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上宮則幸

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第17回 いいこと

どしゃどしゃどしゃ~…
轟々濁々~…
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降ってない時に撮影しましたが、拾ってる間中土砂降りで川は大増水!

さぁて独り寂しく始めるか、と思いきや黒いワゴン車がやってきました。
ん?

なんと、宮崎から内之浦まで釣りに来られた方が帰りがけに参加して下さいました!
残念ながら写真NGでしたが、嬉しい嬉しい『いいこ』の登場でした!

2人で大雨の中釣りの話ししながら空き缶やペットボトルを拾いました。
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サンドバー上は連日の雨による増水で上流から供給された空き缶やペットボトルが無数に散乱しており、手の施しようが無い上にこの土砂降り…

一人だけだったら一袋で撤収するところでしたが、二人での作業だったので延長して二袋拾いました。

宮崎からのヒラ釣り師さんありがとうございました!!







カワヌベに纏わる話し

帰りがけの田圃道を走っていると、幅4mほどの排水路脇に雨の中投網を手に立ち込んでいる人がいた。
しかも背後の農道には車が数台並び、ギャラリーまで数人雨の中突っ立っている。
興味をそそられて、おれも車から降りギャラリーに加わるとするか。

そしたら挨拶しながら近付くおれにギャラリーの一人が小声で「足音立てるな!」と。

謝りながら近付き何を捕っているのか?と尋ねるとさっきおれに諭したギャラリーが鯉だと言う。
「兎に角黙って見てろ」と言うから、おれも皆に習い黙って観戦を決め込む。

投網を抱えている男は75歳ぐらいの老人。
もう今にも投げそうなほどに腰をかがめてひねり、腕は腰の後ろでしっかりと網を持っいるが、一見してその姿勢は凄くキツい姿勢だとわかる。
そして、そのまま老人はピクリともしない。
おれの帽子の先を雨粒が滝のようにボタボタ落ちる。
老人も同じなはずだが気にする素振りも見せない。
背中越しには見えないが険しい表情には違いない。

おれはどんな鯉が捕れるのかワクワクしながら老人を見つめるがその時は待てども待てども訪れない。

7~8分もたったころだろうか?このままいつまで待たされるのか不安になり、ちょっと興味本位で見にきた事を後悔して、動くとまた怒られてしまうから帰るに帰れないなあと身勝手な事を思い始めた頃、老人の左側2mほどの水面から5cmほどの小魚が一匹ライズするのが見えた。

おれは「今だ!」と、色めき立ったが、当然老人は投げない。
「なぁんだ…」とガッカリしたその瞬間、老人の腰が驚く程に素早くそして滑らかに回転して、力強く振られた腕から投網が放たれた!

空中で、恐ろしく素早くそして正確に、丸い蜘蛛の巣みたいに開いた網のその端部に取り付けられた錘が水面に降り注ぎ、直後にザーッと網が水面で飛沫を上げた!

老人はほんの数秒の間を置き、おもむろに縄を手繰り寄せた。



暫くの後、抱きかかえるほどの巨鯉があがった。
老人は網ごと鯉を抱えて水から上がり、おれ達の背後にある田んぼに向かった。
実は田んぼだと思った場所はどうやら休耕田で、苗は植えられてはいない代わりに満々と水が張ってあり、その水深は深く40cmほどあるだろうか?
そこからギャラリーのひとりが大きなフラシ網の枠を掴んで引き揚げた。
老人はそのフラシの中に今捕まえたばかりの巨鯉を優しく放した。
そしてフラシ網を更にグイと引っ張ると網の中にいる怪物達の姿が露わになった!

4匹いる。
一番小さなやつが80cmほど。
あとは全て110から130cmはある!
今捕った鯉が多分110cmぐらい。
おれは目を円くしてただろう(笑)
驚嘆の声が漏れたのは自分でもわかった。

老人が網を抱えていたさっきまでとは別人みたいな柔和な笑顔でおれを見て「こんにちは」と言う。
おれは挨拶を返したっけ?とにかく驚いて「このデカいやつは25kgはあるよ!」と叫ぶように言った。
緊張が解けたギャラリーも口々に「そいじゃきかん」とか「まこて、こいな太て鯉ち」とか好き好きに喋り始めた。

老人はフラシの中の一番小さな鯉の頭を掴み、慣れた手つきで鯉の頭に濡れた手拭いをかけて目玉を覆った。
一番小さいとは言え8kgはあるそいつを赤子みたいにヒョイと抱えた。
そして元の排水路の流れに返した。
鯉は目玉を覆われると大人しくなる事ぐらいおれも知ってる。
昔『釣りキチ三平』で読んだ(笑)
しかし、兎に角その老人は見ただけで玄人とわかる手慣れた手つきだった。

おれは改めて「こんにちは」と挨拶して三匹の巨鯉を皆と取り囲んで話に加わった。

老人をはじめ皆さん近所の人たちで、とある人に頼まれて鑑賞用の巨鯉を捕まえに来たらしい。
皆不思議とおれの事を知っていた。
「毎週、川のゴミ拾いやってる変わったヤツ」と言われて礼を言われた。

皆近所のお百姓さんで、趣味で昔から投網をやるらしい。
川の事、田んぼの事、魚の事、エビカニの事…色々たくさん興味深い話を聞けた。

老人が「何を釣っと?」

おれが「ススキじゃいば、カワヌベもたまに、毎晩川に来っど。」


老 毎晩や?

俺 じゃっど

老人の表情が一瞬曇った

老 命つ捨てんごしやいよ!

俺 気は付けちょいば、ないごて?


昔の話しらしい
老人やその友人達が若かりし頃の夏の楽しみの一つがカワヌベ捕り。
やはり投網で仕留めていたとか。
カワヌベは50年前も珍しい魚だったと言う。
市場に卸しても需要がなかったが、美味しい魚でもあるため網にかかれば近所中寄り集まって解体調理して宴を開き、余った肉を皆で分け合っていたと。

めったに捕れない代わりにとても大きく美しい魅力的魚だったからだろう、老人や仲間達は争うようにカワヌベ捕りに夜中川に通い始めた。

そして事故は起こった。

投網に掛かったカワヌベを揚げようとしてひとりが橋の上から転落して溺死した。

不幸はそれだけではない。

河口で流れの中で無茶な立ち込みをした者が行方不明になり、帰ることはなかった。

捕れたカワヌベを自転車に積んで川から帰る道中、まだ生きていたカワヌベが暴れて運転を誤り路肩の土手を転がり落ち障害者になった者がいた。


老 兎に角、のめり込んと命捕らるっで、気をつけやんせな。

俺 わかりました。

老 我が前がヌベに好かれたかも?ち思い始むっと危んねでね!(自分がアカメに好かれていると、思い始めたら危ないからな!)

俺 …



でもねぇ、もう遅いんだ




その他、初対面のおれに皆さん面白い事、為になる事沢山教えて下さいました!
ありがとうございました!
今後確認してみなきゃならない非常に興味深い情報もありました。

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これを鱸が上るのか?
梅雨明けが待たれる…

確率は低くていいんだ。
おれは新しいチャレンジを始める。







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