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▼ 月と蟹？？

  • ジャンル:書籍・雑誌
  • (読書)

道尾秀介『月と蟹』読了。



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小学四年生の主人公と同級生の男女二人を中心とした物語。


僕たちの子供の頃と同じように、海で生き物をとったり、山で秘密基地を作ったり。無邪気に遊ぶその胸の内とは…


角田光代の『対岸の彼女』を思い出させます。同じサイドにいると思っていた友人が実は全く違う方向を向いていた。そしてその逆も。


読んでる最中にずっと感じていたこと。小学四年生って、こんなにませてたっけ？作者の卓越した筆力が逆に仇となって、三人の小学生がとても大人びた存在に思えました。しかし、それさえも織り込み済みの伏線でした。ヤラレター。


ラスト50ページのリアリティ、スピード感、高揚感はさすがの一言でした。ただ、肝心なことに、「月と蟹」が何の象徴だったのか、最後まで正確に読み取った自信を持てませんでした。読者が未熟だと、作家は不幸ですね（笑）


総合評価 ★★★★☆

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