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▼ 年々釣れにくくなっていることについて
- ジャンル:ニュース
普段は1枚の写真と簡単なルアー紹介にとどめている当ブログですが、今回は思うことを。(長文なので、時間が惜しい人は戻ってください)
村越正海氏の著書「初めての海のルアー釣り」(主婦と生活社)をたまたま本屋で手にしてから、スズキ釣りを始めてすでに30年ほどになります。現在のようにいつでもどこでも見られる動画によるHOWTOもほとんどなく(あっても数千円もするVHSビデオテープ)、釣具屋やプロショップで情報を得る。紙媒体で学ぶ。チームに加入する。等の方法で当時のスズキ釣り師は努力していたと思います。現在のアングラーに比べて、当時の私を含む初心者は全く了見が狭くほとんど釣れなかったと思うのですが、それでも現在よりは釣れる条件が揃いやすく、情報に頼らず釣り場に自ら足を運んでいればそれなりに釣れていたのです。
では、近年釣れなくなった、と言われる原因は何なのか。乱獲なのか、生存条件が厳しくなったのか、地球の温暖化なのか、それとも数十~数百年単位で増減しているのか。原因はあれこれ言われているかもしれませんが、個人的に長年スズキ釣りをやっていて明らかに釣れなくなったこととリンクしている事象があります。
その前に、私の居住している地域のスズキ釣りの条件について話します。大雨等の増水パターンは全国的にほとんど同じかと思うので省きます。まずは、メインのシーズンは10~12月の冬型の季節風が吹き荒れる時期です。まずは風が吹かないと話になりません。海岸線の水深は底が見える程度に浅いので、風が必要です。風が吹くと波が発生します。波は海岸線に打ち寄せてテトラポットや砂利浜に濁りとサラシを発生させます。
また、海が荒れるとイワシ等の小魚が海岸線に押し寄せられ港湾内に入り込んできます。濁った海の中はスズキのような大型魚が堂々と行動しやすくなり、回遊してきた小魚を自らの姿を濁りに紛らわせて思う存分捕食することができます。ですから、サラシができるような波風のある日は大波止の先端から小魚を追ってきたスズキをルアーで狙い撃ちするのが定番だったというわけです。
風が吹き荒れる日は、必ず海も茶色く濁っていたので、ゴールド系やレッドヘッドといったカラーのK-TENブルーオーシャンやザ・ファースト等のミノープラグを広範囲にキャストすれば結果は出せました。
しかし、近年釣れなくなったのは、温暖化で季節風の吹く日が少なくなっている(数日程度の差だと思いますが)だけでなく、大荒れでもなぜか濁らなくなったのです。濁りがない、ということが疑似餌にとっては不利な条件であることはお分かりのことと思います。海が茶色く濁る日は、風向きによっては千切れ藻が多すぎてルアーを引くのが困難なこともありましたが、そういうこともなくなりました。千切れ藻が多い時は、藻が流されていない方向を探せば結果を出せていたことも少なくなかったのですが。
濁りがない以上、スズキは沖に出て活発に捕食するのをためらうのか、近年はもっぱらスズキの隠れ家であるテトラ際のサラシや波止際ギリギリをタイトに攻めるのが定石です。私の場合、現在は飛距離を謳ったルアーよりも、至近距離でも確実にアクションするルアーを多用する傾向です。
さて、濁りは海底の砂泥が巻きあげられるのが原因だと思っていたのですが、それなら近年の濁りのなさは説明ができません。千切れ藻が多いということは、それだけ海底の植生が豊かだということだと思いますが、近年は海藻類の生育がよくないという仮説は立ててもいいかもしれません。海藻類の存在は幾多の生物が恩恵に預かっているわけですが、このことはつまり、私の釣りをするエリアの生物相が変化しているのでは、と思います。
そうなると、原因は温暖化による海水温の上昇も考えられます。ここ20年でどちらかと言えば低水温を好むクロソイは沿岸でもほとんど見かけなくなり、また船釣りでは胴突き仕掛けなどで50cm級もよく釣れていたのですが、こういった話もなくなりました。25年ほど前はワームを落とせば入れ食いだっただけでなく、11cmのシーバスプラグにも果敢に食いついてくるほど居ましたが、今その話を若い世代のルアーアングラーにしても誰も信じないでしょう。
また、暖流の荒磯のイメージがあるヒラスズキも、場所によってはマルスズキを駆逐しているかのように釣れるようになりました。もっとも、釣れてもせいぜい50cm以下の小型が中心です。昔は姿を見るだけでもレアな魚でしたが、今は珍しくもなんともない魚になりつつあります。
いろいろと思うまま書き連ねてきましたが、スズキに限らず他魚種も10年単位で変化はあります。例えば、小学生の夏休みの楽しみになっていたぐらいバスタックルで釣れていたカマスやタチウオは、あまり聞かなくなりました。アジングが大流行りですが、タックルの進化だけではなく、昔は沿岸に姿を見せなかったサイズが増えてきたように思います。もし、昔から30cmクラスが岸から釣れるなら、もっと餌釣りで釣られていたはずです。もしかしたら、数年後は釣れなくなる可能性はあります。ブリも岸から狙えるようになりましたが、これは近年養殖物の供給が安定していて、わざわざ漁獲する必要性が薄れてきているのではと考えています。秋になるとトローリングで青物を獲る漁船が多く見られたものでしたが、近年はほとんど見かけなくなっています。漁獲しないことが増えている一因かもしれません。
最後に、魚種による数の増減に関わらず、釣り客のマナーの悪さが原因で立ち入り禁止になる釣り場が年々増えています。また、観光施設の建設で、穴場的ポイントだった海岸線が観光地に作り替えられてしまったケースもどんどん増えています。このままでは、釣りができる環境の持続は難しいと感じています。だからといって、世間に問題提起し実行するほどの行動力は持ち合わせていませんが、今ある自然環境を受け入れ、感謝することは怠らないようにしようと思っています。

2013年のこの魚を最後に90cmオーバーは見ていません。
村越正海氏の著書「初めての海のルアー釣り」(主婦と生活社)をたまたま本屋で手にしてから、スズキ釣りを始めてすでに30年ほどになります。現在のようにいつでもどこでも見られる動画によるHOWTOもほとんどなく(あっても数千円もするVHSビデオテープ)、釣具屋やプロショップで情報を得る。紙媒体で学ぶ。チームに加入する。等の方法で当時のスズキ釣り師は努力していたと思います。現在のアングラーに比べて、当時の私を含む初心者は全く了見が狭くほとんど釣れなかったと思うのですが、それでも現在よりは釣れる条件が揃いやすく、情報に頼らず釣り場に自ら足を運んでいればそれなりに釣れていたのです。
では、近年釣れなくなった、と言われる原因は何なのか。乱獲なのか、生存条件が厳しくなったのか、地球の温暖化なのか、それとも数十~数百年単位で増減しているのか。原因はあれこれ言われているかもしれませんが、個人的に長年スズキ釣りをやっていて明らかに釣れなくなったこととリンクしている事象があります。
その前に、私の居住している地域のスズキ釣りの条件について話します。大雨等の増水パターンは全国的にほとんど同じかと思うので省きます。まずは、メインのシーズンは10~12月の冬型の季節風が吹き荒れる時期です。まずは風が吹かないと話になりません。海岸線の水深は底が見える程度に浅いので、風が必要です。風が吹くと波が発生します。波は海岸線に打ち寄せてテトラポットや砂利浜に濁りとサラシを発生させます。
また、海が荒れるとイワシ等の小魚が海岸線に押し寄せられ港湾内に入り込んできます。濁った海の中はスズキのような大型魚が堂々と行動しやすくなり、回遊してきた小魚を自らの姿を濁りに紛らわせて思う存分捕食することができます。ですから、サラシができるような波風のある日は大波止の先端から小魚を追ってきたスズキをルアーで狙い撃ちするのが定番だったというわけです。
風が吹き荒れる日は、必ず海も茶色く濁っていたので、ゴールド系やレッドヘッドといったカラーのK-TENブルーオーシャンやザ・ファースト等のミノープラグを広範囲にキャストすれば結果は出せました。
しかし、近年釣れなくなったのは、温暖化で季節風の吹く日が少なくなっている(数日程度の差だと思いますが)だけでなく、大荒れでもなぜか濁らなくなったのです。濁りがない、ということが疑似餌にとっては不利な条件であることはお分かりのことと思います。海が茶色く濁る日は、風向きによっては千切れ藻が多すぎてルアーを引くのが困難なこともありましたが、そういうこともなくなりました。千切れ藻が多い時は、藻が流されていない方向を探せば結果を出せていたことも少なくなかったのですが。
濁りがない以上、スズキは沖に出て活発に捕食するのをためらうのか、近年はもっぱらスズキの隠れ家であるテトラ際のサラシや波止際ギリギリをタイトに攻めるのが定石です。私の場合、現在は飛距離を謳ったルアーよりも、至近距離でも確実にアクションするルアーを多用する傾向です。
さて、濁りは海底の砂泥が巻きあげられるのが原因だと思っていたのですが、それなら近年の濁りのなさは説明ができません。千切れ藻が多いということは、それだけ海底の植生が豊かだということだと思いますが、近年は海藻類の生育がよくないという仮説は立ててもいいかもしれません。海藻類の存在は幾多の生物が恩恵に預かっているわけですが、このことはつまり、私の釣りをするエリアの生物相が変化しているのでは、と思います。
そうなると、原因は温暖化による海水温の上昇も考えられます。ここ20年でどちらかと言えば低水温を好むクロソイは沿岸でもほとんど見かけなくなり、また船釣りでは胴突き仕掛けなどで50cm級もよく釣れていたのですが、こういった話もなくなりました。25年ほど前はワームを落とせば入れ食いだっただけでなく、11cmのシーバスプラグにも果敢に食いついてくるほど居ましたが、今その話を若い世代のルアーアングラーにしても誰も信じないでしょう。
また、暖流の荒磯のイメージがあるヒラスズキも、場所によってはマルスズキを駆逐しているかのように釣れるようになりました。もっとも、釣れてもせいぜい50cm以下の小型が中心です。昔は姿を見るだけでもレアな魚でしたが、今は珍しくもなんともない魚になりつつあります。
いろいろと思うまま書き連ねてきましたが、スズキに限らず他魚種も10年単位で変化はあります。例えば、小学生の夏休みの楽しみになっていたぐらいバスタックルで釣れていたカマスやタチウオは、あまり聞かなくなりました。アジングが大流行りですが、タックルの進化だけではなく、昔は沿岸に姿を見せなかったサイズが増えてきたように思います。もし、昔から30cmクラスが岸から釣れるなら、もっと餌釣りで釣られていたはずです。もしかしたら、数年後は釣れなくなる可能性はあります。ブリも岸から狙えるようになりましたが、これは近年養殖物の供給が安定していて、わざわざ漁獲する必要性が薄れてきているのではと考えています。秋になるとトローリングで青物を獲る漁船が多く見られたものでしたが、近年はほとんど見かけなくなっています。漁獲しないことが増えている一因かもしれません。
最後に、魚種による数の増減に関わらず、釣り客のマナーの悪さが原因で立ち入り禁止になる釣り場が年々増えています。また、観光施設の建設で、穴場的ポイントだった海岸線が観光地に作り替えられてしまったケースもどんどん増えています。このままでは、釣りができる環境の持続は難しいと感じています。だからといって、世間に問題提起し実行するほどの行動力は持ち合わせていませんが、今ある自然環境を受け入れ、感謝することは怠らないようにしようと思っています。

2013年のこの魚を最後に90cmオーバーは見ていません。
- 1月16日 21:41
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