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▼ ベイトキャスティングの意
以前はバスや雷魚などのカバーを狙う釣り意外でベイトキャスティングリールを使う人は少なかった。
ところが最近は色々なジャンルのルアーフィッシングでこのベイトキャスティングリール用のロッドが存在している。
トラウトやシーバス、エギングなんかにも専用ロッドがある。
ベイトキャスティングリール、その昔は両軸リールと呼ばれていた。
スピニングとは違い正方向に糸を巻き取るリールには、チヌやフライフィッシングで使う片軸リール、タイコリールなんていうのもあるから、それらと差別化する為に、両軸と呼ばれたのかもしれない。
僕は殆どの釣りをスピニングタックルでやるからベイトキャスティングリールを使う事が年に1~2回程度しかないのだけれど、18歳くらいまでは、バスばかりしてたから、殆どの釣りをこのABUアンバサダー5500C(83年製)を中心に使っていた。
実はこのリール1台でも3g程度のルアーも28gのルアーも投げる事が出来た。
現代のリールの回転性能は素晴らしいけれど、僕にとっては、この1台が最初で最後まで最高のリールである。
ベイトリールの最大のメリットは、キャスティング時に発揮する初速のコントロール性能であると僕は考えている。
サミングで空中のルアーの速度を変える事が出来るって事である。
それはすなわち、着水時の落とし方を自在にコントロールできるところにある、ボッチャン!なのかパシャン!なのかポトリなのか、果てまたスパパン!!なのかをこちらがコントロールできるのである。
昔、クリアウォーターの湖でイワナを狙っていた時に、ある衝撃的な光景を目撃したことがある。それは、まだ空中を飛行してるミノープラグをイワナは追いかけ、着水と当時にヒットしたのである。
その時から僕は、キャスティングで飛んでいるルアーも演出が必要なのでは?と考え始めた。
魚に気付いてもらうように水面スレスレの弾道で投げたり、意図的に着水音を小さくしたり、大きくしたり。
そういう意味でベイトキャスティングリールを使う楽しみを見付けた。
それとダム湖でのスプーニングでカウントダウン中のアタリを逃さない為にも、本流でルアーをドリフトしながら、流芯で再度ラインを送り込む釣りにもベイトキャスティングリールは重宝した。
遠心ブレーキのみのシンプルなこのリールはこの25年で一度も故障した事が無い、いや正確にはフットのスポット溶接が一度剥がれたが再度溶接して補修した事があるくらいで、機械的な故障は無い。
昔のリールは重いし不恰好かもしれないが、頑丈で堅実的、無駄なものは何も付いていない。
投げ手の扱い方に素直、技量に比例した結果をもたらす。
そしてもう一つの選択が2500C(80年製)
僕の中ではトラウト用の一台、最近はバスでも使うことが増えた。
どちらも一切のカスタムやチューンはしていない、ハンドルをパワーハンドルに変えてあるくらいで、オイルとグリスアップのみで現在まで生き残っている。
厳密に言えば、これ以上のパフォーマンスをこれらに望んでいない。
それは25年使い続けても、まだ尚、これらのポテンシャルを100%使い切れていないからである。
20年前の僕と今の僕では明らかにキャスティングのバリエーションが違う、10年前の僕と今では、キャスティングのアキュラシーも明らかに違う。
釣りにおけるキャスティングの技術力は、一生涯成長できる。
古い道具を使い続けるのは、懐古趣味の戯れなどではなく。
真のキャスティングを体得したからに他ならないのである。
四半世紀の時間を共に出来る道具に出逢えた事を幸せに思う。
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- 2013年4月6日
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