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沖磯釣行 11/3

先日、知り合いの漁師から電話がかかってきた。
通話をする前から内容はわかっている。
この御仁からの連絡は100%釣りの誘いだ。

予想は的中。1人で磯に乗りたいというお客さんがいるから同礁しないかとのこと。


二つ返事で了承。
いつでも釣りに出掛ける口実を探している私からするとこの手の誘いはとてもありがたい。

船のトラブルがあり、予定とは違う艇での出船となったが、このあたりの事情は割愛。


今回の同礁者は元力士で海外でのダイビングインストラクターの経験もあり、現在はスポーツトレーナーという特異な経歴を持つ方。
ダイビングで南海の巨大魚に魅せられて、釣りに興味をもち、海外在住時に釣りを本格的に始めたというきっかけも、なんとも変則的。
私のような"小僧"にも慇懃に接してくれるのも、あるいはそれまでの彼の人生が平坦でなかったことをあらわしているのかもしれなかった。

自分と全く違う世界で生きてきた方なのでその話はとても新鮮で興味深かった。
島という閉塞的な環境ではこのような良い出会いは少ない。いや、思い返してみると島でなくともプライベートでの交友の範囲というのは存外狭い。
そのようなことを鑑みると様々な人と出会える端緒たりえる趣味をもつことは素晴らしいと感じた。

前置きが長くなった。
以下釣行記録。
結果から記載すると、釣果はない。



11/3
11月になると、いくら南国といえど早暁にシャツ一枚で港まで原付で向かうと肌寒い。

今回の釣行メンバーは遠征釣師で元力士のIさんと、島内から元遠征釣り人のKB氏、そして私の3名。

まず船はサワラ根へ向かう。
島の西面は海況良好。反面、東は荒れ狂っているだろう。風は北東から。

空には積雲が点在しているが、一日を通して降雨はなかった。

磯に到着後、同行2名は磯の西面を攻めているので、私はそれ以外の場所を順繰りに攻めることにした。

トラウトやヒラスズキのルアーフィッシングをしてるとよく分かるのだが、障害物周りについている魚のなかには、ルアーが"良いコース"を通ったときのみ反応する個体がいる。
沖磯での青物釣りは潮の通す場所でひたすら投げまくる釣りになるのは仕方がないことだが、個人的には入磯直後に根周りやなにかしらの変化がある場所を順打ちするのが密かな楽しみとなっている。

今回の"良いコース"はサワラ根北と北東部の根の間の水道だった。
ダイビングペンシルが根の際を泳いでいると黒い塊が水面を割って突進してきた。
魚の正体は中型のギンガメアジ。なかなか幸先の良いスタートだ。

少しポイントを休めた後、ミノーにルアーチェンジして本島向かいに投げ入れると大きな波紋を伴い魚がバイトしてきたが、食い込まず。相当な大物と推測されるだけに、針掛かりしなかったことが悔やまれる…と、思う間もなく次のキャストでヒット。
これは小型のアオチビキ。

その後、遠征I氏が1m強のカマスサワラを釣り上げるも、潮が上げてくるとサワラ根に留まることが危険になってきたので9:00過ぎに撤収。
このサワラ根は下げが良いとされるだけに、後ろ髪を引かれるおもいだが、安全は全てに優先するために仕方がない。

その後メガネ岩、二本岩と磯変えしたがルアーには反応という反応もなく終了。

ここまで本文中に記載のないKB氏は死にメアジでサメと戯れていた。

I氏に小笠原の磯の魅力を感じて欲しく、私もI氏自身も意気込んでいただけに今回の結果は残念だった。




この島の遠征者は団体でくることがほとんどだ。
単独で来るのには精神的にも金銭的にも相当にハードルは高い。初めてならなおのことだ。

それでもI氏はそのハードルを乗り越え、単独釣行を敢行しようとした(結果的には私達が帯同することになったが)。

大物釣りを志す者にとってこの地は誰しも憧れる場所だろう。
しかし、単独で島にきて本気で大物と向き合おうとする人は驚くほど少ない。
単独で来ることが出来る人とそうでない人の違いは一体何なのだろうか。

私が思うにそれは人生経験の差、言い換えれば物事にあたるに際しての覚悟の差なのだろう。


I氏のように人生のある期間、自身の全てを賭けて物事に当たったことのある人間には、安穏に日々を送ってきた者にはない"何か"をもっているような気がしている。
I氏は小笠原の磯に立ちたいという一心で、何のツテもない状態でこの地に乗り込んできた。このチャレンジ精神は人生のなかで戦った経験をもつものだけが獲得しえる"何か"の余薫であるのかもしれない。


気が合う人や付き合いやすい人はたくさんいるが尊敬できる人というのはほとんどいない。

強烈なチャレンジ精神を持ち続けることの出来る人は尊敬の対象たりうる。そのような人との出会いは財産だと思う。もちろんそれだけで全人格を肯定できるわけはないのは当然のことではあるが。

釣行翌日、東京に帰る客を満載したははじま丸を見送りながらそんなことを考えていた。





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