんなのがあったら素敵じゃないか。
それだけで大歓 迎されている。それは絶対成功するんです。僕さえあきらめなければ、僕さえその価値を信じ続ければ必ずうまくいきます。
もうほんと最高。 こんな財産は他にないのです。
皆さんがどこで働くにしても、今日の話をぜひ覚えておいてください。
どうせみんないつか死んじゃう でしょ。
会社で一番変な人間の話でした。
- 2010年2月18日
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