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村岡昌憲
東京都
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▼ 風と光と二十九の僕と
- ジャンル:日記/一般
朝から吹いていた強い南風のおかげでシイラは中止。
一応、湾奥を出て羽田までは出たけど引き返してきた。
昼間は一日中、風に吹かれていた。
不思議なくらいにからっとした風の中、
日陰でまどろみながら痛む右手のことをずっと考えていたんだ。
痛みに耐えながら頑張るか、それとも他の選択肢を取るか。
結局夕方まで考えていたけど結論は出なかった。
夜は花火。東京湾で一番大きく、そして一番好きな花火大会だ。
親父とお袋、兄弟と嫁さんを乗っけて、バーベキューしながら花火を楽しんだ。
この日の花火はとても綺麗だった。数日間、吹き荒れたこの南風がスモッグを完全に吹き飛ばしてしまっていて、この日の海は冬の木枯らしが吹く時のように空気が澄んでいたせいだと思う。
そんな澄んだ空を花火の鮮烈な光が染め上げていくのを見ているうちに
僕はなんだか突然悲しくなってきた。なんでだか解らないけど涙が出そうになった。
今の自分。本当の自分。こうありたい自分。
その違いが心を摩耗させていく。
また同じ過ちへと進みゆくボクノキモチに気付いていながらも、
それをどうすることもできない僕の弱い心。
人は大切なものをなぜ手放してしまうんだろう。
なぜ失う前に気付かないのだろうか。
- 2002年8月10日
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