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医療に携わる者として、今皆さんに伝えたい事 その2

これは、医療に従事する仕事をしております私が、医療現場において日々実践されている事をあくまで私の視点で独白し、記載するもので、特定の組織や団体の総意ではありません。




前回は、自身が〝感染者〟である可能性を否定しないよう意識して下さいと記載しました。


https://www.fimosw.com/u/Nekohige/nrt5m21epwvjps

今回は、皆さんが気になる「どのようにして防ぐのか。」を、〝医療に携わる者全てが気を付けている視点〟から独白していきます。




2.「家の外にある全てが〝汚染されている〟」と意識しなければならない。



※この表現にはかなり偏見と、医業種からくる「感染防止意識」がある事が前提となりますため、通勤時の電車で隣に立った人、配送ドライバーさん、職場、自宅に出入りする他社事業所の方々を「感染者」と見做せと記載している訳ではありません。


現在、WHOや厚生労働省においては、「新型コロナウイルス」は「空気感染しない」との見解を示しており、仮に、同じ空間に「感染者」が居たとしても適切な距離を取り、お互いにマスクをし、体液や飛沫、エアロゾルがかからなければ感染はしないと言われています。
実際、処置、治療を行うスタッフが感染していないのが証拠です。

我々は、空気予防策、飛沫予防策、接触予防策という3つの予防策で、自身や周囲のスタッフ、他患者に感染させる事を防ぎます。(これを標準予防策と言い、今回のコロナウイルスに限らず全ての患者に対して行っています。)

イメージとしては、ニュース映像で見る青いヘッドキャップ、アイシールドやフェイスガード、滅菌ガウン(その上に防水ガウンを着用)、グローブを付けている下図の6番目の姿です。


※引用 (株)サラヤ

基本的に、これらの着装品は1人の患者、若しくは1回の処置につき1セットを使い捨てで使用します。


スタッフやその着装品が媒介となり、院内感染を広げないための装備ではありますが、同時に、これは自身が持つウイルスを、患者に感染させないという目的でもあります。
実際、着用前と着用後は、必ず手指消毒をします。

え?
こんな軽装で大丈夫なのか?



※引用 防護服.COM


※引用 消防防災博物館HP

報道等で観ると、上の白い防護服でフェリーで処置や検査をしている映像がありますが、これは一回の作業時間が長く、感染者も不明な状況で、かつ、閉所での作業時に使用します。

下の防護服は化学防護服といって、感染経路が不明で、かつ致死率が非常に高いウイルスにのみ使用します。


感染拡大時や、経路がはっきりしなかった初期の対応についてはこれらを使用しておりました。

しかし、〝見えない敵〟の具体的な姿が見えてきた現在、標準予防策の徹底で我々医療従事者は感染する事なく〝感染疑いの患者の処置〟を行うことができるのです。


ただ、厄介なのが〝どこまでウイルスは生き残り、感染する力を保持するのか〟という点です。

処置や検査に用いた上記の装具は、先述した通り一回の使用で「感染性医療廃棄物」として廃棄します。

接触していなくとも、咳やクシャミから飛散される飛沫を浴びている可能性があるためです。

乾燥した飛沫核は感染力を失いますが、乾燥し切る迄の時間は飛沫の状態、空気中の湿度によって変わります。
(飛沫が大きければ大きい程、時間はかかります。)


一般的に、クシャミや咳をした場合、個人の肺活量もありますが、無風下で2m程の範囲でウイルスの飛沫は飛散しますが、エアロゾル状でも落ち、乾燥し、感染力を失います。

排泄物等の液状ではない、飛散したウイルスは、数時間で感染力を失う程ですから、決して強いものでは無いのです。

マスクをするのは、他者の〝飛沫〟を防ぐだけではなく、自身が「無自覚・無症状の感染者」であった場合、飛沫を飛ばし、他者を感染させない為にしているのです。(標準予防策と同様です。)



ただ、マスクも万全ではありません。

マスクを外したタイミングで、手指に感染力を保持したウイルスが付着していた場合、口唇部等粘膜に触れてしまうと…。

例えるなら、通勤で満員電車に揺られ、下車後手指洗浄をせずに喫煙、飲食をする行為が感染する危険があるということです。

頭髪はかなり厄介で、触る癖が付いている人は無意識のうちに触ってしまって、感染してしまう可能性があります。

そのため、徹底した手指衛生が重要なのです。


3密を避ける

マスクをせず、咳、クシャミをする人の風下に立たない。(接近しない)

不特定多数の人が触れる場合を触れない。

手摺り等止む無く触れなければならない場合、必ず手指洗浄を行い、清潔を保つ。


アルコール消毒液に拘る事はありません。
石鹸でしっかり時間をかけて、爪の間や掌の皺の間も洗う事が大切です。


消毒液が手に入らない場合、キッチ●ハイター、キッチ●ブリーチ等(商標登録された商品名の為、伏字です)を濃度0.5%程度に薄め、「次亜塩素酸酸ナトリウム含有水」にて対応可能です。
(※上記の消毒液は手指に吹き付けて乾燥させたり、金属部に吹き付けて乾燥させないで下さい。手指は荒れますし、金属は腐食します。)



麻疹や風疹のように空気感染するウイルスでなければ、感染コントロールは容易なはずです。

しかし、今回ここまで感染が広がってしまった背景にあるのは、「自分は大丈夫。」「この程度なら大丈夫。」という

個人の軽率な行動

行政の曖昧な指針

のように感じてなりません。

アベノマス●と揶揄する前に、確実なマスクの着用、徹底した手指衛生管理。

「汚染された世界」で生き残るには、最低限の争いだと思います。


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