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ダイワ ウィスカートーナメント ss750の話

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1986年製。
重量240g、ギヤ比1:5.1、3ボールベアリング内臓。
特筆すべきポイントとして

ウィスカー素材(金属より軽く、樹脂より強い新素材!
まあ、あれです。
重さと強度において樹脂とアルミのちょうど中間のような存在。カーボナイロンみたいな笑)


大口径・ロングノーズスプールの走り

クロスギアを使った並行巻き摺動

ベールスプリングは折れに強いコイルスプリング採用

などなど、当時としてはまさに最先端のリールと言える。

構造的には、ボディの上部分がベールの本体に埋まっていて全体の小型化を達成しているのもポイント高い。記憶間違いなら申し訳ないが、小型スピニングでこういった構造にしてあるのはこいつが始めてだったような…

ようはボディを開けるのにさきにベール本体を外さないとダメ、っていう今では当たり前の光景を生み出したのはこのリールが初めてってこと。
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新時代を切りひらいたリールであるのは間違いないけれど、やはり今から振り返ると時代を感じるポイントが幾つか。


・ラインローラーがU字のセラミック+樹脂スリーブ
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直受けでないだけマシだが、やはりこの時代はラインローラーに対する理解がまだ進んでいなかった。

10年後ツイストバスターを発明するまで人類はこのラインローラーと向き合い続けることになる…


・細バネ式の逆転ストッパー(サイレント)
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ワンウェイクラッチを使わないサイレントな逆転ストッパーとなると、スピンフィッシャー やアンバサダーで採用されているギアと、羽付きのツメで止めるタイプ(pennでいうところのドッグアンドラチェット方式、アブでいうところのアンチリバースドッグ)か、この細バネ式か、大森製作所が得意にしていた樹脂製のサイレントストッパー(後期や海外oemだと針金式)に大別されますが。


個人的にこの細バネ式の逆転ストッパーは巻き始めにかちゃかちゃ音が鳴るのであまり好きではありません。

なんだかんだ、ドッグアンドラチェット方式が一番安定しているかな、と思ってます。

・ベール返しは外蹴り式

まあこれは悪く無い選択でしょう。
余計なパーツが増えても壊れる箇所が増えるだけです。
そもそも自分はベールを手で戻すのが染み付いているので、内蹴りでも外蹴りでもマニュアルリターンでも関係ないというね。


・回転の軸ブレが酷い
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これはまあローターのバランス取りが未発達ゆえ。
もしかしたらこの個体のシャフトが曲がっている可能性もなくはないが

1992年シマノのSBL
1993年ダイワのジャイロスピン
の登場で回転の軸ブレが劇的に改善します。

(他方、こんな大層な技術革新を打ち出す遥か前に回転軸ブレが極めて少ないダイアモンド マイコンを使ってた大森製作所は本当にすごい、っていう話でもあるんだけども)

スプールを受けるシャフトが太いのもポイント高い。
こういうのはスピンフィッシャーみあって好き。


・仕方ないのだけど、安っぽいワンタッチ折りたたみ供回り式ハンドル
80年代国産小型スピニングリール でねじ込み式ハンドルは大森のみ。

コストの問題と、ねじ込み式要らなくね?

っていう固定概念があったんでしょうね。

このリールはメインギアがアルミ系の合金(ジェラルミンかな?)なので、やわらかくてあまりねじ込み式ハンドルの恩恵が出にくいと判断されたのかも。
ちなみに大森のメインギアはハンドルの軸を差し込む部分だけ別の金属(先達の考察によると鉄製らしい)ですよ。

亜鉛ダイカストのメインギアに直接ねじ込むと割とあっさりネジ穴がやられます(どことは言わないけどピナクルのデッドボルトとかね)

ただしかしワンタッチハンドルは甘え。




さて、寸評はこの辺にしてサクサク分解

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スプール受けとドラグの音出しパーツははめ殺し。
ローターを止めているナットを外してローターをずらすとボディをとめるビスが4本みえる



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しかしこのタッピングビスは精度もいまいち。
ボディに直接雌ネジが切ってある。
これは減点ですねえ…

樹脂ボディなので、山の荒いタッピングビスということなんだけど。


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あと謎のパーツのカケラが…






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メインギアはアルミ系合金(ジェラルミンかな?まさかアルミ単体ではあるまい…)


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ローター下のピニオンギアにベアリングが一つ。

その奥、クロスギアによる摺動(オシュレート)がこのリールの目玉の一つ。

サイズ見てないけどクロスギアの下の方のブッシュはもしかしたらbbにできるかもしれん。

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細バネ式の逆転ストッパー。

ドッグアンドラチェット方式より軽く仕上げることができるけど、パーツ個数が多くわりと壊れやすい。
安定性をとるならなんだかんだドッグアンドラチェットを推したいところ。




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さっきでてきた謎のかけらはオシュレートのパイロットガイドを納めるキャリッジのカケラでした。
最悪なくても動くけど、念の為接着剤でくっつけておこう。

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パーツ洗浄。

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組み上げ。


やっぱり洗浄グリスアップするぐらいだと回転軸
ブレはどうにもならんね。


ローターのどっかにあまりでも入れたらぶれなくなるかしら。



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