Area51 ~シーバス 運河筋~

Area51 - Stage5 ~ 確信の解放 ~

2004年6月12日 港湾部シーバス




分厚い地獄模様のような雲の中を飛ぶこと10分。

眼下に見渡す東京のネオンが広がった。

1週間の石垣島出張が終わったのだ。



家に帰るなり、洗濯物を放り込み洗濯機を回して出撃する。
 
出際に久々に会う飼い猫が寂しげに鳴くのだが、今晩も我慢してもらおう。
 
明日は一緒に風呂入って一日中毛繕いしてやっから。
 
 
 
先週にボートでヨレビのテストに行った際、表層の潮が全滅していてテストには全くならなかったのだけど、
 
深場を控えた常夜灯の照明絡みでヨルクルが猛烈に炸裂した。
 
この時に確信めいたものがある。
 
ヨルクルはいわゆるクルクルと同じブレード系であるが、ベイトが魚である時に猛烈に強いという特徴を持っている。
 
ボートの世界を完全に席巻した実力を見てもらえば、その陸っぱり仕様が出たらどうなるか想像するのは簡単だ。
 
しかし、バチ抜けパターンになると、ホントに釣れないんである。
 
最終テスト段階の2月は夜間のテストにガンガンと出たのだが、
 
雑誌社の取材が思いっきりバチ抜けの時期にはまってしまった。
 
 
 
今までほとんどの取材を釣る時間にして5分、長くても1時間とかで終わらしてきた自分にとって、まるまる一晩かかったこの時の取材は、その後の雑誌出演をしばらく断るほど悪夢のような釣れなさっぷりであった。
 
もちろんX-80SWを使えば簡単に魚を出すことはできたことはわかっていたが。
 
最後の最後に出したハチマルは簡単に結果を出してしまうのである。
 
 
 
ヨルクルは諸刃の剣の様相を持つルアーということだ。
 
しかし、考えようによっては極端な性格を持つルアーはサーチベイトとしての性格を持っているということ。
 
春から夏に移行するアーリーサマーや
 
真夏のタフコン時のベイトがエビなのかサッパなのかを判断しようとする時に、
 
これは極めて有効なサーチベイトとして機能するということなのだ。
 
 
 
車を飛ばし、
 
京浜運河一帯の中でもあまり人気のないエリアに入る。
 
このポイントは潮通しはすこぶる悪いが、水深が浅いし、底質が非常に良いしで夏になると
 
浄化された良い水を求めてシーバスが回遊してくる。
 
 
 
人間が使わない死んだ運河はやがて砂泥が堆積し、浅くなって貝や海草が生え、
 
栄養を蓄えながら干潟となっていくのである。
 
人間の活動の無意味さと愚かさ、自然の懐の大きさをここでは知ることができる。



もちろん魚が入るのは夜半。
 
この潮位なら護岸際に灯る常夜灯に着いてるはずだ。




同時に先週から川崎、湾奥に一段大きなイワシの群れが入ったと聞いていた。
 
イワシパターンなのか、まだバチ抜けパターンなのかを把握するためにヨルクルを撃ち込んでみる。
 
まずは水面直下、常夜灯から20m程離れたところから、常夜灯の灯りが照らされているゾーンの向こう側にキャストする。着水点は護岸ギリギリ。
 
そこから水面直下をスローに引く。



灯りに差し掛かってブレードの回転がキラキラと見えた瞬間に、金色の閃光が走る。
 
ヒット!



沖の魚だ。
 
激しい突っ込みを即座に予想し目一杯沖側にクロスインパクトを出して外側へ魚を走らせる。
 
堤防の下に潜られたらやっかいだ。
 
案の定、強烈な突っ込み。
 
自分も常夜灯からどんどんと離れる感じで、後ずさりしながらポイントから魚を引きはがす。
 
足元が高いところではこれをやらないとあっという間に足元まで魚が来てしまってバラす原因になる。
 
しっかりと弱らしてから護岸の低いところにずり上げる。
 
でっぷり太ったビッグフィッシュ。
 
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64cmでした。
 
 
 
ブレード系に即座に反応したということは、魚がベイトであるということであろう。
 
バチから夏のサマーベイトに移行したと判断する。
 
ってことはハチマル、マーゲイ、ヨレヨレといった自分超お得意の爆釣リレーが炸裂する。
 
確認のためにバチパターンの王道、にょろにょろをキャストしてみる。
 
水面直下を超デッドでリトリーブする。反応が乏しいはずだ。











ゴツッ
 
あれ?
 
 
 
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しかもでかかったし。
 
 
 
要するに自然は偉大だという事(笑)
 






しかし、その後の数投でバイトの出方から、今日はベイトパターンに分があるということを、こんな愚かな人間でも知るのである。
 
 
 
 
 
再度、ヨルクルに変えて護岸ギリギリを引く。
 
なるべく遅く、水面直下。
 
ヨルクルはブレード系でこれができるのが大きい。
 
キラキラ光る後ろで強烈な反転水流が水面に沸き上がる。
 
まだいる!
 
ここんとこ、腕がなまり気味なので全力で出しに掛かる。
 
もう一度灯りの向こう側にキャスト。
 
一度沈める。
 
2m位のボトムに着底させてからティップを下に向けてスローにボトムギリギリを引く。
 
灯りのゾーンに入るか入らないかくらいから、ティップを上げて灯りのゾーンを水面に向かってヨルクルを泳がせる。
 
このパターン、常夜灯下では必須パターンだ。
 
さんざんやって解ってるパターンであるが、飽きるどころかまだ探求すべき点がいっぱいある。
 
ルアーの抵抗感が水面に近くなり、そろそろキラキラ光るブレードが見えるんじゃないかってところで
 
ドン!
 
とバイト。
 
ブレード系の下からの反転食いは即アワせだ。
 
ガッツリと背筋を使ってアワセを叩き込む。
 
凄まじい重量感。
 
でかい!
 
そこからは少しドラグを使って慎重にファイトする。
 
夏の魚はなかなかスタミナが切れない。
 
沖に走ろうとする時はドラグを緩めてしっかりと走らせる。
 
 
 
夏のシーバスを弱らせるコツは一つ。
 
まずは頭から回さないということ。尾びれの方向、つまり真後ろからテンションを掛けていく。
 
泳ぐ力と同じくらいのテンションで引っ張り合いに持ち込み、その場で泳がせるのである。
 
するとエラに水が通らないので、シーバスは数秒で一気にバテる。
 
これが普段通りに、頭から回すと、動くたびに酸素を与える結果になってしまう。
 
 
 
 
 
低い段まで誘導してランディング。
 
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これまたでっぷりした72cm
 
 
 
爆釣の展開と読み通りの釣果に、顔がほころぶ。
 
今宵は風も無く、雲は低く垂れ込め、鏡のような運河のほとりで
 
ひとりにやける男の姿があった。
 
 
 
 
 
そしてまだいる魚たち。
 
常夜灯は休ませることにして、沖の橋脚めがけてヨルクルを撃ち込む。
 
橋脚の数m向こう側に着水して、そこからスローに引く。
 
3投目、少し沈め気味の状態から橋脚に擦りつけるように通したところ、ガッツリとバイト。
 
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計らなかったが、これも60up
 
 
 
 
 
すぐさまヨレヨレに変えてフォローで同じ橋脚を撃ったところ、1投目にバイト。
 
2投目はなぜか出なかったが、執拗に攻め続ける。
 
その4か5投目ほどにバイト。
 
これも同じ感じだ。
 
 
 
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ヨレヨレのフォローベイトとしての能力は相当なもの。
 
出なかったら移動する前に撃つ。これがセオリー。
 
 
 
ちなみにメソッドは一度ボトムを取って、そこからスローリトリーブ。
 
橋脚の横にある1ドルフィンや変なプラント足場を丹念に撃っていく。
 
10投に1度ほど、どんぴしゃで通さないとバイトが出ないが、通せばいいサイズの魚がバイトしてくる。
 
 
 
 
 
op3Wxx7pRoPS6reEgwX2-61316a66.jpg
 
ヨレヨレのアルミパール強し。ブルーブルーも良かったが、後半は圧倒的にパールに反応が出た。
 
 
 
ヨルクルはここではティーザーの役割になってしまった。
 
魚の反応具合から見て出せるはずなのだが、ヨレヨレの方がイージーに出た。
 
まだ使い切れてないのである。
 
より使い込みが必要と感じた。
 
 
 
JigkPm6S7ngLYXHWJM85-e13bcfde.jpg
こいつは50台
 
 
 
こんな感じで爆釣まではいかないが、60upを何本か抜き上げたいい釣りだった。
 
この2週間で北から南まで幅広く回ってきて、やっぱり東京湾のシーバスは面白いな、と。
 
簡単に誰でも何を投げても釣れる魚も多いが、ある特定の動きとかレンジ、波動にしか反応しないシーバスがいる。
 
その前者と後者は居場所が違うのである。
 
その後者がいる場所で、普通にキャストしたって反応することはまず無いのである。
 
そこを如何に食わせていくか。
 
難しいようだけど、答えを知ってしまえば簡単だ。
 
その答えを求めていく時、そこに飽きは来ない。
 
 
 
春の港湾部の釣り。
 
ただ、常夜灯とストラクチャーを絡める釣りでは出ない魚がいる。
 
川やサーフではない。
 
運河の中にそんな魚がいるのである。
 
その魚を狙っていく面白さ。
 
 




使用タックル
ロッド アピア 風神ゼータ72Mクロスインパクト
リール シマノ ステラ3000AR
ライン 東レ シーバスPE 1号
プラグ 邪道 ヨレヨレ~
邪道 ヨルクル 
メガバス X-80SW
ゴミ 空き缶・ペットボトル  

 

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