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▼ こんな本はいかが?
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fimo(勝手に)図書委員,kazu@食べる!です。
今週の自分の生活のペースが潮回りとうまくかみ合いそうになく,なかなか釣りに出られそうになくて釣りネタがないので,先日10年ぶりに読み返した本を御紹介します。
いつもミステリーばかりという訳じゃないんですよ~(^_^;)
+++
最初はこちら。
高坂正堯著 『国際政治』 (中公新書)
故・高坂正堯氏は,安保闘争が厳しさを増していた頃,日米安保体制を基軸とした安全保障を唱えた『現実主義者の平和論』という論文を発表しました。
おそらくは,多くの脅迫を受けたでしょう。身の危険を感じたことも少なくなかったと容易に想像できます。
しかし、そんなことに怖じ気づくことなく,当時の日本ではまだ主流派ではなかった現実主義(リアリズム)の立場から,国際政治論を展開した,気骨ある学者なのです。
また,この本は、高坂氏の知識と教養の重厚さに裏打ちされており,その一端を垣間見ることができます。
+++
本書は,「軍備」,「経済交流」,「国際機構」という三つのイシューを軸にして,それらとの関わりの中で,どのように「平和」と「安定した国際秩序」を確保するかについて,現実主義(リアリズム)の立場から,平易に解説しています。
これを読むと,国際社会で起こっている事象に関する新聞・TVの報道内容や評論家等の主張をどのように理解したらよいのか,そして,報道等の企図を掴み,しばしば行われる「議論のすりかえ」等を見抜くための「一つの視座」を与えてくれると思います。
読むたびに新しい発見のある本。国際政治の分野では,一押しの1冊です。
+++
2冊目はこちら。
岡崎久彦著 『戦略的思考とは何か』 (中公新書)
日本の「国内事情」の観点から安全保障政策を組み立てる「天動説」的な思考を排除する、というところが「戦略的思考」の出発点です。
そして、日本をとりまく国際環境を分析し,それを前提として,日本が採用すべき国家戦略(この本では、「安全保障政策」と言い換えてもいい)を,「繰り返す歴史」に触れながら,説き起こしていきます。
高坂氏と同様,歴史に対する豊かな教養と深い洞察力,そして,コモンセンス(良識)に裏打ちされた本書も,一読の価値ありです。
+++
この2冊の本を同時に紹介したのには理由があります。
両書に共通しているのは,リアリズムの観点から国際関係をどう見るかを学ぶにはうってつけの本だ、ということです。
しかし,それだけではありません。
両書が優れているところは,物事を秩序立てて考え、整理して表現するための、「確かな論理的思考」を身に付けることができるという点です。
作者や話し手の意図を正確に把握し,それを自分の頭の中で再構成し,自分が考えたことを秩序立てて表現する素養が身に付くと思います。
硬派な本が好みの方には,オススメです♪
+++
ただし・・・・
この両書(特に高坂氏の本)は,現実主義の立場から国際政治を論じるタイプの人にとっては,「教科書」のような本ですが,リベラリズム(「理想主義」とでもいいましょうか)の立場からは,様々な批判がなされていることも事実です。
専門書はどんなものでもそうであり,この両書も例外ではありませんが,どっぷりと浸かるのではなく,一歩引いたところから,冷静かつ淡々と読み進めることをオススメします。
今週の自分の生活のペースが潮回りとうまくかみ合いそうになく,なかなか釣りに出られそうになくて釣りネタがないので,先日10年ぶりに読み返した本を御紹介します。
いつもミステリーばかりという訳じゃないんですよ~(^_^;)
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最初はこちら。
高坂正堯著 『国際政治』 (中公新書)
故・高坂正堯氏は,安保闘争が厳しさを増していた頃,日米安保体制を基軸とした安全保障を唱えた『現実主義者の平和論』という論文を発表しました。
おそらくは,多くの脅迫を受けたでしょう。身の危険を感じたことも少なくなかったと容易に想像できます。
しかし、そんなことに怖じ気づくことなく,当時の日本ではまだ主流派ではなかった現実主義(リアリズム)の立場から,国際政治論を展開した,気骨ある学者なのです。
また,この本は、高坂氏の知識と教養の重厚さに裏打ちされており,その一端を垣間見ることができます。
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本書は,「軍備」,「経済交流」,「国際機構」という三つのイシューを軸にして,それらとの関わりの中で,どのように「平和」と「安定した国際秩序」を確保するかについて,現実主義(リアリズム)の立場から,平易に解説しています。
これを読むと,国際社会で起こっている事象に関する新聞・TVの報道内容や評論家等の主張をどのように理解したらよいのか,そして,報道等の企図を掴み,しばしば行われる「議論のすりかえ」等を見抜くための「一つの視座」を与えてくれると思います。
読むたびに新しい発見のある本。国際政治の分野では,一押しの1冊です。
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2冊目はこちら。
岡崎久彦著 『戦略的思考とは何か』 (中公新書)
日本の「国内事情」の観点から安全保障政策を組み立てる「天動説」的な思考を排除する、というところが「戦略的思考」の出発点です。
そして、日本をとりまく国際環境を分析し,それを前提として,日本が採用すべき国家戦略(この本では、「安全保障政策」と言い換えてもいい)を,「繰り返す歴史」に触れながら,説き起こしていきます。
高坂氏と同様,歴史に対する豊かな教養と深い洞察力,そして,コモンセンス(良識)に裏打ちされた本書も,一読の価値ありです。
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この2冊の本を同時に紹介したのには理由があります。
両書に共通しているのは,リアリズムの観点から国際関係をどう見るかを学ぶにはうってつけの本だ、ということです。
しかし,それだけではありません。
両書が優れているところは,物事を秩序立てて考え、整理して表現するための、「確かな論理的思考」を身に付けることができるという点です。
作者や話し手の意図を正確に把握し,それを自分の頭の中で再構成し,自分が考えたことを秩序立てて表現する素養が身に付くと思います。
硬派な本が好みの方には,オススメです♪
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ただし・・・・
この両書(特に高坂氏の本)は,現実主義の立場から国際政治を論じるタイプの人にとっては,「教科書」のような本ですが,リベラリズム(「理想主義」とでもいいましょうか)の立場からは,様々な批判がなされていることも事実です。
専門書はどんなものでもそうであり,この両書も例外ではありませんが,どっぷりと浸かるのではなく,一歩引いたところから,冷静かつ淡々と読み進めることをオススメします。
- 2012年1月18日
- コメント(6)
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