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▼ 磯初心者必見!磯で困らないための10個のポイント 後編
- ジャンル:ニュース
- (#マルスズキ, #シーバス, #青物, #沖磯, #地磯の危険度, #水際は危険がいっぱい, #タイリクスズキ, #ヒラスズキ, #港湾部, #何かあってからでは遅い)
どうも。
4月に我が部に新人が2人入職するはずでしたが…、1人は出勤日当日に、もう1人は2日で退職するという正に鳩が豆鉄砲を喰らうような状況で、結果3人で連休を返上して5人分の仕事を当面こなさなければならなくなったネコ助です。(吐血
さて前回、前編にて〝最低限コレは守らないと事故に繋がる〟内容をタックルとからめて解説しました。
今回はその後半、フィジカル・メンタル面について記載していきます。
6.睡眠不足で長距離運転や釣りをしてはならない
何を当たり前の事を思われるかもしれません。
しかし、遠征直後というものは誰しも夢と期待がふくらみ、興奮して眠れないものです。
また、初日は朝マズメを撃ちたくなるものです。
そのため、現地に日の出前には着いて装備を整え、磯に行くとなると夜中の1時に家を出たりします。
仕事から帰り、夕飯を食べ、入浴し、タックルチェックしてから床につくのは何時でしょうか?
必然的に睡眠不足になり、そのような状態で現地に向かう訳です。
初日は耐えられたとしても、2日、3日と現地に居たら?
また、日帰りで帰るにしても、帰りはどのような状態になるかは…。
以前にも書いたことがありますが、海沿いの道はカーブが多いだけでなく、アップダウンも激しいです。そのため、一瞬意識が散漫になっていても事故に繋がりかねないのです。
実際、私が足蹴に通う南紀は、そちらこちらに急ブレーキで出来たタイヤ痕や事故の跡があります。
串本へ向かう道よりも、大阪方面に帰る側が圧倒的に多いです。
理由は…推して知るべきかと。
また、2、3日連続して釣りをする場合もそうです。
宿に泊まってゆっくり休めるならまだしも、車中泊を考えているなら、それが今回初めてだったとしたら
絶対に止めた方がいいです。
近年アウトドアがブームになりキャンプや車中泊が流行っているようですが、経験者の私から言わせれば
眠れません。
海沿いの国道は夜間大型トラックの通行が多く、少し道から離れていても振動や音が気になります。
また、人間という生き物は環境の変化に敏感で、慣れない環境だと疲れているはずなのに眠れないものなのです。
(そんな理由で私は父と相談し、共同で古家を購入しました。)
オーバーかもしれませんが、睡眠不足は判断ミスと動作の緩慢に繋がるため、事故回避の観点からも避けるべきです。
7.慣れない場所に暗いうちから近づいてはいけない
これも当たり前と言ったら当たり前なのですが、初心者ならやりがちな事です。
実際、ある程度周囲が見渡せる明るさになってから私が磯に行くと、それまでの状況が変わって慌てているのか波が被るか被らないかの場所に荷物とクーラー、磯に合わないショートロッドを持った初心者と思しきアングラーが、少しでも高く立てそうな場所を探して岩場の上をウロウロしているのを見かけるのは、私からすれば〝連休あるある〟です。
潮位や風向きで刻一刻と海況は変化するので、海底の地形や海に向いている面、沖の状況が予想できるようになるまで経験では3年は同じポイントに通わなければなりません。
(そういった意味でも、渡船で行く沖磯は安全が確保されていると言えます。)
もし、後から来たアングラーを先に行かせたくないと考えているなら、その考えは改めて下さい。
周囲の状況が解る明るさになってからでも遅くはないし、焦って行ったところで〝釣れる期待値〟より〝事故に遭うリスク〟の方が高いです。
実際、私が知るだけでもここ10年以内に南紀の地磯で、土地勘の無いアングラーがポイントに入ろうとして崖から滑落し、亡くなられた方が2名居ます。
人間は焦る時こそ、ミスをし易いという事を忘れないで下さい。
8.ニュースの風予報と波予報は信じてはいけない
これは経験則に基づきますが、波予報と風予報が当たる事は50%程度です。
例を挙げるなら、南の風3mと言っていたのに、現地に着いたら西の風10mの爆風だったり、波の高さ2mと言っていたのに、これもまた着いてみると5mあったりとまともに当たった試しがありません。
ただ、強風・波浪注意報だけはほぼほぼ当たるので、これが出た時は外洋に向いた海に行くのは避けるべきです。
繰り返しになりますが、外洋の天気や概況は刻一刻と変化し、10分でさっきと全然違うなんて事も多々あります。
これのどこが波高1.5mだよ…
慣れていない場所というものは、さっきまで波を被らないような場所であったとしても突然の高波が攫うような場所も解らないですし、波から逃げるにしてもどこに逃げたらいいかすら解らないでしょう。
しかしそれは地磯の話で、沖磯の場合は荒れるタイミングを渡船の船長が熟知しているため、事前に欠航したり、荒れる前に磯に回収に来てくれます。
自然相手ではデータや確率ではなく、経験や、その土地に生きる人間の生き物としての勘の方が上手く作用するという事なのでしょう。
9.家族に行き先の地名と渡る磯の名前は伝えるべし。
これは万が一事故に遭っても、少しでも早く家族に気づいてもらう事が目的です。
登山をする人なら解りますが、ハイキングではない本物の登山の場合、登山口にある投函箱や待機しているスタッフに「登山行程表」を提出します。これは、登山の行程を記載する事で、遭難時にいち早く捜索隊を組織し、救助に向かうことを目的とするもので、提出しなければ入山許可が下りない山もあります。
しかし、海には渡船の乗船名簿以外に記載するものはなく、仮に地磯だと行方不明になっても気付いてもらえるまでにかなりの時間を要します。
実際、沖磯では渡船の船長が渡した磯と人員を確認しますが、地磯だと仮に駐車可能な場所に車を停めておいたとしても、誰も所有者が行方不明になっているとは気付きません。
万が一行方不明になったとしても、行き先と磯の名前が解れば、捜索の役にたつ事があります。
遺体になっても家族のもとに帰りたいのなら、しておいて損はないかと思います。
10.怪我はするな、落水したら命は無いと思え。
南紀の場合、怪我をした場合土日祝に診療をしてくれる病院・診療所は3カ所しか無く、また、骨折等の重症だった場合救急車を呼んだとしても直ぐにこないどころか磯だった場合、海上保安庁のヘリを待つ事になります。
磯は思わぬ物で怪我をしかねないどころか、転倒し、深い痤瘡を負ったとしても自身で初期対応をしなくてはなりません。
動く所に関係の無い場所ならまだしも、手や顔面の場合自力で磯から上がり、車の運転をする事は困難です。
地磯はそういった意味でも危険度が高く、動けなくなる事が命取りになりかねません。
また、波に攫われたり、落水した場合も同様です。
ライフジャケットを着用しているから大丈夫という考えは安易で、落水したとしても波にもまれて捕まる場所の無い岩場では這い上がる事が出来ず、潮の流れが速い場所では10分も経たないうちに遥か沖に流されてしまいます。
仮に周りに他のアングラーが居たとしても、人を引き摺り上げるには困難で、また、二次災害を防ぐ観点からも安易には助ける事はできません。
磯に慣れたアングラーなら縄を持っていたり、自身が落水しても無理に這い上がろうとせず、上がれる場所を探し、タイミングを見計らって上がる事はできます。
私自身はサーフィンをしている事もあり、水温と気象状況によってはヘルメットを被り、ウェットスーツを着用しているため、これまで3度落水した初心者アングラーを助けた事があります。(うち2名がライフジャケット未着用)
逆に言えば、私がヘルメットにウェットスーツを着用するような状況でも、ライフジャケットすら着用していないような初心者が居るのも事実なのです。
これらのように自身しか磯に居なく、落水してしまった場合、仮にライフジャケットを着用していたとしても沖に流され、低体温症で意識を失い…。
こうならないためにも、落水や波に攫われるリスクを避ける事が魚を釣る事よりも何よりも大切です。
いかがでしょうか。
私自身、20ウン年磯に通っておりますが、何度も死ぬ思いをし、運が良く未だに大事に至っていないだけだと思っております。(ヒラタックル一式奉納した事はありますが。)
また、磯に行けば釣れると考える初心者は多いようですが、正直言うと
10回行って1、2回釣れたらいい方です。
高いガソリン代、高速料金を出して危険を冒してまでするのが磯釣り。
しかし、本当に怖いのはそんな海に取り憑かれてしまう事なのかもしれません。
- 2022年4月29日
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