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村岡昌憲

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  • ジャンル:日記/一般

長崎にいる間、毎日のように遊んでいた猫がいた。
黒毛がまるで熊のようだったから「クマ」と呼んでいた。

オスかメスかどうかはわからない。
でも、僕はこの猫を本当に愛した。

毎日、スーパーマーケットでソーセージやかまぼこを買い、彼女の元へとせっせと運んでいた。少しずつだけど、気を許してくれるのが楽しく、張りつめた現場作業でのほんの一時の楽しみになっていたのだ。

クマを東京に連れて帰りたいと何度と無く思っていた。
でもそれはできない。僕の家にはすでにパロという猫がいて、氣難しがり屋だけどそいつはそいつで僕は気に入っていたからだ。

それでも何とかうまい具合に彼女を東京へ連れていけないものかと思い悩んだ。
「俺と一緒に東京へ行くか?」
伝わるはずもない言葉を投げかける度、彼女は少し困った顔をした。

2ヶ月ぶりの長崎。季節は梅雨になった。
やっぱりいつものようにソーセージを持った僕がいた。
そして、いつものように音もなくやってくるクマがいた。
僕の顔を覚えているのか、彼女は少し嬉しそうにはにかんだ。

「元気だったか?」
自分が何もしてあげられないという根本的な虚しさを押し殺しつつも、問いかけながらソーセージを美味しそうに平らげる彼女を見つめた。
なんとかこの猫を自分の生活範囲の中におけないものか。色々と考えたけど答えは出せなかった。そんなことは彼女自身が結局望んでいないだろうし、僕自身もそこまでする苦労や困難さを思うと足がすくむのだった。

最終日。最後にもう一度かまぼこを持っていった。
そこでやっぱり言えない自分自身の願望。
相変わらず背伸びしたり、僕の見える範囲でのんびりとくつろぐ彼女は本当に愛おしいと思わずにいられないほどだった。

そしてさよならの時間。
4月に帰る時ほど悲しくはなかった。

「次にこうして僕が来ることはもう無いかもしれないな。」
そう言った僕の顔を見て、

「次は東京で会いましょう。」

彼女はそう言ったように聞こえた。

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