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諸説:ルアーに関するあれこれ

見かけたことのある、ルアーに関係しそうな説・研究結果
などについて、下のようにまとめてみました。

①ラバーペンシル錯覚説
②波動理論
③模様パターン+紫外線反射が効くという説
④弱った魚の動き、ウォブリングこそが食性を刺激する説
⑤タイトローリングこそが最も食性を刺激する説
⑥偏食中のエサに似ているルアーが釣れる説
⑦チャートカラーが実はナチュラルカラー説
⑧クリアカラーは釣れるぞ説
⑨昼と夜で魚の視覚は変わる説
 
①ラバーペンシル錯覚説

鉛筆の端をつまんで振ると、ウネウネと曲がって見える錯覚が。
これはラバーペンシル錯覚と呼ばれています。
ハードルアーが泳ぐときも、生物がウネウネと曲がりながら
泳いでいるように見えるので、魚が食いついてくるという説。

出典・K.IMAE  Top Secre様
   Bass Report様
         他にも出典があったのですが、分からなくなってしまいました

また、肉食動物は本能的に『内臓』的なウネウネした物
(引きずり出したハラワタとか)が好きだとか。
同じくシーバスも、バチとか小魚とかのウネウネ感が、
本能的に好きな可能性が。
なので、ラバーペンシル錯覚によるウネウネが、
有効なのかもしれません。

出典・【セオリー】本当のマッチザバイトメソッド シーバス爆釣ネット様 
 
②波動理論

YAMASHITA社の創業者、山下楠太郎氏の兄が海で漂流を
してしまったとき、赤い布がついただけの針でマグロが釣れて
九死に一生を得たそうです。
なぜマグロが釣れたのか、疑問に思った山下氏が研究を重ねた
結果、肉食生物は、小魚の群れが出す音・水の動き・光といった
『波動』をもとにエサを探しているのではないか? と結論。
疑似餌は、単に生餌に外見を似せたものではなく、
同じような波動を出すものが釣れるのではと商品開発
(シーバスだと『フラペン』がおなじみ)

現在、ルアーの話でよく出てくる『波動』という言葉の起源は
この研究なのかもしれません

『ルアーで生じた水の動きや振動』を魚が感じ取れるかは、
<魚の行動習性を利用する釣り入門 ブルーバックス社 86-89p>
で詳しく解説されており、ざっくばらんに一言でいえば、

『泳いでいないなら、至近距離のルアーの動きを感知できる』

もう少し詳しく要約すると、
・側線の感知力が高い魚種でも、その射程は魚の全長の1~1.5倍
・魚は泳ぐとき、体表を流れる水の動きという不要な情報を
 カットするために、側線の機能をあえて大きく低下させる
・ルアーの動きは、水の動き(側線の守備範囲)のほかに、
 水圧の周期変化を起こし、それは『音』として遠くに伝わる。
 しかし、その周波数は魚の耳である『内耳』の感知範囲外。
(もしルアーが1秒間で100回以上振動すれば、感知範囲内)

他の波動、『ルアーのラトル等が出す音』に関しては、
内耳が感じ取れる周波数内のラトル音を出すように
調整したルアーは、影響が見られたということです。

出典:ヤマリア社 タコベイトの歴史
 
③模様パターン+紫外線反射が効くという説

魚型の模型に、縦ジマを一本入れると肉食魚が食いついて
くるようになった、という古い論文があるそうです。

魚が模様のパターンを見分けるか、ということについて、
ブルーギルを使った実験では、模様のパターンを見分ける能力
が抜群で、むしろ人間より優れていることが分かっています。

また、シーバス(ヒラメも)は目に紫外線桿体を持っている
ので、紫外線を見ることができると考えられています。

イシダイでは紫外線を利用した水族館のショーまで行われて
います。紫外線でイシダイを誘導するというものです。
人間には紫外線が見えないので、不思議な光景になります。

紫外線は夜間も月の反射によって降り注いでおり
(昼間の数十分の一の量ですが)、水中へ透過しています。

魚の鱗に含まれているグアニン色素は紫外線をよく反射します。
これを、シーバス等は真っ暗い夜間に獲物を探すのに
利用しているのではと推察されています。
(メガバス社は、グアニン色素を模したグアニンゴースト
という塗装技術まで開発しています)

ところで、カツオの撒き餌に一番良いとされるのはキビナゴで、
この小魚には、紫外線を反射する縦ジマがあることになります。
縦ジマを入れると肉食魚が興味を示す、という、先に述べた
論文の内容が思い出されてしまいます。

他の有名な模様のパターンといえばレッドヘッドがあります。
だいたいの魚は胴体が鱗に覆われている一方、
頭には鱗がなく、胴体ほど紫外線を反射しないはずです。
レッドヘッドは、このパターンを模しているのかも?
ちなみに『ブラックヘッド』にしても、問題はないそうです

もしかしたら、肉食魚の食性を刺激する模様パターンがあり、
それが紫外線を反射するとなお良いのかもしれません。

注意点としては、例えばホロシールはアルミが使われているので
紫外線反射率が良いはずなのですが(アワビシールも良い)、
市販のルアーは日光による退色を防ぐため、紫外線吸収塗料
でコーティングされている可能性があることです。
それでコーティングされていれば、一見、キラキラ光るルアー
でも、紫外線の反射は少ないことになります。
出典の本では、市販のルアー(キラキラ系)の紫外線反射
を調べたら、とても少なかったという写真も掲載されています。

(出典:魚の行動習性を利用する釣り入門 ブルーバックス社 25-28,34p 32-36p
タックルハウス社 K-TEN Lab『レッドヘッドというカラーについて』
)
 
④弱った魚の動き、ウォブリングこそが食性を刺激する説

創業者のラパラ氏は、湖でどんな小魚が捕食されるかを観察。
結果、弱った小魚が選択的に捕食されていることを発見。

名古屋大学 田村保教授の海中実験でも、群れからはぐれて
ヘンに泳ぐ小魚だけが捕食される様子が見られたそうです。
また、スズキが惹きつけられるのは、小魚の直線的な
泳ぎではなく、変則的な泳ぎだったとのこと。
(出典:魚の行動習性を利用する釣り入門 ブルーバックス社 61-62p)

そしてラパラ氏が弱った小魚の動きを出せるよう作ったルアー
『カウントダウン』は、不朽の名作となって世に広まっています
カウントダウンの動きは尻尾を激しく左右にふるウォブリング
で、下の⑤とは対極ともいえます。

出典:ラパラ社『ヒストリー』
 
⑤タイトローリングこそが最も食性を刺激する説

ザウルス社開発陣による3年にわたる実験観察の結果、
タイトローリングの動きこそが最も魚の食性を刺激する、
という結論に至ったそうです。
なので、この説明が書かれていたミノー『ブラウニー』は、
巻き速度にかかわらず、ローリングのみでウォブリングは一切
しない設計になっているそうです。

ラパラのカウントダウンとは真逆ともいえる動きですが、
ローリング系のプラグもまた、高い実績で知られているものが
たくさんあります。

ローリングの動きは弱った魚の別の表現なのか、それとも、
ナチュラルに無防備に泳ぐ魚の表現なのか、
あるいは細かいフラッシング効果が効いているのか? 
いろいろな意見があるようです。

出典:ザウルス社、アルファ&クラフト
『ブラウニー バルサ50』のパッケージ説明書
 
⑥偏食中のエサに似ているルアーが釣れる説

浜名湖の9~10月だと、ゼンメ(ヒイラギ)パターンとなり、
それまで有効だったミノーが急に釣れなくなって、
ゼンメによく似た形のバイブレーションが、
良く釣れるようになるそうです

いわゆるマッチ・ザ・ベイトが、分かりやすく成立する
ときがある、という好例かと思います。

出典:『マンガでわかる 必ず釣れるソルトルアー講座  日東社』94-95P
 

⑦チャートカラーが実はナチュラルカラー説

多くの魚の目には、蛍光を感知できるフィルターがついて
いるのだそうです。もちろん、人間にはありません。

水中の生物は、水中深くまで透過する青色光や紫外線
を受けることで、生体蛍光という蛍光を発するそうです。
その色は緑、赤、黄といった、いわゆる『チャート色』。

肉食魚はこのチャート色の生体蛍光を見て、
狙いを定めているのかも?
つまり、チャート色こそがルアーにとってはナチュラル
カラーとなるので、よく釣れるという説です。

出典:なぜチャートカラーが釣れるのか? 実は水中で最もナチュラルな色の可能性
  道北貧釣 様。チューニング大学の研究が元になっています
 
⑧クリアカラーは釣れるぞ説

有名な論文の有名な結果なのですが、透明な疑似餌は
背景色にかかわらずシーバスの反応が良いそうです。
この理由について、シーバスはシラスや子イカなど、
透明で捕えやすいエサを稚魚のときから食べているから
ではないかと考察されています。

また、魚がコントラストを感知する能力は非常に高く、
少なくともシーバスやブルーギルは、人間の目では分からない
水中の透明物を明確に見分けることができるそうです。

他に各所で見受けられる意見として、クリアカラーのルアーは
内部で光が乱反射するのが、独特の目立ち方となり、
釣れるのではという考えもあるようです。

出典:異なる背景色におけるスズキのルアー色の選択」(国会図書館)
   魚の行動習性を利用する釣り入門 ブルーバックス社 17-18 75-76p
   fimo BlueBlueの吉澤様の記事

 
⑨昼と夜で魚の視覚は変わる説

脊椎生物の視覚には、二つの細胞が関わっています
明るい場所で色を見やすい『錯体細胞』と、
暗い場所でも明暗のコントラストを見やすい『桿体細胞』です

そして、どちらの細胞が優位になるのかは、
周りの明るさによって切り替わります。

なので、多くの魚についても、昼間は色を良く見れるように、
夜間は物の輪郭のコントラストを良く見れるように、
視覚に使う細胞を錯体⇔桿体と切り替えているようなのです。

これにより、ルアーの色に関する議論もまた、昼と夜で
切り替えないといけないのでは、という話がでてきます。
特に夜は先に述べた紫外線や蛍光の要素もあり、複雑です。

真夜中になぜか黒いルアーが強いという話がありますが、
黒がもっとも明暗のコントラストが強いので、桿体の視覚に
切り替わった魚に見つけられやすいのかもしれません。

なお、視覚の切り替えには数時間かかるそうです。
夕マズメ、朝マズメによく釣れる理由として、
魚は視覚の切り替え途中で、ぼんやりとしか見えないので
ルアーが見切られにくいのではという説もあります。
逆にマズメが終わってしばらくは、視覚の切り替え途中なのに
完全に真っ暗 or 明るい、となってしまうので、
ぼんやりを通りこしてルアーがかなり見えにくい状態となり、
あんまり釣れない時間帯となるのでは? という話もあります

また、昼間には錯体でルアーの色や模様を良く見ているので、
何度も同じルアーを見ていると学習してスレるが、
桿体に切り替わるときにその学習内容がリセットされるので、
夕マズメが時合になりやすいのでは、という話もあります
(出典:シーバス攻略スタイル2021  71P 『光の強弱による活性の違い』)

出典:光の量(明暗)によってルアー・ワームをどう見ているのか
   (くちからすに様)
   
魚は色を識別できる?」(釣具新聞様)

 

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