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村岡昌憲
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▼ 4月 4日 桜の木の下で
- ジャンル:釣行記
- (life-遊び-)
- Stage14 - ~ 2004年4月 桜 ~
ふと見上げた空に春の光りを受け、キラキラと輝きながら散ってゆく無数の桜の花びらがあった。
背広の肩の上に乗った花びらを手に取ると、すでに少し汚れていた。
東京の空気はたった一週間しか咲かないこの花びらすらをこうも汚してしまうのか。
今の自分にできること、それはとても微力なものだけど、いつか必ずこの空をきれいにする力が欲しいと願った。
その願いは思えば思うほど実現に近づいていく。
思えば思うほど覚悟となり、力が力を呼んで集まってくる。
来るべきその瞬間。やがて覚悟は確信へと変わる。
それは釣りだろうと仕事だろうと人生だろうと変わらないのだ。
いつから桜は日本人の心に深く響くようになったんだろうか。
かつての戦争で特攻隊の隊員は自らを桜に例え、そして桜のごとく潔く紺碧の海に散った。
彼らが何を思い、何を守ろうとして死んでいったかが、この歳になると何となくわかるのである。
彼らが自らの命を捧げてまでして守ろうとした、その何かを自分たちはきちんと受け継いでいるのだろうか。
イラクで人質となった民間人の家族が涙ながらに自衛隊に撤退してくれとテレビで訴える。
家族を思う人の心は正しい。誰だって家族の無事を祈るであろう。
だけど、何か違和感を感じるのである。
「もののあはれ」を知り、その無常観を常に身に抱き、いつしか来る自分自身の命の終わる時、
その時に恥じる事の無いよう、壮絶な覚悟を持ち、全力を尽くして生きたのが日本人であったはずなのだ。
潔さが足りないのである。
銃弾飛び交うイラクへ入るという選択をした彼らに、イラクで血を吐き倒れる覚悟が全く無かった訳ではあるまい。
その想いを汲み取る時、家族の涙がテレビで放映されればされるほど、日本人としての自分が違和感を感じるのである。
日本人が何よりも愛する桜は、美しく、そして潔く散るからこそ、共感を呼び、そして愛されているのである。
例え、残酷な終わりが待っていたとしても、そこに覚悟があるのであれば・・・。
そう思う俺は愛が足りないだろうか。
3月のある日。
僕らの仲間のごんちゃんという、それはそれはいい女が結婚したのである。
そのニュースが流れた時、僕らの中でどうやって祝おうかと盛り上がり、
最後にまとまったのが僕ららしく屋外でお祝いをしようと。
春の陽気の中、桜の咲く木の下で最高にめでたい料理を作ってお祝いしようと。
このメンバーが集まっていよいよ10年になる。多くの別れや多くの出会いを生み出してきた。
その真ん中に自分が立ち、喜怒哀楽を共に、この集まりをよく維持できたもんだと思う。
その仲間の久々のめでたい出来事。
めでたい料理といえば鯛飯であろう。
喜びを爆発させよう。
そして桜が咲いた。
築地の市場で豊後水道の鯛を手に入れた瞬間から、このプロジェクトが始まる。
魚の王様は実はスズキであると主張している時も、この時ばかりはタイの方がやはり格上かと思った。
桜の咲く季節により一層桜色を増すタイこそ、やはり日本人の魚なのであろうか。
全国各地に散らばっていて、今回参加できないメンバー達から祝いに合わせて酒や食材が次々と送られてくる。
北海道からは本物のししゃも。
さらに極上のサケが一本丸ごと。それは切り身に。 毛ガニも送られてきた。
金時にんじんや極上の生姜なども集まってくる。
メニューは鯛飯と,石狩鍋。そして桜餅。
ホントは青空の下、桜の木の下でやりたかったのだけど、残念なことに雨が降り始めた。
あわてて雨宿りできる場所へ移動。
集まった22人で手際よく、食材を裁いていく。
割烹着でゴキゲンなのは今回の調理の総司令官であるかんちゃん。
究極の桜色を見て思わず手を挙げた。
鯛飯のレシピは今さら書かないが、22人分を一気に炊くのである。
失敗は許されない。司令長官かんちゃんの慎重な仕込みを固唾をのんで見守る。
いよいよ火入れ。
22人分、18合近いご飯を一気に炊きあげるためには、相当強い火力が必要だ。
我らが「かまど君4号」。
釜爺には自分が志願した。
かまどで鍋を使ってご飯を炊くのは、極めて難しい。
どれくらい難しいかというと、シラスを追ったかつおを釣るぐらい難しい。(わからんか)
かんちゃんが言い切った。
失敗したら、切腹ね。
・・・はい。
桜の木の下に埋まるにはまだ早い。
潔く散る覚悟を決めたら、後は本気で、全知全能を掛けてかまどに挑むだけである。
7分ほどで一気に沸騰させ、15分弱火でコトコト煮込み、蓋の上に重しをして15分置き火で蒸らす。
鍋の蒸気のニオイにはかなり神経を使う。なんてったって僕は臭気判定士である。
通常の人間が焦げる臭気を感じる前、それは香ばしいオコゲが鍋底で生成された瞬間に、
焦げ臭の成分であるアルデヒド化合物の臭気を見知するのである。
なんで、この間の写真を撮る余裕は無し。
そして時間。
鍋の蓋から立ち上る蒸気のニオイに焦げ臭はない。
臭気判定士が言うんだから間違いはない。
だけど、鍋の底には鯛のダシが染みこんだ、飴色のオコゲがあることを確信!
大勢集まってきて、その禁断の蓋が開かれる瞬間を固唾をのんで見守っている。
蓋を取る。
それっ!
て
て、て
天下獲り!
この最高にめでたい鯛メシを、最高にめでたい人に捧げよう。
↑めでたい人
ついで石狩鍋。
桜餅。
やっぱり外の料理は豪快さがたまらない。
今年も忙しいだろうけど、楽しみたいもんだと思った。
- 2004年4月4日
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