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村岡昌憲
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▼ 勝ち取ったもの ~スイス研修1~
- ジャンル:日記/一般
- (pain-経営-)
ただでさえ普段以上の過酷なスケジュールの中で、数日前に無理矢理組み入れた雑誌の取材予定。
取材の趣旨に対するレジュメを事前にワードで作成しておき、細かいハウツーに関しては時間を割かず、絵となる魚をすみやかに獲って3~4時間で終わらせるはずだったが、ポイント選択と見切りを誤ったことにより良型の魚を手にするのに7時間近くかかってしまう。
おかげでまったく寝ないで僕は成田空港へ向かうことになった。
成田に集まったのは僕の他に7人。
彼らは新卒中途問わず、全員が入社3年目となる社員である。
そう、今回のスイス渡航目的は研修である。
行き先はSwitzerland. スイス連邦。

スイスに何を研修しに行くか。
僕の会社ではこう呼んでいる。「いい空気研修」と。
人間が社会生活を送る上で大事なことはたくさんあるけれど、僕がすごく大事にしている要素がある。
それは自らいい雰囲気を作り出せる力、である。
僕をよく知っている人はご存じだろうが、この点において、僕は自分のその力に対しまったく自信が無い。
むしろ圧倒的な劣等感すら感じている。
自分の中では、悪い空気を持っているつもりは毛頭無い。
けれども、いい空気を他人に伝えることがとても苦手だ。
自分の想いを他人に対して伝えるということがとても苦手なんだということは大人になる課程で知ったことの一つ。
それを少しでも身につける努力を僕はしてきたつもりだけれども、苦手なことはいくら時間を掛けても習熟しないもの。
やがて、僕の強みであるスピード感や独創性を発揮するためにも、自分の周りにはいい空気を創り出すことを得意とする人間を置くようになった。
ずいぶん前に産業工場向け消臭剤ビジネスを立ち上げた時も、自分の力の源泉であるスピード感と提案力、突破力を発揮した際に必ず反作用で発生する荒っぽさや破壊的な側面が、ある段階でその事業の成長の足かせになることを過去の経験から知っていた。
そこで活躍したのは3人の優秀な部下だった。
彼らのうち、業務遂行力に関しては、優秀な者もいれば劣る者もいた。
が、3人に共通していたのは圧倒的なまでの他人に好かれる力である。
この他人に好かれる力。
それはいい雰囲気を創り出せる力。
彼らは僕の事業メッセージ、商品メッセージの代弁者となり、誤解の発生や利害衝突を極力防いだ。
それは成功へと向かう事業成長の過程で、もっとも欠かせない力だった。
今でこそあの事業は僕の事業創造力の一つの結果として位置づけられているし、僕の独創力、提案力がもたらしたのは間違いないけれど、一方では彼らの力無くして成功は何一つあり得なかったことを僕は腹の底まで理解しているのである。

僕がスイスに訪問するのはこれで8回目となる。
過去、何度も訪問していく課程で、僕はスイスという国と歴史、民族性を理解していった。
産業革命から先の終戦に至る激動の時代、覇権を問う列強諸国の中に存在していた日本とスイスという二つの小国。
その似た運命の中で、これほどまでに違いが鮮明に分かれた歴史を持つ2つの国。
かつて、貧乏ではあっても貧困が存在しなかった世界でも希有な2つの国。
助け合い、励まし合い、分かち合い、領主や藩主ともに運命をともにしようとする国民性。
だけど、今となっては日本においてはそれを支えた多くの美徳が崩壊し、かたやスイスではそれはまだ忠実なる伝統として存在しているように思う。
そして、スイス人には未だにその良い空気が何であるかを知っている人が多いように思う。
だからこそ、社員にはそれを知ってほしいと思う。
そして、いつかこの国にそれを取り戻していく一つの力になっていってほしいと心から願う。
もうひとつ、今回の「いい空気研修」には一つ変化があった。
過去に行われたいい空気研修は約束されていたものだった。
会社説明会で新入社員は研修に連れて行くという公約があった。
そのせいかわからないけど、特に前回行われた研修はひどい結果となった。
具体的な事は知らないが、こういう場合にいつだって足りないのは配慮であり、思いやりであり、感謝である。
しかし、前回の研修を引率した役員が帰ってきて発した言葉。
「こんな馬鹿馬鹿しい思いをするならやめよう。」
その言葉によって、当社の「スイスいい空気研修」はそれ以降の一切の実施が公約ではなくなった。
そして今回のメンバーはその公約がない形で入社した最初の世代である。
しかし、つくづく人間とは面白い。
行けるのが当然となれば、配慮も感謝も解っていてもついつい忘れてしまう。
そこを支えるのは、人としての聡明さであり、常なる感謝であり、思いやりであり、配慮であろう。

「彼らをスイスに」
あちこちの方面からその声が沸き上がる中で、僕は彼らが入社後3年間掛けて今回の研修を勝ち取ったのだと気づいた。
そしてそのような社員を持てたことへ感謝し、僕自身が今回の引率を引き受けたのである。
ちなみに誤解されたくないので追記するが、僕が書く「感謝」とは、会社へ感謝しろとか、俺を敬えとかではなく、
・自分がそこに存在しうること
・自身が五感を持って実感する全ての事象。
に対する有り難き事への感謝である。
「本来、全てのことはあり得ない。」
というベースが精神の根底に形成されない限り、この感謝の気持ちを持つことは不可能である。
あり得ないことがそこにあるから、有り難い、なのだ。
そしてそれを解る人を大人という。
fimoを立ち上げた当初。
まだどうなるかもわからないたった一つのwebサイトに、多くの人が長年続けてきた他のブログサービスから移転をしてくれた。
そのあり得ない事が起きたから、今のfimoがある。
そこに思いを馳せる時、僕はモスクワ上空でこれを書いている今でも涙するのである。
- 2011年7月23日
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