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久保田剛之
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▼ カラー論 KAGELOUの話はどっかいっちゃったの巻
さて今回はシーバスの視力、色覚とルアーカラーについて書いてみたいと思います。
・・・・・・
・・・・・
・・・・
まずは結論から書きましょう。
魚に聞いてみないと真実は分からない。
えええええ!? って結論ですが、まず先にこれを書いておきましょう。
釣りの最大の楽しみの一つに見えない世界を想像する、分からない世界を想像するってのがあると思います。
僕自身『狙い通り釣れた!!』と手応えを感じる釣果は過去に何度もありますが、過去の自分の『狙い通り』を振り返ると『なんて甘い狙いなんだろう。それは偶然だ』と今だから思う事もあります。
だからといって『全てが狙い通り!こうなることは分かっていた!』全ての事象を完全に100%分かっていたとしたら、もうそれはゲーム性の欠片もない。
チンパンジーとギャンブル性という実験で、コインを入れて毎回出るジュースの自販機はのどが渇いている時にしか触れませんが、コインを入れて出る時と出ない時がランダムにある自販機はのどの渇きとは関係なくチンパンジーはコインを入れてボタンを押すという行為をやり続けるらしいです。
毎回全てが分かり切っている釣り(そんなものゲーム上でしかないですが)ってのは僕たち釣り人にとって魅力的ではないのでしょう。
釣れる時も釣れない時もあるからこそ僕らは夢中になって海に川に出かけるのだと思います。
相手は自然、全てを理解することは不可能。
それでも『釣った!!』という快感を少しでも多く味わう為に、ルアーのカラーについても多少の知識と戦略をもって釣りをすればより『釣った!!』感が味わえるのかなと思います。
そんな前提を書いた上で以下色々書いていきます。
■ 視力 色覚 ■
シーバス、いわゆるマルスズキはそれほど視力は良くないようです。
そもそも魚の視力ってどうやって調べるの?って話ですが、大きく分けると餌を使った実験と視細胞の数を調べる実験があります。
前者は餌を与える時に模様を見せどの位の距離でその模様を認識するか?って実験ですが・・・その魚の記憶能力や知能によっても変わるだろうなあとは思いますが、
人間で言う所の0.1くらいだと言われてます。(成魚が50~60cm位の大きさの魚の多くが0.1台なんだけどね)
続いて色覚ですが、色盲とか言われたりもしますが色の識別はキチンと出来ています。
もちろん人間と同じような世界に見えている訳ではないでしょうけどね。
同じフィッシュイーターでショアルアーのターゲットであるヒラメと比べるとそのセンサーは劣りますが、スズキさんは色盲ではありません。
過去に書いたことあったけどベイトフィッシュの出血を色として認識を出来る目は持っています。
恐らくタイリクスズキでも同じことが言えると思います。
ヒラスズキはもう少し視力、色覚に優れています。スズキよりも目が大きいし(=視細胞が多い)実釣の現場でもナイトゲームであっても細かい色の差でバイトが出る出ないと大きな差が出てくることからもそう感じています。
スズキと名の着く3種族の中で進化の過程で一番早く分かれたのがヒラスズキ。マルとタイリクは比較的近年になってから分岐したと言われています。
他の2種スズキと比べて少し独自の進化を辿ったのかもしれませんね。
■ 研究と釣り ■
魚類の視力、色覚に関する研究というのは様々な研究機関で行われています。
しかし釣りに直結するものか?というとなかなか釣りの釣果に直結するような研究が見つけられないです。
というかあまりやっていない(笑)釣りの為に研究している訳ではないので当たり前っちゃ~当たり前ですよね(^^;)
ちなみにどこでどんな研究をしているのか?多くの研究機関では国からの助成金を受けて研究しています。助成金を受けている研究は科学研究費助成事業データベース『KAKEN』っていうサイトで検索することも可能です。
あとは海洋系の大学の図書館とか散策すると楽しいですよ(^^)
■ フィールドからの感覚 ■
と前置きが長くなりましたが、ここからは上のような知識的な事と経験上の事を交えた上で話していきましょう。
皆さんはルアーカラーによるバイトの優劣を感じたことはありますか?
僕は正直結構あります。
濁っている時、どクリアーな水の時、月明かりが明るい時etc
○ 濁りや波のプラス要素の時
濁っている時や波っ気がある時など魚の活性が上がる要素が高い時はチャート系の最も視認性の高いカラーに分があるように感じています。
スイッチが入っているのでガンガンアピールですね。
濁りが入っている時に周囲に街灯がある場合、濁りはあるけど月明かりが強く風がない場合、こういう時にシャロー系ルアーではクリアー系も効果的です。
外部からの光がルアー内に入りボンヤリ光っているような見え方になり、場のプレッシャーが高い場合に有効な事が多いです。
○ どクリアーな水の場合
このクリアーってのはサラシなどの泡系の濁りも期待できない場合も含まれます。
クリアー系に分があり。クリアー系とホロ系でローテーション
○ 月明かり強い場合
クリアー系、クリアーホロ系に強い。
○ 俗に言う食わないボイル
完全ブラック、完全クリアーにワンポイント
あれ?KAGELOUにブラックないじゃん! って思われた方。
食わないボイルで有効な完全ブラック。僕の経験上ブラックが効果的なのは10cm以下のルアーの事が多いです。
落ち鮎のシーズンの時にボリュームのあるルアーのブラックが効くシチュエーションがありますが、クリアーブラウンホロで十分同様の効果が得られると考えています。
大きく分けてホロ、クリアー、チャートの3種類。
その中でクリアー系は光を透過させて見せるので状況によって一番細かい使い分けが必要かもしれません。
赤か~黄色か~と色味で選ぶというよりは背中からお腹への光の抜け具合で選択すると自分の中で整理しやすいと思います。
■ 総括 ■
とある程度経験を積んだ方なら特に目新しい事もないことを先ずは書きました。
『まあこの程度のカラーの差の優劣なら経験がある』と思った方も多いと思います。
では本題。
水の中ではどう見えているのか?
写真を撮ってみました。夕立があって少し濁りが入った状況の夜です。
カメラはTG-4。水中に入れられるコンパクトデジカメの中では上位機種ではないかと思います。
街灯から少し離れた位置ではありますが、ある程度の明るさがあります。
カメラアングルはルアーから20cmほど離した斜め腹側から(ルアーの斜め下から)の撮影です。
チャート。特に珍しい画像ではありません。
ところがフラッシュなしで撮影すると・・・
写らない。真っ暗です。
画像を処理してコンストラストを上げていくと・・・
ココにルアーがあります。
カメラの設定は適当ですが(写るように頑張って設定をしていない)フラッシュありの時と変更していません。
カメラの設定を調整していけばもう少ししっかり写るかもしれませんが・・・
それなりに良いデジカメで撮ってもこの程度。
でも釣りの実体験では確実にカラーの優劣を感じる時はある。
実験で数値化できるデータとしてはシーバスの視力は0.1くらい。
色の識別はそれなりに出来るけど2原色の世界で見えているのでは。
人間ベースの数値化しなくてはいけない世界で頑張って数値化したデータでは対したことのない魚類の視覚。
でも本当は数値では表せないところでしっかりと見えているのでしょう。
少なくともデジカメの性能以上のレンズが搭載されていると思います。
ここで冒頭の魚に聞いてみないと真実は分からないに帰結するのです。
魚類に関する実験や数値を記した研究データや論文は数多く存在します。
自然の真実は分からない、その中でなんとか一つずつ数値化し未知なる自然の謎を紐解く鍵を作ろうと研究者の方は実験・研究を行います。
しかし我々がその結果だけを文字として読むと『それが全て』だと錯覚しがちです。
長くなりましたのでとりあえず今回は
魚は僕たちが思っている以上に見えているんだよってことでこの話を結びたいと思います。
・・・・あれ?KAGELOU124FのカラーPRを何も出来てないぞ???(笑)
まあその辺はいずれ・・・(^^;)
- 2017年7月19日
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