【東洋式疑似餌釣研究所　Ⅱ】夏を思えば

あの日焼けした笑顔と汗と笑い声は今でも心の中に残っている。

僕等の無限に広がる遊びの一つが釣りだった。

フナかクチボソだったか。

朝日が昇り日が暮れるまで釣りをした。

夏休みは自由の象徴だった。

何時しか大人になると時間に追われる様に成って行く。

それぞれの道がありそれぞれの場所がある。

永遠だなんて思ってはいないけれど。

突然、その時、別れはやってくる。

ひとり去り、ふたり去り。

気が付けば一人になり孤独に川に立っている自分が居た。

釣師は孤独である。

それが哀しい訳でも辛い訳でも無く。

そうする他は無かった。

つまりは孤独を選んだ。

釣師は孤独感を紛らわすかの如く釣りを続ける。

魚は噓はつかない。

真実だけがそこにはある。

魚は尊い。

太古の昔からの生活史の中で今も強かに生きている。

釣りを勝負だとするならば相手は魚ではなく己である。

それまでに積み重ねられた何かに褒章を求めるが如く魚を釣るならば。

そんなものの為に釣られた魚は可哀相だ。

そもそも純粋に魚を釣る事で良かったはず。

釣りに到達点など存在しないのだから。

立ち返る事。

それがきっと今の自分には求められている。

少し釣りを難しくし過ぎた。

もっと釣りを楽しみたい。

単純にそう思う。

今年も時間はあまり残されていない。

お盆が来ると川の中は秋になる。

水の中の世界は初夏までのそれとは違う寂しい風景が広がる。

人間の目線でそれを感じる事は難しいけれど。

着実に秋へと方向が変わる時期なのである。

あの夏を釣り忘れないように。

この夏をかみ締めて釣りをしたい。

そして皆様の釣りの安全を祈って。

2014年8月11日
コメント(2)

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孤独ですけど、生きるためには必要です
この楽しみと経験を次世代に引き継ぐ役目が私たちはあると思います
更に年配の経験者の方々もまだ精力的に活躍しているので
是非、頑張ってください

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2014年8月12日

GanKit

関根崇暁

福岡県

>GanKitさん
ありがとうございます、ぼちぼちのペースですが伝えて行きたいと思います。

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2014年8月13日

学生の頃、友人達と毎週末釣りに行ってたのを思い出します。
気が付けば皆、
良いパパ、ママになったりして、いつの間にか自分一人です。
自分もいずれは、区切りを付けようと考えてます。

今では「まーだやってんの？」「地球の裏側までいった？ﾊﾞｶだろｗ」と、
特異な目で見られる側になってしまいましたが、
独りで釣りしてる間、そこには自分だけのストーリーがあって、
寂しさを感じる事は無く、熱中できる物、または目標があれば、
人はそれだけで人生豊かになるのかな？と思ったりもします。

これからも、お互い良い釣りが出来たらいいですね。