バチ抜けを見たことは、スズキ釣りを始めて5、6年になるが未だ一度たりともない。鹿児島には存在しないパターンなんじゃないか？と思っていたが、釣り仲間からは普通にいるという答えが返ってくるし、SNS上でも時々バチ抜けの情報を見かける。

　僕が通っている河川にはバチがあまり生息していないだけかもしれないが、そのかわりと言ってはなんだが"バチに似たような謎の生物"の存在は確認している。その生物の正確な名前は、未だわかっていないのだけれど。

■ 10Parabellumで2019年ハンドメフィッシュ始動

「ゴツゴツゴツゴツ」

　まだ下げ半ばというタイミングだからボトムには擦らないはずなんだが、地形が変わったか？と思いながらリトリーブを続けていたハンドメイドミノー10Parabellumに、可愛いセイゴがくっ付いてきた。

　10センチのルアーと比較しても、30センチに満たないセイゴ。

　ゴツゴツの正体がボトムじゃなくて安堵すると共に、この日のパターンをひとつ掴む。バイトがあるのは、ルアーが動くか動かないかのスロー域であるということ。

　一見すると難しく絶妙なリトリーブ加減が要求されるように思うかもしれないが、ゼナック プレジールアンサー PA89 テクニカルサーファーならば、その領域を把握するのは容易いこと。コンセプト的にも、このロッドの十八番だ。

　アップにキャストしたら、その領域をロッドに聞きながら流していく。もう1匹似たようなサイズをキャッチし、今度はルアーをラザミン90に付け変えた。

■ 最終的に強いラザミン90

　この日、1匹たりとも小魚は跳ねないしベイトの気配など全くなかった。強弱を繰り返す上げ潮の流れだけが唯一の変化だが、それももう間もなく満潮時刻を迎える為期待出来ない状況になった。

　そんな状況でも強いのが、やはりラザミンの水面スロー引き。引くというより、流すだ。

　水面系のルアーだとミスバイトや当たるけど乗らないっていうことも多いが、ラザミンに関しては自重が8グラムと軽いことも影響してか、割とフックアップ率は高い。ラインのテンションだけを頼りに完全に流していることも良いのだろう、あまり激しくバイトが出るわけじゃないが、小さいセイゴの口に対してフックは内側から掛かっている。

　ラザミンでも似たような可愛いセイゴを2匹キャッチしたところで、満潮を迎えた川は静まりかえった。

■ 透明な謎の生物

　下げに入ると共に友人が合流し、2人で探っていくも良い反応は得られない。ベイトっ気の無さが続く中、またもフックに絡み付いてきたソイツを友人に見せた。

　「この透明な虫、なに？笑」

　横浜で育ち、バチ抜けも経験してきているであろう友人に正体を尋ねるも、初めて見たし分からないとのこと。

　実はセイゴを4匹釣った上げ潮の終わりに、フックにこの謎の生物が引っかかってきた。そこで今日の、スロー域でしかバイトを得られないことの意味を確信したのだが、肝心の虫の正体がわからない。

　流芯でも流れが緩い足元でも、引いてくるルアーに"トンっ"という感触がPA89を通して伝わり、結構な確率で引っかかってくる。足元をライトで照らしてみると、水中をちょこちょこと流れていくその透明な生物の姿が確認出来た。

　"僕はバチ抜けを見たことがない。だけど、この謎の透明な生物は今ここで見てしまった"

世間はバチ抜けが開幕して賑わう中、僕は僕の目の前に突如現れた"謎の透明な虫"との闘いが、開幕することになった。

【TACKLE DATA】

ZENAQ/PLAISIR ANSWER PA89 Technical Surfer

SHIMANO/18 STELLA 3000MHG

SUNLINE/CAREER HIGH6 1号(16lb.class)

SUNLINE/STATE CLUTCH SHOCK LEADER NYLON 16lb.

【WEAR ＆ TOOL DATA】

SHIMANO/XEFO ショートゲームベスト VF-274L

Pazdesign/BS BOOTS FOOT WADER V

ポーチ/Columbia,rbb

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