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軒下の鉢植植物たちの1つに、黒い斑点がみえる。
何かの糞かしら?
老眼が程よく効いた目で暫く観察していると、茎に擬態した小さなイモムシがウニョウニョと動く。
一匹見つければまた一匹と、目に映る虫のその数も結構なもので、葉っぱがボロボロになっていた。
今日まで全く気付かなかった。
葉より下の太い茎の所を指で折り取り除く。
さてこれをどうしたものか。
店の横の植え込みにファサっと置いて
そこでサナギになって頂ければお互いにとって幸せだ。
安易に放置した。

何気に数時間後に見てみると、アリ達のえじきになっていた。
自然界というのは、地獄のような世界だ。
何気なくやってしまったことが、処刑執行の舞台にいざなってしまったのだ。
私は果たして植物に感謝されるだろうか。

他の植物もやられているのではないかと戻ってみると、別の鉢植えの裏側にコクワガタのオスがたたずんでいた。
「おっ!コクワ」
健全な男子なら、必ずつぶやくハズだ。
そうでない人は、よっぽどの変態に違いない。私とは仲良くは出来ないだろう。
人は見た目では分かりにくいので気を付けねばならない。

私の店の前には公園があったり林が
あったりと、生き物にとっては環境がいい。
こういった虫の成虫たちは、夜のライトに誘われて社交会を開く。

夜の深い内に林には戻らずに、さも深酒をあおり渋谷駅周辺でもみくちゃに酔い潰れている中間管理職のオッサンのように、朝方居残り組の虫達をよく見ることが出来る。
クワガタ等は益虫というワケではないが、微笑ましく放置した。

翌朝見てみると、まだ居た。
弱ってるのかと思い、ティッシュに砂糖水を湿らせ与えてみた。
少しは元気になるのかしら?
暫くするとコクワの姿はもうなかった。

同じ虫なのに、なんという扱いの格差たるや。
令和の世で、チョイとしっぽを掴んで投げ捨てる様に、無下に虫などを殺してしまったりすると、何処から叩かれるかわかったものじゃないが、ホームセンターには殺虫剤が売っている。
おかしな世の中だ。
クワガタは可愛がられ、ゴキブリは殺す。
こうした不条理も生態系の頂点である人間のさじ加減ひとつで決まってしまう。
いつかしっぺ返しがくるのではないかと心配だ。

リーリーリリーだったり、ジーだったりピロロローなのか、はたまたコロコロコロと何種類いるのかは知らないが、夜な夜な羽虫が身体を震わせ始めると、私のスズキ釣りが開幕する。
ワケのわからない時間にロッド片手に家を出る。
女房の横目を何気なくスルリとかわしながら、またいつもの変わらない秋がやってくる。

時折強いバイトにソコソコのサイズを予感する。
「あの時のコクワガタです」
クワガタの恩返しを期待する。
人間の業なんぞを反映した、とっくに言い尽くされコスられた、そこらに転がっている安っぽい小話。
そんなものが、ごちゃごちゃと群がり寄せ、とりとめの無い妄想となってフワリと頭をかすめる。
ネットにすくってみれば、たいしたサイズではない。

どうやら砂糖水ではランカーとは釣り合いが取れないようだ。
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