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金森 健太
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▼ 長良川のコクチバスの起源と対策
- ジャンル:釣行記
- (長良川)
はじめに
このログは筆者が情報を収集、精査したものに私見を交えて執筆したものであるもので、筆者の推測による表現があることをご理解いただきたい。
また、このログはバス釣りを否定するものではなく、法令遵守、生態系の保護を訴えるものであることをご理解いただきたい。
長良川でコクチバス確認
2023年5月、岐阜県美濃市の長良川(長良川中央漁業共同組合管内)にてコクチバス(スモールマウスバス)の生息が確認された。中央漁協管内では初の発見となったが、下流の岐阜市周辺の釣り人への聞き取り調査をした結果、下流ではそれより早く複数尾釣獲されていることがわかった。
コクチバスは特定外来生物に指定されており、長良川の主要な水産資源であるアユやアマゴへの食害が懸念されている。
コクチバスとは
コクチバス(スモールマウスバス)は北米原産の肉食魚で、1925年に日本に輸入された。体長は30〜50cmほどに成長し、小魚やエビ類を主食とする。近縁のラージマウスバスよりも冷水を好み、急流の中でも定着できることから、アユやアマゴ、ヤマメの生息域に侵出し、捕食対象となる可能性が高い。
予想される被害
冷水、急流を好むコクチバスは急流の瀬が多い長良川でも定着し、今後更に増殖すると予想される。実際に隣の揖斐川、木曽川では定着し稚魚も多数確認されていることから、長良川での増殖は時間の問題である。
長良川の主要な水産資源であるアユとアマゴへの食害が懸念されており、食害によりアユが減少すれば中流〜上流域での経済に大きな影響を与えることが予想される。特に長良川のアユは2015年(平成27年)に世界農業遺産に指定され、その価値は非常に高いものになっている。上流の郡上市で漁獲されたアユは郡上鮎と呼ばれ、市場では高値で取引されている。当然釣り人からの人気も高く、関東、関西からもシーズン中は多くの釣り人が訪れる。また、鵜飼や夜網漁、簗などの伝統漁法も盛んで、特に鵜飼は1300年以上続く伝統漁法であり現在でも観光名所として国内外から多くの観光客が訪れる。
具体的な金額は調べても見つからなかったが、長良川のアユがもたらす経済効果は非常に大きなものであることは言うまでもないだろう。
またアユだけでなくアマゴやアマゴ降海型であるサツキマスにも被害が及ぶことが予想される。35〜50cmと在来種の中では比較的大型化するサツキマスだが、シラメと呼ばれる降海前の稚魚は15cm程度と小さく捕食対象となりうると見ている。
以上のように、コクチバスが長良川の生態系、流域の経済に大きな影響を与えることが考えられることから、早急な対策を講じる必要に迫られている。
長良川のコクチバスの起源
長良川にコクチバスが侵入した経路についてはいくつかの憶測が飛び交っているが、どれも確固たる証拠は見つかっておらず、更なる考察と検証が必要である。その中でいくつかの説を以下に書いておく。
近隣河川からの自然流入
長良川は西に揖斐川、南東に木曽川とふたつの河川と隣接しており、総じて木曽三川と呼ばれる。またその揖斐川と木曽川では2018年ごろからコクチバスの生息が確認されており、自然流入説を唱える人がいてもおかしくはないだろう。しかし、木曽川と長良川を繋ぐ用水路などは無く、木曽川からの自然流入は考えにくい。同様に揖斐川でも長良川と直接繋がる水路はなく、自然流入した可能性は低いと考えられる。揖斐川の支流である根尾川には山口頭首工(岐阜県本巣市)で取水し板屋川と糸貫川を経由して長良川に注ぐ水路があるが、根尾川ではコクチバスの生息は確認されておらず、こちらも可能性としては低いと考えられる。
琵琶湖産アユ種苗に混ざっていた説
ネット上でもこの意見は多く出され議論となったが、筆者の見解ではこの可能性も肯定的ではない。
過去に琵琶湖産アユ種苗の放流によりハスやカネヒラ等琵琶湖の固有個体群が各地に広がった経緯があることから、このような意見が出ることは何らおかしくはないのだが、琵琶湖産アユ種苗はアユをはじめ河川のサケ科魚類の大敵である冷水病の病原菌を保有しており、その保有率はおよそ80%と言われている。琵琶湖で漁獲したアユ稚魚をそのまま他の河川に放流すると他のアユ(養殖種苗、海産など)に感染し、大量死に繋がる危険性がある。そのため琵琶湖で漁獲されたアユ種苗は加温処理にて殺菌を行い、また冷水病を発症している種苗は全て取り除かれている。その際にアユ以外の魚も選別されるため、琵琶湖産アユ種苗に混ざっていた可能性は低いと考えられる。
そして、そもそも長良川には琵琶湖産アユ種苗はほとんど放流されていない。隣の根尾川では琵琶湖産種苗を主に放流されているが、現在根尾川ではコクチバスは発見されていない。また、この他にも琵琶湖産種苗を主に放流している河川は多くあるが、それらの河川ではコクチバスは発見されていない。
これらの理由から、琵琶湖産アユ種苗にコクチバス稚魚が混ざっていた可能性は極めて低いと考えられる。
釣り人による移植放流
耳の痛い話になるかもしれないが、この可能性が一番高いと考えられる。移植放流であるという確固たる証拠は見つかっていないが、他の説を検証してみてもどうしても整合性が取れず、やはり移植放流である可能性が示唆される。
誰が、どこから移植したのかを検証することは、現時点では不可能である。しかし、揖斐川にしろ木曽川にしろ最初にコクチバスが侵入した経緯は移植放流であることは想像に難くない。そもそも、コクチバスももともとは中部〜東北地方の限られた湖にしか生息していなかったのだ。それが1990年代に急速に全国の河川と湖沼に拡散されて今に至る。
今後のとるべき対策
2023年6月に長良川で生息が確認されて以来、長良川中央漁業共同組合によって水中銃を使用した駆除活動が行われている。本来長良川では水中銃の使用は禁止されているが、コクチバス駆除のための特例として使用が許可されている。しかし水中銃の使用が許可されているのは一部の人だけで、一般の方が水中銃を持つことは禁止されている。
しかし、繁殖力の強いコクチバスを水中銃で捕獲して根絶させるというのはあまりにも効率が悪いように思われる。しかし待ち伏せ捕食型のコクチバスは普段は岩や構造物の影に隠れていることが多く、網での漁獲も難しい。今後有効な漁法の確立が急がれる。
現在、漁協や自治体が取れる対策としては密放流をさせないよう監視を強化すること、リリース禁止を釣り人に呼びかけることだろう。改善が見込まれない場合、違反者には罰則を設けることも検討しなければならない。
また、コクチバスだけでなく、オオクチバスやサケ科の外来種であるブラウントラウトやニジマスも対象とする必要があると考えている。
脅威はコクチバスだけではない
現在、長良川水系の河川には十数種の外来生物が生息していると言われている。それら全てを根絶させることは不可能であるが、食害や生態系汚染に繋がる種はできる限り駆除しなければならない。近年長良川ではサケ科のブラウントラウトの釣果報告が寄せられている(未発表)。容姿の美しさと引きの強さで釣り人からの人気が高く、管理釣り場等ではポピュラーな対象魚となっている。しかし、獰猛な性格と旺盛な食欲でこちらもアユとアマゴへの食害が問題視されている。こちらは管理釣り場や養魚場からなんらかの理由で流出した可能性が示唆されていたが、聞き取り調査では密放流の情報も聞かれ、今後注視すべきである。
最後に
166kmの流程を持ち、その流域にはおよそ86万人が暮らしている長良川。筆者も幼い頃から長良川の恩恵を受けて育ち、長良川で釣りを極めてきた。現在でこそ揖斐川や木曽川、その他河川へ足を運ぶ機会が多くなったが、その原点はやはり長良川である。
どうか、長良川を壊さないでいただきたい。1994年に長良川河口堰が完成して以来、長良川の生物相は年を追う毎に貧弱になっている。そこに外来生物の増殖となれば、その影響は計り知れない。どうか、長良川へ外来生物を放たないで欲しい。ブラックバスやブラウントラウトだけでなく、金魚や錦鯉も元を辿れば大陸原産の外来生物である。食害だけが問題視されがちだが、遺伝子汚染も深刻な問題であるということを認識していただきたい。
ブラックバス(ラージ、スモール)、ブルーギル、ライギョ等は特定外来生物に指定されており、生体の移動、放流、無許可での飼育は外来生物被害防止法により禁止されており、違反者には重い罰則が科せられる。昨今のアウトドアブームで釣り人の人口が急増し、ルールとマナーを守らない釣り人が問題視されているのは周知の通りだろう。未来のためにも、節度ある行動を意識していただきたい。
最後まで読んでいただき、感謝申し上げます。
2023年6月25日
金森 健太
- 2023年6月26日
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