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村岡昌憲
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▼ アメリカ遠征釣行 その9 ストライパー編 2015年9月25日
- ジャンル:日記/一般
- (area-釣行記-)
アメリカ遠征釣行 その9 ストライパー編 2015年9月26日
アメリカ遠征釣行 その0 準備編はこちらから
いよいよケープコッド最終日がやってきた。
前の日は前夜から始まる夢のような時間を過ごし、朝に寝て午後には起きたものの俺も健さんもほとんどボーッと過ごしていた。
10時くらいに宿を出発する。

最終日は、これから俺たちの挑戦だ。
自分たちの力だけで、1本のストライパーをキャッチできるか?
船からのチャーターゲーム、カヤック渡船ゲーム、レンタルカヤックという3本のゲームを経て積み重ねた経験を持って、俺たちは最後の挑戦に向かった。
夜に爆釣したカヤック渡船したエリアは地図を見る限り、自分たちの力で行くことは不可能に思えたので、レンタルカヤックでストライパーのスーパーボイルを見たエリアに向かおうという話になった。

画像の河口付近。左岸にウェストデニース・ビーチという公園がある。そこに車を駐めて、左岸一帯でゲームを繰り広げればなんとかなるかもしれない。

シーバスの経験値から判断するに、BassRiverのチャンネルや写真右側の湿地帯からの払い出しやクリーク周り。

河口付近は堤防はもちろん、馬の背、シャローが狙い目。
写真に写っている浚渫船と土砂運搬パイプはすでに無かった。
そこに向かう最中。
健さんが、Yes!と叫んで車を急停止させる。
後続車が追突しそうになり激怒している運転手に、俺は手を挙げて謝りつつ、
いったい、何がイエスなんだ?と辺りを見渡すと、小さい川があって橋の絞り込みからすごい払い出しを見つけたのだ。

こりゃいるでしょ!
健さんが速攻車から飛び出して、ロッドを持ってキャストしに行く。

しかし、魚からの反応は何も無く、再度移動。
流れの向きと地図から確認するに、今の時点は上げ潮であることを知ることができた。

空の蒼さが海の近さを教えてくれる。

海岸道路沿いの道路を走って河口へと向かう。

ポイントについて、しばらく水面を観察。
上流の草原を見に行った健さんが、岸際で2発のボイルを見たらしい。
いるいる!
急いで準備してスタート。

満潮に近い時刻であることが、水際の草や水面から想像できる。

草原はとても広く、遊歩道が通っている。市民が寄付したベンチが休憩箇所として最適だった。
健さんがクリークの払い出しに陣取ったので、俺は風速7mくらいの風が作る流れと、その波で濁っているシャローに張り付くことにした。

この濁りの際とブレイクが絡めば魚が出る感じがイメージできる。
今回の旅ではこの釣りが最後の釣り。
悔いの無い釣りをしたいと思っている時。

Gaboz!!!90、SNECON130S、SNECON90S、Blooowin!80S、Shalldus20とBlueBlueルアーを中心に、邪道のスーサンなども投入していくが反応を得ることはできない。
健さんが見たというボイルも起きない。
3日前のカヤックの時にかなり見かけたイカナゴみたいなベイトがほとんどいない。

おそらく水没した草の中に隠れているのだろう。
たまにチェイスしてくる魚がいるので、ウォルマートで買ったスプーンを投げてみるとブルーフィッシュの小さいのが入れ食い。

2匹釣って、まあこれをやりにきたわけではないし、と終了。


風はそれなりに強いので、風による流れは発生しているのだけど、上げ潮とぶつかってしまって有効に効いていないのと、ベイトが草の中に隠れているので魚も寄ってきていないとで、今は時合いでは無いのだろうと判断する。
俺は少しだけ草原の外にベイトが張り出しているところを見つけたので、そこを重点的に叩いていたのだけど、そこでも反応が無い。
やがて、健さんが戻ってきて、「ダメだ、厳しいね。」と。
「ストライパー移動したのかもしれませんね。」
と返した瞬間に、目の前でスーパーボイルが始まる(笑)
目視で確認できるストライパーは2匹。
シャローに散ってるイカナゴに襲いかかった。
二人で夢中で投げるもノーバイト。
付き場も無く、ウロウロしているのだろう。
やがてボイルも無くなった。
健さんは堤防を見に行ってくると言って、河口の方へ向かった。
俺は再度ボイルが出る事を待ちつつ、草原湿地帯から馬の背までを少しずつ動きながら撃っていく。

ルアーローテーションしながら丁寧に丁寧に刻んでいく。

草原は水もしっかり入り込んでいて、やっぱりこの水が引くときが時合いなんだろう。

この海域にはカブトガニがたくさんいるようで、あちこちに死骸が落ちている。
子供の頃、北九州の曽根干潟でよくカブトガニを探しては掘り出していた。今でも生息しているのかな。
1時間くらい、ずっとシャローで粘ったが何の反応も無い。
健さんも戻ってきて反応を得られずというので、下げ潮になる頃にまた来てみようということにして、昼飯に行くことにした。


2時間ほど休憩して、再度戻ってくる。
すると、朝に立ち寄った小さい橋は逆の向きにヨレが出ていた。

残念ながら先行者。
スプーンを投げて、小さいブルーフィッシュを釣っていた。
ポイントに戻ると、かなり潮が引いていて沖まで干潟が露出していた。

草の中に隠れていた全ての魚が出てきているはず。
さっそく釣りを開始することに。
下げ潮の流れが当たるところ、風の流れが当たるところ。
探しながら歩いて行く。
沖の中洲のシャロー帯がはっきりと見えた。
となると、流れが絞られて走って、このあたりで俺の立っている岸際に当たるだろうと見込んだ場所に立つ。

SNECON130Sをセットしてキャスト開始。
3日前のカヤックでは、健さんのトップウォータープラグに7バイトぐらい出たというので、パターンは水面という読み。
SNECON130Sを積極的に動かして水面で操る。
水面直下ドッグウォーキングアクション。
それで誘っていると、後ろで水の動きが変わった。
いる!
次のキャスト、同じリズムで動かして、魚の気配があったゾーンでごくわずかにスローダウン。
スネコンが先程より少しゆったりとわずかな水しぶきだけ上げて、水面直下を滑る。
ドバーン!
ど派手に水面が割れて、ヒット!!!
よっしゃ!
獲る!獲る!獲る!絶対獲る!
後ろのサーフにズリ上げる!!
来た!イエス!
自分の力で釣ったストライパー!

格別!
格別すぎる!

SNECON130Sのカラーは房州アジ。
青空の澄み潮に、サイドのブルーラインが非常に効くと思って選んで正解!
蘇生しながら、たくさん写真を撮り、すみずみまで眺める。
名残惜しいと思いながらも丁寧に蘇生してリリース。
ゆっくりと川に消えていくストライパー。
空を見上げて、この旅に来て良かったと本当に思う。
旅に誘ってくれた健さんに感謝を伝える。
そして、またロッドを持って、SNECON130Sをキャスト。
先程の感じイメージはまだ手の中にある。
再現できるか。
SNECON130Sが頭のラダーだけを水面から出して水面を切るようにS字を描く。
そこからのドッグウォーキング。
シンキングだからできる水馴染みの良いドッグウォーキング。
そしてSNECON130Sだけが出すことのできるなんとも言えない魅惑的な揺らぎ。
これだ!
この感じだよなぁ!
ドパーン!
わおー!
水面炸裂。
もんどりうつストライパー。
重い!
慎重に!
バラすな!
そして!

70cm近いサイズをキャッチ!

2投で2本という幸運。
身体に刻むストライプ。

美しい。
アメリカ東海岸の空の下に輝くパープルなきらめき。

健さんも続いた!
トップウォーターのドッグウォーキングアクションで!

SNECON130Sの一つの技である、水中から水面に出てくるという動き。
この動きにこの日のストライパーは抜群に反応する感じであった。
水中ドッグウォーキングの状態を作り、そこからロッドティップを少し上げるか、少しだけロッドアクションにキレを追加すると水面に浮き出てくる。
浮き出た瞬間に、元のアクションイメージに戻す。
その繰り返しにたまらずストライパーが水面を割る。

同じ立ち位置で連発。


房州アジカラーがアメリカの空で輝いた。
元々磯での使用をイメージしていたので、透明度の高い潮色との相性が良い。青空の日であればなおさらいいのだろう。
魚は少しずつ移動した。
流れが変化するから。
この川は自然が豊かに残った地形。
下げ潮と風が同調し、チャンネルの外側に緩やかに蛇行しながら流れが当たる。
その当たるゾーン、沸き返しが動くと、魚はスッとズレて入ってくる。


それはスズキと何ら変わらない。
今から20年前の東京湾奥のスズキ釣り。

連日のように30尾近くを釣ったとネット掲示板に書く俺に、ペテン師野郎のレッテルが貼られた。
そんなに釣れるわけが無い、と。
だったら見せてやると、始まったのが東京シーバスネット。
俺はその時の釣りを思いだしていた。
魚が素直でたくさんいる。
自然も自然のまま。
今の東京湾奥が失った世界が、ここにはあった。
魚がいるべき場所で確実に効くアクションで、パターンにハメる。


日本では魚種問わず漁師が魚を獲りすぎる。というか、漁師は獲るのが仕事であり、本能みたいなものだから獲れる限り獲るのである。
だから、水産庁がしっかりと規制をしなければいけない。
が、現状は全くダメで水産庁はその理由を乱獲以外のことばかり押しつけている。
どんどんと魚が減る一方なのだが、だけど、釣るために釣り人のタックルやルアーは進化し続けた。
皮肉な話だ。
一方、アメリカなどは資源管理をしっかりとやって豊富な資源量を誇る。
適当なタックルでもボチボチ型が見られる。
今の最新タックルと技術、考え方で当時の東京湾をやっていたらどうなったんだろう?
そんな疑問をいつも持っていた。
それは場所も魚種も違えど、ここに再現していたような気がする。
こんなこと書くのは野暮なんだろうが、俺たち以外にも釣りをしているアメリカ人は何人かいたけど、最後まで誰一人釣っていなかったのだ。
きちんとした技術と考え方、それを実現するタックルやルアー。
それが揃ったときの爆発力は、世界の釣りを発展させる可能性がある。
SNECON130Sに次から次へともんどり打つストライパー。


こうしてみると俺が最も愛する魚、スズキにそっくりだ。



違うのは、身体に刻まれるストライプ。
後半は下げ潮の流れも緩くなり、俺の立つシャローから離れてきた。
日本と同じで、下げ潮の流れも脈を打って強くなったり弱くなったり。
速い流れがシャローに差した瞬間に、その前に立ってキャストをすれば必ず反応が出せた。
やがてシャローに流れが届かなくなったので、シャローへの意識を捨てて流心の流れを撃っていく。
もう上げ潮が始まっているようで、流心でもぼやけてわかりづらいが、そこに意識があるかないかで魚の反応は全く違う。
水路のど真ん中で水面を割ったのはブルーフィッシュ。


こんな楽しい外道がいるのも最高だね。
流心を意識しながらの水面直下ゲーム。
ルアーローテーションを後半は意識してやったけど、SNECON130S以外に反応は出せなかった。
ただ巻きのS字にも反応しない。
通常のペンシルのドッグウォーキングにも反応しない。
水面直下。
本当に数ミリ。
そこにとんでもないスイッチがあった。


いよいよ日も傾いてきて、いつの間にか上げ潮に変わってくる。
上げ潮になれば俺たちの立つ側は流れの当たらない内側になる。
いずれ魚は遠のく。
終わりが見えてきて、流心の魚を拾っていく。
健さんが戻ってきた。苦戦しているという。
「呆れるほど釣るね。」
と褒めてもらった。
「この釣りが本職ですから。」
自分が見つけたパターンの話などをしたが、もう時合いも終わりつつある。
最後に絞り出すように1本。
健さんに撮ってもらった。

これが最後の魚になる気がして、またじっくりと写真を撮る。

SNECON130S、間違いなく世界で通用するルアーに育っていくだろう。
いや、そうなるように頑張っていかなくてはいけない。
そんな遊び道具が作れた喜び。
アイディアが通用した喜び。
一所懸命に釣りをやってきた。
一所懸命に考え続けた。
何があっても、ダメなときでも、あきらめずにやってきた。
プロアングラーとは幸せな職業である。
予感通り、その後はバイトが出なくなる。
流心を上げ潮が洗い、対岸を流れが洗う。
魚は遠のいた。

いよいよ夕陽が沈んでいく。

ケープコッドの美しい空に乾杯!ありがとう!

やがて太陽は地平線の下に沈む。

空の青と海の青。
この星のBlueBlueが俺たちを包み込んでいく。
俺はロッドをベンチに置いて立ったまま眺めていた。
健さんは最後まで頑張っていた。

心から、健さんに最後の1本が出ることを祈ったけど、魚からの反応は無かった。
今回の旅の最後の釣りが終わった。
その10へ続く
アメリカ遠征釣行 その0 準備編はこちらから
アメリカ遠征釣行 その0 準備編はこちらから
いよいよケープコッド最終日がやってきた。
前の日は前夜から始まる夢のような時間を過ごし、朝に寝て午後には起きたものの俺も健さんもほとんどボーッと過ごしていた。
10時くらいに宿を出発する。

最終日は、これから俺たちの挑戦だ。
自分たちの力だけで、1本のストライパーをキャッチできるか?
船からのチャーターゲーム、カヤック渡船ゲーム、レンタルカヤックという3本のゲームを経て積み重ねた経験を持って、俺たちは最後の挑戦に向かった。
夜に爆釣したカヤック渡船したエリアは地図を見る限り、自分たちの力で行くことは不可能に思えたので、レンタルカヤックでストライパーのスーパーボイルを見たエリアに向かおうという話になった。

画像の河口付近。左岸にウェストデニース・ビーチという公園がある。そこに車を駐めて、左岸一帯でゲームを繰り広げればなんとかなるかもしれない。

シーバスの経験値から判断するに、BassRiverのチャンネルや写真右側の湿地帯からの払い出しやクリーク周り。

河口付近は堤防はもちろん、馬の背、シャローが狙い目。
写真に写っている浚渫船と土砂運搬パイプはすでに無かった。
そこに向かう最中。
健さんが、Yes!と叫んで車を急停止させる。
後続車が追突しそうになり激怒している運転手に、俺は手を挙げて謝りつつ、
いったい、何がイエスなんだ?と辺りを見渡すと、小さい川があって橋の絞り込みからすごい払い出しを見つけたのだ。

こりゃいるでしょ!
健さんが速攻車から飛び出して、ロッドを持ってキャストしに行く。

しかし、魚からの反応は何も無く、再度移動。
流れの向きと地図から確認するに、今の時点は上げ潮であることを知ることができた。

空の蒼さが海の近さを教えてくれる。

海岸道路沿いの道路を走って河口へと向かう。

ポイントについて、しばらく水面を観察。
上流の草原を見に行った健さんが、岸際で2発のボイルを見たらしい。
いるいる!
急いで準備してスタート。

満潮に近い時刻であることが、水際の草や水面から想像できる。

草原はとても広く、遊歩道が通っている。市民が寄付したベンチが休憩箇所として最適だった。
健さんがクリークの払い出しに陣取ったので、俺は風速7mくらいの風が作る流れと、その波で濁っているシャローに張り付くことにした。

この濁りの際とブレイクが絡めば魚が出る感じがイメージできる。
今回の旅ではこの釣りが最後の釣り。
悔いの無い釣りをしたいと思っている時。

Gaboz!!!90、SNECON130S、SNECON90S、Blooowin!80S、Shalldus20とBlueBlueルアーを中心に、邪道のスーサンなども投入していくが反応を得ることはできない。
健さんが見たというボイルも起きない。
3日前のカヤックの時にかなり見かけたイカナゴみたいなベイトがほとんどいない。

おそらく水没した草の中に隠れているのだろう。
たまにチェイスしてくる魚がいるので、ウォルマートで買ったスプーンを投げてみるとブルーフィッシュの小さいのが入れ食い。

2匹釣って、まあこれをやりにきたわけではないし、と終了。


風はそれなりに強いので、風による流れは発生しているのだけど、上げ潮とぶつかってしまって有効に効いていないのと、ベイトが草の中に隠れているので魚も寄ってきていないとで、今は時合いでは無いのだろうと判断する。
俺は少しだけ草原の外にベイトが張り出しているところを見つけたので、そこを重点的に叩いていたのだけど、そこでも反応が無い。
やがて、健さんが戻ってきて、「ダメだ、厳しいね。」と。
「ストライパー移動したのかもしれませんね。」
と返した瞬間に、目の前でスーパーボイルが始まる(笑)
目視で確認できるストライパーは2匹。
シャローに散ってるイカナゴに襲いかかった。
二人で夢中で投げるもノーバイト。
付き場も無く、ウロウロしているのだろう。
やがてボイルも無くなった。
健さんは堤防を見に行ってくると言って、河口の方へ向かった。
俺は再度ボイルが出る事を待ちつつ、草原湿地帯から馬の背までを少しずつ動きながら撃っていく。

ルアーローテーションしながら丁寧に丁寧に刻んでいく。

草原は水もしっかり入り込んでいて、やっぱりこの水が引くときが時合いなんだろう。

この海域にはカブトガニがたくさんいるようで、あちこちに死骸が落ちている。
子供の頃、北九州の曽根干潟でよくカブトガニを探しては掘り出していた。今でも生息しているのかな。
1時間くらい、ずっとシャローで粘ったが何の反応も無い。
健さんも戻ってきて反応を得られずというので、下げ潮になる頃にまた来てみようということにして、昼飯に行くことにした。


2時間ほど休憩して、再度戻ってくる。
すると、朝に立ち寄った小さい橋は逆の向きにヨレが出ていた。

残念ながら先行者。
スプーンを投げて、小さいブルーフィッシュを釣っていた。
ポイントに戻ると、かなり潮が引いていて沖まで干潟が露出していた。

草の中に隠れていた全ての魚が出てきているはず。
さっそく釣りを開始することに。
下げ潮の流れが当たるところ、風の流れが当たるところ。
探しながら歩いて行く。
沖の中洲のシャロー帯がはっきりと見えた。
となると、流れが絞られて走って、このあたりで俺の立っている岸際に当たるだろうと見込んだ場所に立つ。

SNECON130Sをセットしてキャスト開始。
3日前のカヤックでは、健さんのトップウォータープラグに7バイトぐらい出たというので、パターンは水面という読み。
SNECON130Sを積極的に動かして水面で操る。
水面直下ドッグウォーキングアクション。
それで誘っていると、後ろで水の動きが変わった。
いる!
次のキャスト、同じリズムで動かして、魚の気配があったゾーンでごくわずかにスローダウン。
スネコンが先程より少しゆったりとわずかな水しぶきだけ上げて、水面直下を滑る。
ドバーン!
ど派手に水面が割れて、ヒット!!!
よっしゃ!
獲る!獲る!獲る!絶対獲る!
後ろのサーフにズリ上げる!!
来た!イエス!
自分の力で釣ったストライパー!

格別!
格別すぎる!

SNECON130Sのカラーは房州アジ。
青空の澄み潮に、サイドのブルーラインが非常に効くと思って選んで正解!
蘇生しながら、たくさん写真を撮り、すみずみまで眺める。
名残惜しいと思いながらも丁寧に蘇生してリリース。
ゆっくりと川に消えていくストライパー。
空を見上げて、この旅に来て良かったと本当に思う。
旅に誘ってくれた健さんに感謝を伝える。
そして、またロッドを持って、SNECON130Sをキャスト。
先程の感じイメージはまだ手の中にある。
再現できるか。
SNECON130Sが頭のラダーだけを水面から出して水面を切るようにS字を描く。
そこからのドッグウォーキング。
シンキングだからできる水馴染みの良いドッグウォーキング。
そしてSNECON130Sだけが出すことのできるなんとも言えない魅惑的な揺らぎ。
これだ!
この感じだよなぁ!
ドパーン!
わおー!
水面炸裂。
もんどりうつストライパー。
重い!
慎重に!
バラすな!
そして!

70cm近いサイズをキャッチ!

2投で2本という幸運。
身体に刻むストライプ。

美しい。
アメリカ東海岸の空の下に輝くパープルなきらめき。

健さんも続いた!
トップウォーターのドッグウォーキングアクションで!

SNECON130Sの一つの技である、水中から水面に出てくるという動き。
この動きにこの日のストライパーは抜群に反応する感じであった。
水中ドッグウォーキングの状態を作り、そこからロッドティップを少し上げるか、少しだけロッドアクションにキレを追加すると水面に浮き出てくる。
浮き出た瞬間に、元のアクションイメージに戻す。
その繰り返しにたまらずストライパーが水面を割る。

同じ立ち位置で連発。


房州アジカラーがアメリカの空で輝いた。
元々磯での使用をイメージしていたので、透明度の高い潮色との相性が良い。青空の日であればなおさらいいのだろう。
魚は少しずつ移動した。
流れが変化するから。
この川は自然が豊かに残った地形。
下げ潮と風が同調し、チャンネルの外側に緩やかに蛇行しながら流れが当たる。
その当たるゾーン、沸き返しが動くと、魚はスッとズレて入ってくる。


それはスズキと何ら変わらない。
今から20年前の東京湾奥のスズキ釣り。

連日のように30尾近くを釣ったとネット掲示板に書く俺に、ペテン師野郎のレッテルが貼られた。
そんなに釣れるわけが無い、と。
だったら見せてやると、始まったのが東京シーバスネット。
俺はその時の釣りを思いだしていた。
魚が素直でたくさんいる。
自然も自然のまま。
今の東京湾奥が失った世界が、ここにはあった。
魚がいるべき場所で確実に効くアクションで、パターンにハメる。


日本では魚種問わず漁師が魚を獲りすぎる。というか、漁師は獲るのが仕事であり、本能みたいなものだから獲れる限り獲るのである。
だから、水産庁がしっかりと規制をしなければいけない。
が、現状は全くダメで水産庁はその理由を乱獲以外のことばかり押しつけている。
どんどんと魚が減る一方なのだが、だけど、釣るために釣り人のタックルやルアーは進化し続けた。
皮肉な話だ。
一方、アメリカなどは資源管理をしっかりとやって豊富な資源量を誇る。
適当なタックルでもボチボチ型が見られる。
今の最新タックルと技術、考え方で当時の東京湾をやっていたらどうなったんだろう?
そんな疑問をいつも持っていた。
それは場所も魚種も違えど、ここに再現していたような気がする。
こんなこと書くのは野暮なんだろうが、俺たち以外にも釣りをしているアメリカ人は何人かいたけど、最後まで誰一人釣っていなかったのだ。
きちんとした技術と考え方、それを実現するタックルやルアー。
それが揃ったときの爆発力は、世界の釣りを発展させる可能性がある。
SNECON130Sに次から次へともんどり打つストライパー。


こうしてみると俺が最も愛する魚、スズキにそっくりだ。



違うのは、身体に刻まれるストライプ。
後半は下げ潮の流れも緩くなり、俺の立つシャローから離れてきた。
日本と同じで、下げ潮の流れも脈を打って強くなったり弱くなったり。
速い流れがシャローに差した瞬間に、その前に立ってキャストをすれば必ず反応が出せた。
やがてシャローに流れが届かなくなったので、シャローへの意識を捨てて流心の流れを撃っていく。
もう上げ潮が始まっているようで、流心でもぼやけてわかりづらいが、そこに意識があるかないかで魚の反応は全く違う。
水路のど真ん中で水面を割ったのはブルーフィッシュ。


こんな楽しい外道がいるのも最高だね。
流心を意識しながらの水面直下ゲーム。
ルアーローテーションを後半は意識してやったけど、SNECON130S以外に反応は出せなかった。
ただ巻きのS字にも反応しない。
通常のペンシルのドッグウォーキングにも反応しない。
水面直下。
本当に数ミリ。
そこにとんでもないスイッチがあった。


いよいよ日も傾いてきて、いつの間にか上げ潮に変わってくる。
上げ潮になれば俺たちの立つ側は流れの当たらない内側になる。
いずれ魚は遠のく。
終わりが見えてきて、流心の魚を拾っていく。
健さんが戻ってきた。苦戦しているという。
「呆れるほど釣るね。」
と褒めてもらった。
「この釣りが本職ですから。」
自分が見つけたパターンの話などをしたが、もう時合いも終わりつつある。
最後に絞り出すように1本。
健さんに撮ってもらった。

これが最後の魚になる気がして、またじっくりと写真を撮る。

SNECON130S、間違いなく世界で通用するルアーに育っていくだろう。
いや、そうなるように頑張っていかなくてはいけない。
そんな遊び道具が作れた喜び。
アイディアが通用した喜び。
一所懸命に釣りをやってきた。
一所懸命に考え続けた。
何があっても、ダメなときでも、あきらめずにやってきた。
プロアングラーとは幸せな職業である。
予感通り、その後はバイトが出なくなる。
流心を上げ潮が洗い、対岸を流れが洗う。
魚は遠のいた。

いよいよ夕陽が沈んでいく。

ケープコッドの美しい空に乾杯!ありがとう!

やがて太陽は地平線の下に沈む。

空の青と海の青。
この星のBlueBlueが俺たちを包み込んでいく。
俺はロッドをベンチに置いて立ったまま眺めていた。
健さんは最後まで頑張っていた。

心から、健さんに最後の1本が出ることを祈ったけど、魚からの反応は無かった。
今回の旅の最後の釣りが終わった。
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