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露の陽炎


早いもので、もう梅雨入り。
関西では観測史上最速なのだとか。

5月半ばでの入梅。
ジメジメが長くなるのだろうと考えると、いささか鬱陶しいのだが、寒い寒いと鉄球でも装着した様な、重い足を引きずって釣り場に向かっていた事を思えば、幾分身体も軽くなるというものだ。

梅雨と釣りを合わせた風景を、頭の中で描けばやはり渓流釣りが浮かぶ。
昔から釣りに趣いている人であれば、なおさらではないか。

私が徘徊している浜松周辺の渓のターゲットは、ほぼアマゴ。

諸説あるが、雨が降るとアマゴがよく釣れることから、その名が付いているらしいのだが、ロウライトであれば大体の魚はよく釣れる。

先日の梅雨入り宣言直後に、釣友と露の渓流に飛び込むことを企んでみた。

企むというのは、行ったことの無い川や名前も無いような、小さな沢川を地図とにらっめこして、探検してみようというもの。
こういった事は、単独では危なくて行動が億劫になるが、テンションの波動が同じ仲間と居れば、些少しかない勇者のハートが大きなソレを呑み込んでくれる。
とは言っても臆病心は常に帯同し、精神的にはバランスが必要になってくる。
精神疾患になりそうだ。

ともあれ、暗いうちから車を走らせる。
さすがに梅雨入りだけあって、どこか不安しか感じない雨の足が、車のボンネットを叩いていた。

山間部に入り、雨は多少大人しくなってくれた。
前回の釣行後に目星を付けていた渓谷をめざす。
薄暗い山道に落石だろうか、私の拳より少し大きい石がゴロゴロと転がっていて、普段からこんな道なのか雨の影響なのか、不安を感じながら奥地へと走らせ目的地に到着した。

雨に濡れながら正装に着替え、お気に入りのLimitedにラインを通す。
この時間は大事だ。


思っていたより細い渓だったのだが、入水して直ぐに、釣友がアマゴを釣り上げた。
この川にもアマゴが居るのだ!
情報のない源流域での嬉しい瞬間。
そして初めての渓流に期待が膨らむ。

魚影は確認できるのだが、場所柄、ネイティブ率は高くルアーを通すと2ターンでもう出てこない。

神経質な釣りが続く。

しばらく釣り上がると、人工構造物が出現した。
こんな所にも人の手が入っているのかと、感心と同時に何となくだが孤独感を和らげてくれた。
思いの外に構造物が大きく、水辺につくことが出来ず仕方なく横から登って上からキャストする。

一投目だった。

小気味良いアマゴのアタリ。
と思ったのだが、そこからマサカの強烈な走りに尺サイズが頭によぎる。

バレんなよ・・・・声にならない声が口から超音波の様に発射される。
これがもう少し下の里山ならば、コウモリにキャッチされる危険性がある所だ。
だが、実際に口から漏れていた言葉は、ヨシヨシヨシ×3くらいだった。
因みに、3回目のヨシヨシヨシの場合だけヨ~シヨシヨシである事は、気を付けねばなるまい。

ロッドの性能を信じて強引に引き寄せ、3mほどの高さから、ごぼう抜きをこころみた。
ライン0.4号リーダー0.3号であったが、無我夢中だった。
厳つい顔、美しい魚体。
一目でそれと分かる顎。
素晴らしい魚との出会いに感謝した。

私の名誉の為にも申し上げますと、我が家から一時間半圏内の渓流の魚影は濃くはなく、数も型も出ない。
だから尚更、興奮に値する一匹であり泣尺ではあったが、大変満足のいく魚だった。

興奮で帰宅後は、記憶が所々飛んでしまって、もしかしたら幻かと思えてきた。
足しげく渓流に入る私に、陽炎が摩利支天となって現れたのかもしれない。

今回も良い釣行だった。
生い茂る木々の露に濡れながら撮った写メの中に映る魚体。
記憶にあった僅かに残った朱点が、それが現実であると教えてくれていた。
yey5pioh5swjk682h92r-6b8db811.jpg


ロッド : fishman beams blancsierra                           limited

リール : abu garcia revo alc bf-7 

ライン : duel armardF 0.4
リーダー : premium max

ルアー : ARS








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