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地磯 コクハンアラ 2023

1/15
前日、同僚が仕事中に何気なく某湾内を眺めていたところ、大型魚が小魚を追い回している様子を目撃したらしい。
他人の情報をもとに釣りにいっても釣れない場合がほとんどなのだが、ここ半年ほどはどこでルアーを投げようが結局あたりすら拾えていないのでダメもとでそこへ向かってみた。

内湾部のポイントで回遊魚を狙う場合、攻略のキーとなるのはベイトの存在だろう。
岬の先端や沖磯などの魚の定期的な回遊ルートとなっている場所とは異なり、内湾のポイントではベイトがいない場合大型回遊魚はまず現れない。このことは裏を返せば湾内部に姿を現すのはベイトを追った高活性の回遊魚だということだ。
このため、湾内では滅多に回遊魚が釣れないが、釣れるときは高活性の魚が簡単に食ってくる。
沖磯ではいつ魚が回遊してくるかわからないので、投げ続けなければならないという脅迫観念のようなものを自分にかけてしまうが、内湾のポイントは少しルアーを投げてみて魚からの反応がなければまずつれないので釣りのやめ時がより早期判断できる気楽さがある。

私は週に一度、丸一日釣りをするより三十分でいい(場合によっては三十分のほうがいい)ので毎日釣りをしたいタイプなので湾内や地磯で高活性の簡単に釣れる魚が現われるのを毎日釣りをしながら気長に待つスタイルが気に入っている。

前置きが長くなった。
まず当時の海況。
凪、追い風はやや強い。水面では10cmほどの小魚がキラキラと瞬いているもののそれを捕食する回遊魚の気配はない。6時の明け方から竿をだしているのだが、前日に起こっていたというボイルは8~9時の間だったらしいので休み休みキャストして魚の出没を待つ。

7:30ころ、goodbait社のダイビングペンシル”BnD”をポッピング(このルアーはペンシルと銘打ってあるがカップがあるのでポッピングも可能)させていると、小さな赤い魚影がルアーを襲ってきた。
どうせチギかアカマスだろうと適当に合わせて引いてくる。少し重量があるのでかかったのはきっとアカマス。いずれにせよ赤い魚は根魚なので、もたもたしていると根に入られてしまう。そういう意識があるので速攻で寄せると、いとも簡単に魚は足下まできた。
一気にリフトアップしたいところだが、足下までくると魚は急に岩石ように重くなり、全然浮いてこない。様子がおかしい。アカマスならばこんなに重量感があるはずがないのだが・・・。
魚は足下の左右3~4mくらいの範囲をうろうろしている。根魚だろうから隠れることのできる場所を探しているのだろう。だけれど残念、足下に隠れられるようなストラクチャーはない。
磯際にラインを擦られることだけを警戒し、なるべく体と竿を海側に突き出す。

するとラインが不意にススーと沖に向かっていった。
チャンス!
竿を思い切り煽り、ラインを回収するとリーダーが見えた。
ここまでくれば魚も目視できるはずだ。
しかし、赤い魚影を探すもその姿は全くみあたらない。
おかしい。魚はどこだ?

とその時、この目が視界の端で茶色い岩のような物体が海中で滑るように移動したさまを捉えた。
竿に力を込めると岩が停止する。
これは岩ではない!魚だ!!

さらに竿を煽ると”それ”が浮き上がってきた。
同時に”それ”は興奮したらしくみるみるうちに赤褐色の本来の体色を取り戻していく。
コクハンアラだ!それも大型!
この魚はその時の興奮の度合いによって体色を変えるのだ。

魚を取り込もうと磯の海面近くまで下りると魚と目が合った。頭が大きい。これでは私の大好物である兜煮にはできそうにない。残念。

リーダーを取り、波に乗せて魚を磯上まであげようとするが波の力が足りない。ルアーに付いているシングルフックはコクハンアラの上唇にチョコンと軽く引っ掛かているだけなので波に頼らず強引に引きあげようとすると口切れのおそれがある。
そこで、直近に置いてあったギャフを手に取り、先端をエラから口に抜いて引き上げた。ランディング成功。


磯に上がったコクハンアラをみて呆然とする。
でかい。
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全長は実測115cm。重量22.52kg。

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魚体の大きさの割に至極あっさりしたファイトだった。

地磯ではしっかり魚に針を掛けてしまえば大型魚のキャッチ率は良い。言い換えれば、ラインブレイク率が低い。
島の地磯は水深が浅く障害物も多いので一見すると大型魚などかかっても全然ファイトにすらならず、すぐにラインを切られそうなのでこれは意外な事実だ。

それがなぜなのか考えてみたのだが、もしかしたら地磯のような場所では大型魚はその能力を発揮しきれていないのではないのだろうか。

スポーツカーは法令を無視すれば高速道路ではマシンのスペックをフルに生かして200kmでも300kmでも速度を出せるが、市街地の小路では原付にすら遅れをとる。
これと同じく大型魚は自由に走り回れる沖磯などでは無双の剛力を発揮するが水深が浅く障害物の多い地磯では衝突の危険性が高まるためその潜在能力がかえって仇となりフルパワーを用いることができないのかもしれない。
以上は私の個人的な邪推だが、こういう風に考えないと地磯で比較的簡単に大型魚がキャッチできる理由を説明できない。
理由がわかったところでどうということもないのだが、これから地磯で大型の魚を狙おうと考えている人の参考程度にはなるかもしれないので、一応書き記しておく。

この魚は記録になる可能性あるので、記録申請用にその場で魚を保持した写真を自撮りした。これまで何度か記録を申請しているなかで得た教訓として、釣った場所で記録に残す写真を撮影しないと現場の臨場感が伝わらず格好悪いということがわかっているので、手間はかかるが必要な写真はなるべく現場で撮っておきたかったのだ。

魚を持った写真を自撮りするのは10年以上ぶりである。

撮影は難航した。
自分しかいない磯上で何度もポーズをキメるとなんだか虚しくなってくる。
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せっかくこんな思いをしたのだから記録に認定されるとよいのだが・・・。

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