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▼ 春の不透明にはトウメイを
- ジャンル:釣行記
- (下流域, 1989Lures -いちきゅうはちきゅうるあーず-, 18 STELLA 3000MHG, PLAISIR ANSWER PA89 -Technical Surfer-, ZENAQ -ゼナック-, 10Parabellum -イチマル パラベラム-, RIVER -河川-, Blue Blue -ブルーブルー-, SEABASS -スズキ-, 中流域, SHIMANO -シマノ-, Pazdesign -パズデザイン-, SUNLINE -サンライン-, NIGHT -ナイトゲーム-)
昨年の初秋に経験した魚影の濃さは、もう長い間息を潜めている。
目の前でただ静かに息をするその川は、クリアな水質のおかげで底まではっきりと見える。
生命の気配は一切ない。
振り返る事などないコンコンとした大潮の流れに時間までもあっという間に流されていると、明暗でピシャッという音と共に水面に小さな波紋が広がる。
「…なにか、いる。」
きっとその正体は、この大潮を何千何万回と生き抜いた末に辿り着く大鱸達だろう。
かけがえのない小さなその命を抱く静かな川に向かって、"PLAISIR ANSWER"を真っ直ぐ振り抜いた。
■ 期待とは裏腹に
時刻は少し巻き戻し、定時上がりの日没後。
雨後の稚鮎ボイルという期待を持って挑んだ河川中流域の橋脚明暗に陣取った。
どんなフィールドもファーストキャストでのバイトが一番期待値が高いし、ルアーも見切られにくいと感じている。
選んだルアーはハンドメイドミノーの10Parabellum。
"これなら食うかも"じゃなくて、"こいつで食わせたいなぁ"が、一つの理由。
アップにキャストし、派手なアクションにしないよう流れに馴染ませ、ラインスラッグだけをリトリーブで回収していく。
下流側へ頭を向けた10Parabellumが明るい側から暗い側へと入った辺りで、クンっと予想通りのファーストバイト。
幸先の良い魚からのコンタクトに、よくないとわかっていながらこの後の釣果をふと想像してしまう。
抜き上げ時に思いの外滑るドラグに、サイズ感のズレを感じる。
ランディングネットに手をかけようとする暇もなく、ふっとテンションが抜けルアーが宙を舞った。
期待とは裏腹に、2回目のバイトはない。ファーストバイトは、明らかにルアーを選ばないイージーなバイト。
"なす術なし"
まだ大潮の水が残っているうちに、冒頭のその河川へと車を走らせた。
■ 静かな水面に小さな命たち
PLAISIR ANSWERを振り抜き、橋脚明暗の奥へと送り込んだのはRAZAMIN90キラキラシラス。
橋脚下流側に浸かりアップにキャストしたら、これもラインスラッグだけをリトリーブで回収するようにただ流してくる。
まるで泳いでいない水面に浮かぶラザミンに、パシュと小さなバイトが飛沫をあげる。
可愛いサイズながら、この不透明なベイトシチュエーションの中に確かに存在する個体をキャッチした喜びは大きい。
流速の変化が起こる一定のリズムに合わさって、その小さなライズも頻度を上げる。
小さなライズが起こるスポットは、橋脚明暗と流芯、そして良いストラクチャーとなっている沈み根の後ろ。
次の狙いは沈み根周辺。ややアップクロスにキャストし、軽くティップを煽ってウエイトを戻すと、早々に小さな飛沫が舞った。
水面に広がる小さな波紋をジッと見つめるも、逃げ惑うフィッシュベイトの姿は確認出来ない。
おそらく捕食の対象となっているのは、例の"謎の透明の虫"だろう。
フックに一度だけ絡んできたので、今日もいることは確認出来た。
結果的にキャッチ数の倍以上のバイトを得るも、アタリは息を呑むほど小さい。
ライズの出るポイントはピンポイントだし、橋脚スレスレにキャストし流さないとバイトも得られないというシビアな展開に、やはりそうかと改めてキャスト精度の重要性を再認識する。
海へ海へとあっという間に川の水は吸い取られ、もうかなりの部分が干上がってきた。
ここは、シャローエリアの小規模河川。
ヒットポイントだって、干潮時には魚の住めない陸へと姿を変える。
大潮の豊富な水量が、次はいつ大鱸と共にこの川へと上がってくるのか楽しみに想像しつつ、スナップの結び目をカットした。
■ 頭痛にラザミン
「一体何を食っているんだ?」
捕食対象になっているベイトが不透明な時、I字系且つフローティング特性を持つラザミンを投入する。
約一年前、使い方がわからずに一度ルアーケースから退いたルアーが、今では絶対的信頼をおける存在へと変貌を遂げた。
…いや、ルアーのポテンシャルは不変だから、変わったのは僕自身か。
ラザミンの最大限の力は、I字系アクションとフローティング特性を"アングラーが絶対的に信頼すること"で発揮されると思う。
ライズはあるのに釣れない不透明なパターンに悩める春の季節。
思考を巡らすことに限界を迎えた脳はグラグラと錯乱し、頭痛を呼び起こす。
もしかするとヒドい花粉症の症状であるだけかもしれないが、とあるお方の言葉を借りるなら、こんな時こそ"頭痛にラザミン"である。
【TACKLE DATA】
ZENAQ/PLAISIR ANSWER PA89 Technical Surfer
SHIMANO/18 STELLA 3000MHG
SUNLINE/CAREER HIGH6 1号(16lb.class)
SUNLINE/STATE CLUTCH SHOCK LEADER NYLON 16lb.
【WEAR & TOOL DATA】
Cap/1989Luresオリジナル(OTTO)
Life jacket/SHIMANO XEFO ショートゲームベスト VF-274L
Wedear/Pazdesign BS BOOTS FOOT WADER V
Porch/Columbia,CHUMS
Lurecase/MAGBITE MAGTANK Free XL
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- 2019年3月27日
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