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マルタウグイと性淘汰



また大好きな生物の話。



その昔、進化生物学の父、ダーウィンは生物の生存に関わる形質(生物の持っている性質や特徴の事)が実に合理的である理由を、自然淘汰論によって説明しました。


要するに、生存に有利な形質を持つ個体は、子孫を残す可能性が高まり、その形質をもつ個体ばかりが増えていくので、やがてはその有利な形質はその種の全ての個体に共有されるという考え方ですね。



例えば、今僕が、このスマフォで文字を打っている指先。
指先には指紋があり、この指紋のお陰で物を掴んだ時に滑り難くなったり、物に触れた時に指紋の山の部分だけ凹むことで指先の感覚を増幅させています。



この指紋という形質だって、長い進化の歴史の中で、生存に有利だから、種の中で広まり、やがては全ての個体に共有されたもの。



こうやって指先一つみても、生物は実に合理的で面白いですよね。
私達の体のパーツは、形、色、大きさ、どんな視点から見ても殆ど全て合理的に作られています。


瞳や髪の毛の色は、もっとも紫外線を通さない黒色。
ぶつけ易い指先は爪が生えて守ってくてるし、
耳は音をより多く集める為に、ただの穴じゃなくて耳殻がついてる。


進化生物学が発展する以前の昔の人達は、何故こんなに全てのパーツが合理的に出来ているかを考えた時に、それは人間は全知全能の神様が作ったからだと考えたのも、肯けますね。
(宗教的な意味合いは除く)



ただ、この実に合理的にできている生物の形質ですが、中には自然淘汰論では説明出来ない、その個体にとって明らかに生存に不利な形質もあります。




例えばライオンの雄の立派な立て髪や、孔雀の雄の大きく美しい飾り羽などなど。




だってあれ絶対邪魔でしょ。笑
立て髪が無い方が、視界も広がって多くの獲物を発見できるはずだし、無駄に大きな飾り羽がなければ敵に襲われたら時に、もっと俊敏に飛んで逃げることができ生存率が上がるはずです。


またセミやカエルのメスを求めて大声で鳴く習性もそうです。
大声で鳴くことにより、メスに発見されますが、同時に捕食者にも容易に発見されされてしまい生存率が下がります。



単純に、ダーウィンの自然淘汰論の通り、生存に有利な形質が広まるのであれば、セミもカエルも静かに鳴く形質を持つ個体が増えるはずですが、実際はそうではなく、今日もセミもカエルもとてもうるさく鳴いています。笑




このように、自然淘汰論では全ての進化の方向性を説明出来ないことはダーウィンも気付いていて、自然淘汰ではない別の方向性の淘汰が働いていると考えました。
すなわち、生物は生存したのちに、生殖というイベントを行い、これにより子孫を残しますが、この生殖も生存と同様に、生物の進化の方向性を決定するのに重要であると考えました。
つまりこの生殖の成績に関係する形質も、自然の中で選別され淘汰されるということです。





これをダーウィンは性淘汰と呼び、この考えは現在まで支持される進化生物学の骨格の一部となっています。




この生存に有利かどうかを選別基準にする自然淘汰と、生殖に有利かどうかを選別基準にする性淘汰では、別の基準で働く進化の方向性です。
なので性淘汰の影響を強く受ける進化の方向性を歩んだ種では、明らかに生存には不利な形式の進化が見受けられることとなるのです。


最初に例にあげたライオンの立て髪やクジャクの飾り羽がその典型例ですね!







……と、何故、急に性淘汰の話をしたのかと言いますと、毎年この時期になると、インスタやTwitterで良く見かける多摩川の婚姻色の出たマルタウグイの美しい写真……




(友人のFacebookより勝手に拝借。笑)



いやー綺麗な婚姻色ですね〜









こんな綺麗な色じゃなかったら釣られる事もなかっただろうに…!!爆




いや、だって普段、マルタウグイなんて釣り人は見ぬ気もしないじゃん?
美味しくないし、普段は地味な色だし。




むしろ、ウグイといえば


キングオブ外道


な訳ですよ。





北海道の湿地でイトウを狙うアングラー

「なんだよウグイかよ!」




東北で本流トラウトを狙うアングラー

「なんだよウグイかよ!」





北陸ホタルイカパターンでメバルを狙うアングラー

「なんだよウグイかよ!」







早春の東京湾バチ抜けシーバスを狙うアングラー

「なんだよウグイかよ!」








多摩川で婚姻色ウグイを狙うアングラー

「よっしゃーー!!!きたー!!!めっちゃ綺麗!!最高!!」




となる訳です。爆
(注:別に多摩川ウグイアングラーを馬鹿にしてるわけではありません。何なら僕も毎年やりたいな〜と思ってます。)





いやー普段、見ぬ気もされない魚なのに、繁殖期になり婚姻色のせいで、アングラーに釣られて生存率が下がる……
もちろん、長い、進化の歴史から見たらここ数年の婚姻色マルタウグイのブームなんて進化には全く関係ないですが、ここまで鮮やかに目立つ婚姻色では、ここにいますよと言っているようなもんです。
人類が発展する前からずっとこの婚姻色のせいで、鳥やイタチ、キツネなんかに狙われて生存率が下がっていたのは間違いないでしょう。



まさにマルタウグイは自然淘汰より性淘汰の影響を強く受けた進化の典型例な訳ですよ。






と、毎年、この時期になると、SNSを賑わせるこの婚姻色マルタウグイを見て、進化における自然淘汰と性淘汰の関係性を思い出す私なのでした。




ではでは〜
















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