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ロッドビルダーの呟き

ロッドビルドをやり込むと分かることがある。

・市販品すげー
・各メーカーが重視しているポイントがなんとなく分かるようになる
・見えない部分に手を抜くのは簡単
・手造りで市販品に勝てるジャンルはかなり限られている
・金かかる。実釣に使う分には市販品買った方が楽まし安い
・もはや海外と国内工場の技術力の差はない(検品というか歩留まりの問題はあると思うけど、工程とかノウハウに差はない)



手造りが市販品に優るポイントは本当に限られていて

・自分好みのデザインにできること
結局これに尽きる。
とはいえ、パーツの自作ができない以上カラーリングを変える程度になるけれど。
あとは自然派のパーツなんかは手造りロッドに分がある

・軽量化を突き詰める
ジャンルは限られるけど、軽量化は思い切りと根気があればなんとかなる部分があるので、軽量アジングロッドなんかは市販品を上回ることもある。

なんかタナゴ竿とかもそうだけど、日本人は繊細さを尊ぶ気質が少なからずあるからそういうのはマッチしているかも知らない。



・本来別ジャンルのロッドを改造して自分専用ロッドを作る

個人的にはこういうのにロマンを感じる。
古いロッドをリメイクしたり、オフショアロッドでスイムベイトぶん投げたり。

ロッドなんて突き詰めたら仕掛けを魚に届けること、かかった魚を無理なく取り込めることができたら百点満点な訳で。

あとはいかに快適であるかと、自己満足を充実させる付加価値の多寡でしかない。




話は少し逸れますが
釣り物ごとに専用ロッドが揃う昨今ですが
仕掛けを魚に届けること、かかった魚を無理なく取り込めることを満たすロッドは専用ロッドでなくてもできる。ということを一番知っているのはロッドビルダーだと思う。


あけすけな言い方をすれば

『俺竿の本質分かってるし』

っていう自己陶酔に浸れる。



最近はまたマルチパーパスロッドというジャンルが脚光を浴びていますが(自動車業界もそうですな。SUVとかマルチパーパスビークルとか流行ってますし)
竿の本質を再認識できる良い風潮だと思います。




一方で夢のない話をすれば、マルチパーパスが持て囃されるのは単にお金の問題もあるでしょう。

用途ごとに数多くロッドを揃えるのは金銭的に負担が大きいから、一本であれこれカバーしてしまおうという。

閑話休題




一方で、カーボンの質だけはこれはもう日進月歩で昨今の物はすごい。

軽くて頑丈。
昔では考えられないぐらい性能がいい。

軽いロッドは脆い時代は終わったんだなとつくづく思う。



ただ、この話にもちょっとした落とし穴があって


カーボンの性能は上がっているけど、それ以上にカーボンの値段も上がっている。

この10年で産業全体のカーボン需要が3倍以上になってまして、その分値段も鰻登り。

2021年東レも2割値上げしたそうな。


価格転嫁しやすい高級ロッドはまだマシで、
よく売れる中価格低価格帯のロッドはモロにコスト高の煽りをくうことになる。

(同じ一万円の値上げでも6万円から7万円と、2万円から3万円だと値上がり率が全然違うっていうこと)


高くて軽量なロッドは良いとして、
安くても軽量なロッドはカーボンをけちって軽く仕上げただけの地雷ロッドの可能性がある。


その辺は注意が必要だという話。




用途外使用とか、キャスト適合を無視して竿おっちゃうのは使い手にも問題があるとは言え、自然が相手では釣れる魚を完璧に選別できるわけでもなし

予想外の大物で竿折れるようでは困るわけです。

大手はそのへんの事情もよく弁えているとは思うので比較的安心できる。


とは言え個人的には低価格帯のロッドは多少のブランクスが重い方が安心できると思ってます。














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