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カタボシイワシパターンのスズキ釣りファーストチャレンジで見えたもの その1 〜カタボシイワシという魚〜

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"春に引っ掛かってきた24センチあまりにもなるカタボシイワシ。冬のアベレージは19センチ程だったけれど、成長した証なのかはたまた群れが変わったのだろうか?"
 
多くの人は聞き慣れないと思うカタボシイワシという魚。冬になると鹿児島市内の港湾エリアに出没し、ブリ狙いの釣り人が岸壁を賑わす光景を見せるベイトとなる魚です。
 
カタボシイワシを少し調べてみると、日本における生息域は主に鹿児島県〜神奈川県の相模湾沿岸部など。20世紀にはあまり見られなかった魚との記載もあり、近年の温暖化等による気候変動が影響しているのかな?と少し思ったりします。
参考:ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑より
 
私が初めてカタボシイワシの存在を知ったのは10年程前の大学時代ですが、一体いつからカタボシイワシがこうして鹿児島市内港湾エリアに出現するようになったのか気になるところですね。ちなみに人生初のスズキは、ブリ狙いの人たちが集まるエリアの端っこでエギングタックルにフローティングミノーを付け、ひょいっと投げてみたら足元でヒットしたカタボシイワシパターンでのまぐれの1匹でした(笑)
 
全国的にはあまり馴染みのない魚と思うので他県の方の参考になるかはわかりませんが、コノシロパターンやその他大型ベイトパターンに少しくらい通ずる所があるのではないかと思うので(個人的にはコノシロパターンとかにアプローチが似ていれば、今後の釣り方の幅が広がるので嬉しいのですが)、私が経験したことをベースとする2019年のカタボシイワシパターンのスズキ釣りを、考察(推測も含む)を交えて振り返ってみたいと思います。
 
 

■ 冬と春のカタボシイワシの違い
いきなりマニアックなテーマから入るのですが、冬から春にかけてのカタボシイワシにはある違いがあることに気付き始めました。
 
冬は少しでもルアーに触れれば引っ掛かってくるのに、春はルアーにごつごつ当たっても全くと言って良いほどカタボシイワシが引っ掛かってこないのです。
 
冬はシンキングタイプのルアーを投げようものなら十中八九フォール中に引っ掛かり、時にはフローティングミノーですら着水と同時に引っ掛かって釣りにならない程だったのですが、春はベイトの存在の有無や位置を確かめるためにレンジを刻み、わざとカタボシイワシに当てにいくアプローチを繰り返してもほとんど引っ掛かりませんでした。
 
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"冬シーズンに引っ掛かってきたカタボシイワシ。やや大きめの個体でも全長19センチ程で、イワシと名前に付くだけあって鱗は少しでも何かに触れるとパラパラと飛び散るように剥げてしまうほど弱い"
 
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"春シーズンに何故か3〜4匹程引っ掛かる日が1日だけあり、その時に大型クーラーBOXで生かして観察したカタボシイワシ。隣に浮かぶルアーはメガバスのカゲロウ124F。カタボシイワシのサイズは、最大成長サイズと言われる24センチ程になるのが見て取れる"
 
冬と春のカタボシイワシのコンディションが違うのだろうと直感的に思いましたが、では何がどのように違うのか?と考えると2019年シーズンの実釣ベースの経験だけでは確信を持ったことは言えずただの憶測レベルになってしまうのですが、実釣と検証を重ねた数年後に真実が分かった時がもし来た時、現時点での自分の知識を記録に残しておきたいと思うので思い切って書きます。
 
 

■ ルアーへの引っ掛かり易さは鱗(身)の硬さ?成熟度具合?
当初は「鱗の硬さが冬と春で違うんじゃないか?」と考えていました。厳密に言うと鱗単体としてではなく鱗が付いている身の質と複合して考え、「身が柔らかいから鱗の下の身にフックが刺さりやすいのでは?」とか「身が引き締まって硬いと鱗と鱗の間も締まって刺さりにくいのでは?」などといった感じです。
 
これを確証に持っていくためには、カタボシイワシの身は本当に季節毎に変化するのか?を検証しなければいけないのですが、検査方法からデータ取りまで含めるとちょっと良い案が浮かびません。そこでカタボシイワシが旬なのかそうでないのかによって、身の脂の乗りが違うのではないか?と推測してみました。
 
一般的に産卵前で脂が多く乗った状態をその魚の旬と呼んだりすると思いますが、スズキを含むフィッシュイーター達は"効率の良い捕食を可能とし、尚且つカロリーの高いエサを選択する"という考えを聞いたことがあり、それに当てはめるならば脂の乗った時期のカタボシイワシは絶好のターゲットでありルアーに引っ掛かり易いということの理由にも当て嵌まるのではないか?と考えたのです。
 
けれど、この考えが間違いの可能性が高いことに自ら気付きます。冬より春のカタボシイワシの方がサイズが大きく尚且つ身もパンパンだったことから疑問が浮かび、ここで初めて「カタボシイワシ 産卵期」というキーワードで検索をかけたのです。
 
いくつかの文献を読むうちに、カタボシイワシの産卵期は『夏から秋にかけての可能性が高い』ことを知りました。
 
つまり、産卵に向けて沢山の栄養を蓄えて脂が乗った冬のカタボシイワシという当初の見立ては全く持ってハズレであり、冬はむしろ産卵を終えたアフター時期に当たってしまうのではないかという結論に現時点では至りました。
 
たったこれだけの要素だけで決めつけることは出来ませんのであくまでこれまた推測ですが、冬のカタボシイワシのサイズがアベレージ19センチ程で春がおおよその最大サイズと言われるの24センチであったことから、"若い個体はまだ鱗や身は柔らかく、成長するに従って鱗や身は硬くなるのではないか?"という仮説を立てました。
 
つまり、『カタボシイワシの成熟度具合がルアーへの引っ掛かりに左右するのではないか?』というのが現時点での私の推測による結論ですが、成熟すれば本当に鱗が硬くなるのか?という疑問を解決に導くような文献すらまだ見つけていませんので、今後調べていこうと思います。
 
また、カタボシイワシの産卵期についても知識はまだまだこれでは浅過ぎるので、同じく勉強したいと考えているところです。
 
 

■ スズキの産卵期との関連性 〜スズキはカタボシイワシを優先的に捕食しているのか?〜
ここまでの考察をまとめると、冬のカタボシイワシはアベレージ19センチ程でルアーに引っ掛かりやすく、春は最大成熟サイズであるであろうアベレージ24センチ程で産卵期は夏〜秋にかけて。これを踏まえた上で、もうひとつの疑問が浮かびました。
 
"スズキはカタボシイワシを何故捕食するのか?"
 
何故ってそこにデカイ餌があるからだろう?と単純に捉えてもいいんですが、そこは私のスズキ釣りの楽しみ方として、やっぱりややこしく考えてみたい(笑)
 
「秋の荒食いスズキ」なんてフレーズをハイシーズンにちらほら目にしますが、スズキの産卵期が冬であることがその理由のひとつと考えられていると思います。産卵に向けて栄養を蓄える為に、より高カロリーの餌を選んで捕食するという必然性が生まれるのも理解出来ます。
 
日本全国見渡してみて代表的な秋の荒食いのメインベイトとなるのがコノシロだと思いますが、鹿児島湾(通称:錦江湾)の鹿児島市内エリアにおいて私自身はコノシロを見掛けたことがありません。
 
その代わりコノシロみたいに規模の大きい群れを成し、サイズやフォルム的にも似ている(1番似ているのは紛れも無くサッパですが)カタボシイワシが現れます。
 
"スズキは産卵に向けて、高カロリーのカタボシイワシを優先的に捕食している"
 
カタボシイワシをコノシロに置き換えてイメージを構築していった2019年シーズン当初は、上記のような考えを持っていました。
 
ただカタボシイワシの産卵期が夏から秋と考えるなら、カタボシイワシパターンでのスズキ釣果が聞こえ始める冬のコンディションとしては、産卵後の為に特段高カロリーというワケではないのではないか?と思い始めたのです。
 
なんとなく抱いていた当初のイメージは、カタボシイワシも産卵期に備え沿岸にやってきてプランクトンを捕食し、産卵期を控えたスズキがカタボシイワシを明確に狙って追い掛けてくるものだと思っていたのですが…どうやらそれはただの想像に過ぎなかったようです。
 
そして、コノシロの産卵期についても調べてみたのですが、春から初夏に掛けてのようですね。カタボシイワシと少しズレますが、ここで一旦とある結論を出しました。
 
 
"産卵期を迎える晩秋から冬のスズキはこのエリアに依存する個体に限って、餌の絶対量が豊富であるカタボシイワシを『とりあえず』捕食の対象にしている"
 
 
これだけ長々と語っておいて『とりあえず』で片付けようとしていることにズッコケるかもしれませんが(笑)、2019年シーズンにおける実釣ベースでの考察としてはこれを結論にしたいと思います。
 
カタボシイワシはルアーに引っ掛かってくると、なかなかの引きを見せるので決して遊泳力が弱い魚ではありません。1匹のスズキ対1匹のカタボシイワシで見ると、捕食は困難を極め成功率も低くなるのではないか?と私は想像します。
 
ですがそこを補える要素のひとつが、カタボシイワシの群れの規模の大きさが挙げられると思います。
 
場合によってはフィールドを見渡す限りカタボシイワシだらけといった、所謂ベイト絨毯のシチュエーションにも出会すことが多々あります。スズキの目線を想像してみると、群れに対して下から突っ込みさえすれば1匹くらいは捕らえられるだろうと思えるほどの規模です。
 
そして、カタボシイワシが出現するエリア内で考えると、対象となるベイトの大きさとしてはやはり1番大きい部類に当て嵌まると思います。
 
スズキからすると"脂の乗った最高のご馳走"とまではいかないかもしれませんがある程度のサイズを伴い、ルアーへの引っ掛かり具合から見る考察が正しければ消化も良いベイトに当て嵌まるだろうし、結果的にそのエリアにおける高カロリーな餌を選択していることに繋がっているのかもしれません。
 
 
 
私にとってカタボシイワシパターンのスズキ釣りファーストチャレンジとなった2019年シーズン。多くの釣り人はカタボシイワシに着く青物狙いに勤しみますが、その中でスズキにターゲットを絞っているアングラー達もいます。
 
そのアングラー達が好釣果をあげる冬のシーズンに、私は全くスズキを釣ることが出来ませんでした。実釣ベースでみると、私にとってのカタボシイワシパターンは春の季節だと言えます。
 
『冬と春のカタボシイワシの違いと、冬と春のスズキの違いとは?』
 
今回のログではその"確信に最も近いであろう部分"には敢えて触れていません。それについていつか書く日が来るのかどうか…今後の実釣と検証次第であり、今はわからないところです。
 
ただ、自分で言うのもなんですが、そこを知るヒントは文中に転がしてみたつもりです。それが合っているか間違っているかも含めてカタボシイワシという魚を知るきっかけとなり、さらにはプランクトン捕食習性のその他のベイトへの応用、そして自分なりのスズキ釣りを追求する考察に繋がればと思いました。
 
「これを読めばカタボシイワシのことが分かる」というようなログは現時点での私には書けませんでしたが、数年後・数十年後に自分自身で読み返した時にどう感じるか?ということに期待を込めて、来シーズンを万全な状態で迎えるべく考察を継続していきたいと思います。
 
 
 
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