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村岡昌憲
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少しずつ回復していく体力と相談しながら徐々にペースを上げていく。
完全に回復するまで休んでいられればそれが一番いいのだが、そうはいってられないのである。
たくさんの期待を背負い生きてきた。それが怠け者の自分を突き動かしてきたのだ。その期待がある限りやるべき事をきっちりとやっていこうと思うのである。とはいえ、倒れてしまっては元も子もない。やはり体と相談しながらということになろう。
休み明けからハードだが、日帰りで大阪~京都~滋賀と流れる。
大阪の商社に同行して貰い、極力睡眠を取りながら疲れないように動いたが、やっぱり冴えるものがない。一番大事なときなのに・・焦っても仕方がないけど。
家に帰って風呂に入り汗を流してから一眠りする。
日付が変わると共に目が覚めた。
布団で空港で買った藤原正彦の「国家の品格」を一気に読む。
著者解説から新田次郎の息子であることに驚きつつ、1時間程度で読み切った。
至極簡潔な本であったが、この本を読む人はほとんどの人が「同感」というコメントを残すのではないかと思った。資本主義の根幹をなす論理主義の限界を解説しながらも、自ら論理崩壊した文章に終始してしまう点は訝しい感じもするが、それも論理の限界を実証しているのだと思えば。内容的には大いに賛同するところあり。
問題はこの本に目を向けることもない著者が言う崩壊した日本人に、どうこの本を読ませ、著者の考えを伝えるのかという点ではないだろうか。その最も難しい事に著者は一言も触れておらず、危惧ばばかりが主体で具体的な提言に乏しい。
読みながら同時にこの国の先を案じれば、少しの絶望感が胸の奥を疼かせる。
自分にできること、それはこの本をすぐ後輩に読ませることくらいか。
そう思って寝る。
- 2006年6月9日
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