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久保田剛之

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KAGELOU124F開発話 LBOを搭載できるか!?


KEGELOU124Fの開発話の続編です。

開発話その1 KAGELOU動画公開と開発話

開発話その2 カゲロウ開発話 ダーターについて熱く語る



本日は重心移動やカラーのお話です。



ちなみにルアーの開発の順番?ですが・・・

① まずはコンセプトを伝えます。Megabass社の場合は紙面に起こしてどのような形状、重さ、使用シチュエーション、などなど自分の中にあるイメージを伝えます。

② 開発部のスタッフさんがCADデータを起こしてCAMで削り出してファーストサンプルが出来上がります。

③ それを基に形状や泳ぎの変更を加えていきます。
僕の場合はパソコン上で画像で分かり易くしてどの部位を何mmとか伝えていきました。職業柄プラスチックの造形には慣れたもんなので時にはこちらで手を加えてその結果を伝えて手を加えたサンプルを作ってもらっていましたので、かなりの開発速度を実現できたのではないでしょうか。

④ 泳ぎが決定するまでは重心は固定重心です。

⑤ 泳ぎ、形状が決まったら重心移動を付与して再度バランス取りをしていきます。

⑥ すべてがOKになったら金型を起こします。


⑦ 金型からのサンプルで最終的なバランスの調整を行っていきます。この時に重心移動の固定のマグネットの磁力なども細かく調整していきます。

⑧ ⑦と平行してカラーサンプルを作っていきます。僕の希望カラー、Megabassの過去の実績カラーなどの統計を会議にかけてカラーを決めていきます。

⑨ 全てが決定していよいよ量産です。

作る現場のレポートはコチラ(fimo編集部ログ)をどうぞ。



とこんな感じ。結構長い道のりですが、開発部のスタッフさんと意思の疎通が非常に計り易かったのでサンプルが送られて来る度にブラッシュアップされていたので非常にやり易かったです。



 
ウェイトとLBO

前回までに書いたように『圧倒的な飛距離』的なキャッチーな売り文句も非常に魅力的ですが、KAGELOU124Fの開発では一旦飛距離は置いといて・・と開発を始めました。


必要最低限の飛距離はもちろん重要、でも泳ぎはもっと重要。


その為にメガバスにプロトは30個近くバージョンを変えながら進化していきました、という話を前ログで書きました。


ウェイトバランスを突き詰める中でメガバスオリジナル重心移動システムLBOは搭載が難しいかもしれない、という話も出ました。

LBOについてはコチラから。



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(↑ すんげえ飛距離のMarineGangさん)
マリンギャングに使用されていたLBOだとカゲロウのウェイトバランスだとウェイト位置が合わないのです。




泳ぐには泳ぐので無理やりLBOを入れるか?いやいや泳ぎ重視なのだからステンレス球のウェイトでいくか・・・

しかしこのカゲロウにはどうしてもLBOをベストな形で搭載したい!!



ここでMegabassから嬉しい報告が!!

マリンギャングシリーズとは異なる新型のLBOを開発・製造となり無事にLBO搭載となりました。




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(上は開発初期の初期の形、下はLBOを搭載した最終モデル)


LBOはベアリング内臓で超低抵抗なので水平から4度の角度で重心が戻ります。

通常のキャストの場合、ほぼ着水は着水の時点かある程度ラインスラッグを取った時点で既に重心は戻っています。



落ち鮎パターンの釣りではアップクロスにキャスト後ラインスラッグを回収するだけ、ほぼ流れに乗せっぱなしという釣りをすることもあります。

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(もちろんサーフでもデカイのバシバシ獲れましたよ)
この時にKAGELOU124Fなら着水と同時にウェイトが戻っているので重心を戻すための無駄な距離をリトリーブする必要がなくなります。

着水地点から捕食対象に成りうるわけです。





 
気になる飛距離

まあまあここまで色々語ってきたわけですが・・・


実際どうなったのよ?と・・・


いい意味で僕の予想に反してかなり飛びます。

LBO搭載モデル全般に言えることだけどロッドをしっかりと曲げて気持ちやや前よりにリリースポイントを持ってくると相当飛びます。


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冬に公開された『厳冬期のリバーシーバス』で・・・夜だから映像では映ってないですね(^^;)
同じ重さのバイブレーションよりもLBOのマリンギャングの方が飛んでいます。

カメラマンもビックリしてました(笑)



ちなみにKAGELOUはマリンギャングシリーズほどマグネットを強くしていないのでLBOの後方移動もスムーズなのでショートキャストでもコントロールが付け易くなっています。

(強烈なマグネットにして対岸にぶつかる仕様の方がたくさん売れたかな?)



開発開始当初は飛距離はそこまで望んでいませんでしたが嬉しい誤算で飛距離のアドバンテージも得られる結果になりました。



 
上級者のように



上級者になればなるほど魚の着くピンポイントをその日の状況から見抜きます。

上級者になればなるほどリトリーブも低トルクで柔らかいので水流の僅かな変化で食わせの間やアクションが自然に入ります。




KEGELOU124Fの泳ぎは高トルク(高速じゃないよ)で巻いても水流の変化でルアーの泳ぎに変化が出やすくなっています。

簡単に書くとグリグリ巻いても勝手にヨタったり泳ぎが一瞬抜け(進んでいるけど一瞬泳ぎが止まる)自然に食わせの間が出来ます。


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(ムロもグリグリ巻きでもしっかり釣れたよ)


意図的に間や変化を加えようとしてもそれがシーバスの捕食ポイントでないとただ場をスレさせることに繋がります。

水流の変化こそシーバスの捕食ポイント。その変化をルアーが拾う。

ある意味上級者がテクニックでカバーしていたところをルアーが補助する、そんなルアーに仕上がったんじゃないかと思います。


その内公開される別の動画で見て頂きたいのですが『え?ここで食うの!?』っていうのを僕にも教えてくれているルアーです(笑)

結構早めにグリグリ巻いていましたが、不規則に入る揺らぎや抜けがシーバスのチェイスの距離を伸ばし・・・・




ここからは次の動画を楽しみにしていてください。

たぶん動画史上記録的に至近距離で・・・(笑)







 
カラーバリエーション


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カラーについては初心者から玄人まで満足できる初期ラインナップになったのではないでしょうか。

全国的に見ればカラーはホログラムのナチュラル系の方が売れるというデータがあるのですが、あくまで実戦重視のカラーラインナップです!


ちなみにプロトではほとんどが背中がピンクチャートで側面と腹が銀色というモデルでした。
これは削り出しのブランクには熱で張り付けるホロが付けにくい為。また背中のピンクは泳ぎの違いを目視しやすい為です。


暫くの期間同じタイプのプロトを使い続ける場合は手間をかけてホロを貼る価値もありますが、開発期間中はとにかく変更モデルを削りまくってもらっていました。




最もその頻度が高い時は金曜日に発送してもらう→月曜から使用開始→水曜には変更希望点を連絡→木・金曜日で改良して夕方に発送。


このサイクルでテストを繰り返していました。その為カラーは簡便で早く塗れて見やすいもの、と進めてきました。





でも長い期間使ってきたプロトカラー。当然愛着も出ましたし、このブログを見てくれているアングラーにとっても最も見慣れたカラー。

なのでカラーラインナップに入れておきました。


とはいえこのピンクバックだけで全ての状況にアジャストするのは当然不可能。

濁りの濃度や周囲のプレッシャーでカラーを使い分けてみてください。

濁りがある時はチャートだろ!ってのが一般的ですが水面直下のシャロー系ルアーの場合クリアー系のカラーも抜群に効きます。



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クリアー系って魚が見つけてくれないんじゃない?
キラキラ光っていたり真っ白の方が遠くから見て目立つし・・


経験の浅いアングラーさんはそう感じる人も多いかも。


シーバスの場合最初に餌を認識するのは視覚ではなく、側線や浮き袋、耳石などの水の動きを感知する器官の方が発達しています。

なので・・・

気付く→追う→見る→捕食

ってイメージ。この【見る→捕食】に移行できるか見切られるかってところでカラーが関わってきます。


次回はそんな魚の雑学的なものを交えてお話してみたいと思います。












 

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