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村岡昌憲
東京都
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▼ 年も暮れ
- ジャンル:日記/一般
年も暮れとなった。
連日のように美しい夕日が大都会東京を照らしている。
孤独を望んで得たのは生まれて初めてではなかったか。
その静寂の中に身を置き、僧が念ずるかのようにただ考えた一年だった。
今日の社会の、痛ましいほど粘性質なつながりは
自分の様な人間には時にうっとおしく、だけど時にすがるしかないものであった。
火花のように個を求めたはずの世の流れは
今その反動で社会そのものを崩壊しようとしている。
個がもたらした自由と引き換えの孤独に傷つき、
心が痛いと泣く人々を僕はただ見ているだけだ。
人はひとりでは生きられない。
一人で生まれ一人で死んでいく。
みんなそれは知っている。
だけど、ひとりで過ごせる時間を持てなければ、人とつながることはできない。
孤独の中でこそ見える自分という個の周りに、否応にも受け入れねばならぬ公がある。
その公が見えて初めて人は感謝を覚え謙虚を知るのではなかろうか。
寒々く荒廃した自分の心は
誰かの同情を得たいとは心のどこかで願っていても
それをせず、きっとやせ我慢して黙っている。
破裂が先か
妥協が先か。
それとも征服が先か。
そんな正月を迎えよう。
- 2005年12月13日
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