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村岡昌憲

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Area10 ~他愛の無い差異~

Area10 - Stage11 ~ 他愛もない差異に ~

2008年3月3日 港湾シーバス






 
それは、他愛も無い差異であった。






時計は昨日と同じ18時30分、昨日と同じポイント。





が、そこに降り立った瞬間に感じる違和感。


潮の具合も、風の色も、そこに存在する臭気までもが同じ様に感じる。


が、違う。







なんだ!?



そしてすぐに気付く。













TBbZL8fg9mCio7zCKpCg_480_480-c6535876.jpg

アミだ





思わず声を出した。





膨大な数、雲のようにいる。


が、潮が少し動いているからか、アミは固まって無く、表層に分散しているようにも見える。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
昨日は存在しなかったアミ。
 
 
 
早春は駆け足で僕ら釣り人の前を駆け抜ける。
 
 
 
早春、アミ第一戦。
 
 
 
 
 
 
 
ポイントは小場所。
 
魚はスクールで一つか二つ。尾数にして5~8程度だ。
 
 
 
迷わずスーさんをキャストする。
 
 
 
軽い逆風、ナイトホークで流心まで持って行く。
 
 
 
 
 
 
 
最初はロッドを斜めに立てて、水深40cm前後をトレースする。
 
 
 
シーバスPEが小気味いいローリングアクションを伝えてくる。
 
 
 
3投目、ガッと、一瞬バイト。
 
 
 
少しレンジが上だった。
 
 
 
次の一投、ほんの少し、ほんの数センチ、レンジを下げて遅めに引く。
 
 
 
喰うべき場所で喰ってきた。
 
y92tuwDZC2shRO9YvDDU-89f299f8.jpg
 
スーさん丸呑みの50センチ級
 
 
 
 
 
 
 
リリースして、次の1投。
 
同じレンジを同じスピードで通していく。
 
 
 
 
 
通すといっても、ストラクチャーか何かがあるわけではない。
 
ただの地形。
 
この時期の魚は地形についている。ブレイクの下で虎視眈々と何かを待っている。
 
 
 
 
 
 
 
それがアミなのか、バチなのか、イワシなのか、チアユなのか。
 
それは今は判らない。
 
が、唯一判っているのは、レンジとスピードさえ合わせれば、比較的どんなルアーでもバイトが出るということ。
 
 
 
 
 
 
 
20mほど先のブレイクは水深にして1.7m→2.7mほどだろう。
 
その遙か上、水深0.5mラインを通し続ける。
 
ボトムから、1.2mの差は限りなく狭く、そして限りなく広い。
 
 
 
 
 
 
 
以前はこれをカウンターで喰わせに行くこともできた。
 
魚のいる水深の遙か上を、通し続けることで、比較的、スクールで一番大きい魚を獲る術があった。
 
それは今も通用するが、それは激しいプレッシャーを与えることでもあった。
 
 
 
 
 
 
 
が、スーさんはとても静かにそれをやってのける。


スーさんを通して感じる海の中はとても静かだ。
 
 
それは、息苦しくなるほど、静謐であり、厳粛である
 
 
 
 
 
だけど、その1.2m下に息を殺して、スズキは、その存在を感じているはずなのだ。
 
 
 
 
 
扇状に同じレンジを探ってバイトがないのでカラーチェンジする。
 
 
 
イワシカラーに変えて、更に10cm下に、スピードは変えずに通す。
 
 
 
先ほどの一本と同じコースでバイト。
 
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50後半
 
 
 
完全なフォローベイトパターン。
 
だけど、それがレンジなのか、カラーなのかはわからない。
 
 
 
 
 
 
 
そこから20分ほど、ポイントを一往復するが、反応はない。
 
 
 
 
 
そこでFLAPSLAP柊(ヒイラギ)にチェンジ。
 
スーさんと同じコースを、同じスピードで通す。
 
柊のリトリーブは簡単だ。
 
小気味いいアクションを感じるかどうかのギリギリのスピード。
 
ダイワ2500番にして1.3秒に1回転。
 
 
 
それで、スーさんより30センチ下を通せる。
 
水面から、80センチ程度。
 
ブレイクと水面のちょうど中間くらいか。
 
そこをたまらないほどのデッドスローでタイトロールするプラグが通るのを黙っていられるスズキは少ない。
 
 
 
4投目、ブレイクの上で明らかな違和感。
 
触れなかったが、確実に目の前で見切られた。
 
 
 
その後、15m横で更に同じ感じ。
 
 
 
アミのせいか、まだレンジが上なのか、わからないが、若干見切られている。
 
が、そのまま片道で端から端までは変えない。
 
 
 
 
 
端っこで1バイト。が、これを乗せられず。
 
バイトが出る瞬間が解るほど感性が合っていたが、それでも乗せられなかった。
 
 
 
 
 
 
 
釣り場に入って1時間になろうとしている。
 
復路は一気に勝負に行く。
 
 
 
X-80SWに変えて、ブレイクに直接当てに行く。
 
当てに行くといってもブレイクにリップが当たるわけではない。
 
シンキングのX-80SWでそれをやると根掛かりする。
 
ブレイクをかすめるように、リトリーブするという意味で書いた。
 
 
 
 
 
7投目ほど、完全にコースが良く、ブレイクに当たるんではないかというギリギリのレンジでコン!とバイトが出る。
 
瞬間的に、鋭くアワセを入れる。
 
ナイトホークが弧を描いた。
 
一気にブレイクの上に引っ張り上げる。
 
周囲の魚が気付いて、後ろに付いてきたらおしまいだ。
 
 
 
 
 
足下まで容赦なく寄せて、そこから弱らせる為のファイト。
 
ライトで光を当てて、グングンと突っ込ませる。
 
5回も突っ込むとこの時期のスズキはバテてくる。
 
そこを一気に引き抜く。
 
 
 
 
 
キレイな目で怒ってるね。

8eU387G4m9zhr9vpQdeM-f8b77d93.jpg










 
10m程先で同じようにもう1本。
 
fbEmMzfGtD54OOZhLOQV-e2b0edfd.jpg
 
 
 
 
 
上から獲っていくという教科書のような釣り。
 
端まで来たので撤収した。
 
 
 
 
 
差異は見えない人には見えない。
 
が、人が笑う差異に、差別化の要素が見える。
 
その差別化こそ、人より釣るための原動力であろう。
 
 
 
 
 
 
 
それにしても柊のフォローベイトとしての性能はどうだろう。
 
一度上のレンジに意識を引きつけて、そこから喰わせていく時の反応の良さ。
 
スーさんでなくたって大丈夫だ。
 
ヤルキバやにょろにょろでもいい。
 
だけど、サスケやエスフォーなんかではダメで、あくまで静かに引きつけられるもの。
 
 
 
 
 
スーさんのパイロットとしての性能もずば抜けている。
 
だけど、足場が高いところではX-80SWや今作っているブラストあたりからの展開を考えないといけない。
 
干潟などでも、スーさんの8番フックでは心許ない。
 
もう少し大型のルアーで同じコンセプトから発展させていくもの、コモモあたり?
 
考えていて興味は尽きないのである。
 
 
 
  

使用タックル
ロッド アピア 風神Z 91MLナイトホーク
リール ダイワ イグジスト2500
ライン 東レ シーバスPE エフゼロ1号
プラグ メガバス FRAPSLAPヒイラギ
メガバス X-80SW 
邪道 スーさん

 

 

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