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金森 健太

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紅い目の怪物(ホゲ)


さて、お久しぶりです。

南方の沿岸部に生息する怪魚、アカメ。

私がアカメの存在を知ったのは25年ほど前、まだ幼かった頃。当時から釣りにどっぷりハマっていた私、まだスマホというものが存在しない時代、情報を集める手段は雑誌や書籍、釣り新聞がメインだった。

そこで目にした「アカメ」という存在。とある書籍に掲載されていた一枚の写真はまだ幼かった私に大きな衝撃を与えた。

大きめのミノーでキャッチされた巨大なアカメ、奴が咥えているのはミノーではなく一本の針金だった。

一本の針金…それはヒットルアーであるミノーの内部にある筈の貫通ワイヤーだったのだ。写真のアカメはその強烈なファイトでルアー内部の貫通ワイヤーを全て引きずり出していたというのだ。(同時に貫通ワイヤー構造というものを初めて知った瞬間だった)

当時の私は、近所の小さな川で鯉や鮒、ハヤ類やタナゴをメインに狙っていて、ルアーで釣れる魚といえばせいぜいニゴイとナマズくらいだった(当時はバスすら希少だった)

岐阜県から遠く離れた地、ましてや海の魚。私には縁のない魚だと幼いながらに理解はしていたが、その写真だけは頭の片隅にずっと残っていた。

月日は流れ、いつしか私はシーバスアングラーになっていた。

そして今年、ある出会いが。

私の地元河川で、私よりずっと前から清流鱸を追い続けているいわば大先輩のような御方。彼もアカメの魅力に取り憑かれ、足繁く遠く離れた高知の地へ通っている。彼からアカメの話を聞く度、私の脳裏に焼きついているあの写真が鮮明になっていった。

一度でいいから挑戦してみたい。微かな記憶が大きな憧れに変わるまで、時間はかからなかった。

そして9月、チャンスは突然訪れた。

「来月高知に出張やぞ」

突如告げられた会社からの指令。まるで私がアカメを釣りたいと思っているのを知っていたかのように(笑)

そして10月1日、仕事道具とビッグベイトタックル一式を会社のトラックに詰め込み高知へと旅立った。

到着して予約していた旅館に荷物を降ろし、旅館近くのとある河川へと向かった。

「…こ、こんなところで釣れるのか!?」

半信半疑だったが、この川について調べてみると、確かにアカメの捕獲記録はあった。

一通りポイントをチェックして、一旦夕食のため旅館へ。

夕食後、ライジャケを羽織ってウェーダーとタックルを担いで旅館から出ると、旅館のスタッフの方が声をかけてくれた。アカメを釣りたいと話すと、実績ポイントや釣れた時のルアー等を事細かに教えてくれた。

早速、教えていただいたポイントにエントリー。

「こ、こんなところで釣れるのか!?」

シーバスならいるかもしれないけど、こんなシャロー河川にあの怪魚が…?

しかし、ちらほらとイナっ子の姿も見え、時折ボイルもある。

いや…あのボイル絶対セイゴか何かやろ、、、

で、このポイントでは撃沈。

次いで明暗ポイント。明暗の境には、数尾のシーバスが並んでいる。

ヤツを釣ってやろう。

しかし…

ビッグベイトしか持ってないもんだからどれだけ投げても無反応orz

結局ボウズ。

翌日も、その翌日もアカメに出逢う手掛かりを見つけられないまま7日、一旦岐阜へ帰還することに。

再び高知へ降り立ったのは10日、これからは前週の旅館ではなくとあるビジネスホテルに滞在することになった。そのホテルの近くにも一筋の河川があり、その川でもアカメの実績があるらしい。

10日は到着が深夜だったため翌11日からレンタルサイクルを借りてホテル近くの河口へ。

川は浚渫されているのか、なかなかの水深で雰囲気は悪くない。しかし…

とにかく流れがない。普段から急流の河川上流域でシーバスを追っている私にとって、流れがほぼないポイントでの釣りというのは未知の領域だ。

風に波立つ水面を見ると、ところどころで水面がざわつき、逃げ惑うベイトの姿が見える。

そのベイトのサイズがわかった瞬間

「…嘘やろ?」

とてもイナっ子と呼べるサイズではない。どう見ても40〜50cmはありそうだ。

そして

ドッパーーーン!!!!

まるで水中に爆弾でも投げ入れたのかと思うほどの爆発音、もし寝ている時にこんな音が聞こえたら間違いなく飛び起きているだろう。

これが…アカメなのか…?

改めて、自身がとんでもない化け物と対峙しようとしていることを実感した。

微かに震える手で、バラム245をその爆発があったあたりに投じた。

反応はない。数投して、ジョイクロマグナムを投じる。

リーリングジャークで左右に飛ばし、濃密なボラの大群に紛れないようにアピールする。

やはり、反応はない。

ならば、水面はどうか。

メガドッグをボラの大群に撃ち込む。

スライド幅を広く取ることを意識して、ゆっくりめのドッグウォークで誘い出す。

突如、ロッドに重さが乗る。

フックアップ。これは…

…引かないなぁ、、、

セイゴでも喰ってきたかとゴリ巻きで寄せてぶち抜く。

……!?

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こ、高知のボラってメガドッグ食うのか(汗)

写真を見てわかる通り、しっかりとリアフックを咥えている…

この後アクションを変えてボイルを撃つも反応は無く終了…

ここから、苦悶の日々が始まった。

盛大に爆発する水面、巨体に跳ね飛ばされるボラの群れ…

撃てども撃てども、奴は私のルアーを襲うことはなかった。

そして、14日

この日は雨により仕事が休工になり、デイゲームをやってみることに。

明るい時間帯に地形などもチェックしておきたい。

昼間の河口は、あのボイルが頻発していた場所とは思えないほどに静まり返っていた。岸寄りのシャローでは、鯉とボラ、チヌがのんびりと泳いでいる。とりあえず、ジョイクロマグナムを投げてはみたが…バイトどころかチェイスすらない。

心が折れて

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地域ねこたちと戯れる(笑)

やがて日没を迎え、静かに波立つ水面がざわつき始めた。

明るいうちにチェックしておいたピンで、読み通りにボラの群れが飛び出す。やはりここにいる…!

メガドッグを、そのピンに撃ち込む。ドッグウォークで誘い出し…

ボラの大群が、パッと散る。

一瞬の間を追いて、水面が大爆発を起こす。

咄嗟に、渾身の力でロッドを煽った。

しかし…虚しくロッドを空を切った。

これが、アカメとの最初で最後のコンタクトだった。

何故だ。何故なんだ。

答えなど出る訳がないのに、自らを問い詰めた。

そして…何の成果も得られないまま21日に高知での仕事が終わり、22日早朝、岐阜へ向かうトラックに乗り込んだ。

「そんな甘くねーよな」

自分に言い聞かせるように呟き、アクセルを開けた。

あれから3日

あの爆発ボイルの音が、耳から離れない。同時に、言葉にできないほどの悔しさが湧き上がってきた。

このままでは終わらない。この借りは必ず返す。

来年の再戦を誓う私であった。

最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m

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