愛知

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あまり行政の人間に尊敬の念を抱いたことがない。
個人としていい人間だと思うことはあっても(というかすごく”いい人”が多い)、ビジネスの場でこいつはと思わせてくれた人間には残念ながら会ったことがない。それはきっと責任を背負わない組織と、その責任回避を続けることで身に染みていく、もう一歩が踏み込めない個人としての体質が、現場で戦っている人間にとっては怠慢と失望にしか感じられないのであろうと今回の現場でまざまざと思い知った。

富山からの反転で向かった愛知の現場。
そこには悪臭に悩む住民がいて、
なんとか対策をしようとする企業がいて
しかし、それを邪魔しているのが紛れもなく行政の環境課なのである。
当初行政の指導で始まった改善対策が全く機能していないだけでなく、
新たな対策を行う上でただ邪魔な存在になっている。
しかし、それを認める訳にも行かずに苦し紛れの見解を繰り出す行政の人間は
もうそれは哀れとしか表現できなかった。
齢50はいくだろうおっさんが、とにかく弱いのである。
弱くて情けなくて格好悪くて。
しかしそれを見られないよう悟られないよう必死に片意地張っている姿に
僕は少しの苦笑とたっぷりの愛情を持って眺めていた。

人は弱いものである。
その概念と必死に戦った1ヶ月だった。
憎悪の向こう側にあるものは亡失でも無関心でもなく。
ただシンプルな形での許容だった。
後ろ向きの許容ではなく勝利としての許容。
そこに至ったあの瞬間を俺は死ぬまで忘れないだろう。

「誰だってあなたのように強くはないの」

いつか聞き、胸に刺さり続けた言葉がズキズキと傷んだ。


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村岡昌憲

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