約1ヶ月ぶりに、フィールドに浸かって釣りをした。

この1ヶ月は実に様々なことが進行し、車の免許を取得してからずっと夢のままでとどまっていた"釣り仕様マイカー"を、ついに手に入れた。

でもスタートはここから。いつだって、何かを手にしたら次の目標に向かって走らなきゃいけない。

これからよろしく、MT4WDのアクティバンよ。

■ 成長したハクたち

　フィールドを見渡すまでもなく、川岸に小魚の群れが水面を騒つかせているのがわかった。

まだボイルはないが、これからやってくる上げ潮のタイミングを待ちながら、この日の1番良さげなコースを探していく。

その時がくる合図として、ボラのジャンプもひとつの指針。

狙いのスポットをいくつか打っていくと、幸先よく小さく水面が踊った。

【ヒットルアー:スウィングウォブラー85S/PDG】

その後も水面に波紋を出しながら引いてくるスウィングウォブラーに何度もバイトが出るが、どれもうまくフッキングせず「あぁ〜」とか「うわぁ〜」とか一人で呟く。

全然ヒットしないのに、僕はそれを楽しんでいた。

　釣れるルアーがわかったら、次のルアーを試してみる。

かれこれこの川で4年くらいは投げ育てている、ハンドメイドシンペンCork。

その無塗装のバルサの塊にも、ちゃんと魚は目を向けてくれた。

【ヒットルアー:Cork/1989Lures】

無塗装だけど、"カラーがない"わけじゃない。

チョイスする優先順位としては個人的に最後の手段として位置するカラー選択だけど、なんでも良いと思ったことは一度もない。

もちろん誰かが、カラーなんてなんでも良いと思ったって、もちろん僕としてはなんでも良いんだけど。

　この日のベイトの正体は、春先にはまだマイクロベイトだったハクたち。

すっかり大きくなって5センチを超える程に成長したイナッコの姿を見たら、この1ヶ月のブランクを実感せずにはいられなかった。

だけどそんな不安をまるで感じさせようともせず、体が覚えているいつものルーティンを受け入れてくれる小さなホーム河川に、釣りにおける自分にとっての返る場所を垣間見た気がした。

■ PennyのSuck

「これで釣りたかったんだよ」

目はカワイイし、ベロもペロッとカワイイし、製品としての愛され要素を持っている気配がぷんぷん漂うペニーサック。名前ちょっとヤバイけど。

ノーマルリトリーブじゃボトムタッチしちゃうからスローに巻いてたら、トンっと来た後ロッドとラインの向こうでゴンゴンやってる。

【ヒットルアー:Penny Suck99初代/HALCYON SYSTEM】

マゴチまで登場する展開が地味に楽しく、ペニーサックが魚を連れてきてくれたことがなにより嬉しい。

これどうかな？あれどうかな？を、ひとつずつ体験していくこの過程。

フィッシュグリップから抜けるとササっと逃げていったマゴチが、雨降りの濁りの中へと姿を消していった。

　随分とこうして文字を思い綴ることもストップしていたのだけれど、詰まっていた栓が抜けたかのように車が手に入ると再び浮かび上がってきた。

いやでも…それは車がきっかけじゃなく、きっと釣りに行ったからだろう。

普段、魚が釣れた日の帰り道はあまり眠くならないんだけど、トコトコとスローなギアチェンジを繰り返す軽箱バンを、日付が変わった深夜の海岸線は横目で見送った。

【TACKLE DATA】

ZENAQ/PLAISIR ANSWER PA89 Technical Surfer

SHIMANO/18 STELLA 3000MHG

SUNLINE/CAREER HIGH6 1号(16lb.class)

SUNLINE/STATE CLUTCH SHOCK LEADER NYLON 16lb.

【WEAR ＆ TOOL DATA】

Cap/1989Luresオリジナル(OTTO)

Life jacket/SHIMANO XEFO ショートゲームベスト VF-274L

Wedear/Pazdesign BS BOOTS FOOT WADER V

Porch/Columbia,CHUMS

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