岸ジギ、ロッド比較(インプレ編)


私は商社という業種で仕事をし、顧客にアドバイスをしながら物を売っている。

商品を紹介する際、必ず長所と短所を洗い出し、それを伝えた上で納得して貰ってから販売する。

理由は単純で、購入後に「こんなはずじゃ・・・」と言われるのが嫌だからだ。

当然、良い事ばかり言って、横からかっさらっていく商売敵は多い。

が、それでも、そのポリシーは曲げない。

それによって、金では買えない「信頼」が得られるからだ。

まあ、単に一番売りやすいのが「恩」ってだけなんだけどね(笑)


現在私は、ティムコ社のモニターをやらせて貰っている。

モニターとは、広告宣伝マンの事。

本来ならば、良い事だけ書いて、一般消費者の購入意欲をアップさせるのが役目だ。

ただ、元来の性格上、それは出来ない。

なので、モニター切られてもいい覚悟で、これまで同様ありのままを書いていきます。



さて、先ずは端的に、HSとJJの長所を挙げていきます。

つまり、短所はその逆って事ね。

JJ
・魚信感度
・パワー
・手の負担
・魚の乗り
・対重量
・アキュラシー

HS
・ハンドリング
・ロッドワーク
・軽さ
・着底感度

判断微妙
・対バックラッシュ



では、使用状況を併せて、その理由を。


先ずは竿の保管から家を出るまで、これはHSの圧勝(笑)

やはり2ピースだと、置き場にしても運ぶにしても、気を遣わずに済む。


いざポイントに着きスタート。先ずはフォアキャスト(自分の場合は、水に向かって左側に進む場合)。

手前に高めの柵はあるが、正直それ程邪魔にならずに撃てる。

で、この時は、JJのリアグリップが二の腕に当たり、ジグの重さを受けてくれる為、非常に快適。

また、30g程度だと竿先が殆どブレないので、落としたい場所に楽に落としていける。

試しに60gまで使ってみたが、手への負担も併せて30gジグと同等に扱える。

大袈裟ではなく、ジグの重量を感じさせないのだ。

この部分までは、JJの優位性は揺るがない。


が、落とし始めると、一つの問題点に気付く。

これまでと同じキャスコン/ブレーキ設定だと、明らかにJJでバックラッシュが頻発する。

理由としては、多分マイクロガイドだろう。

いくらベイトリールでも、糸癖はついている。

放出時にスパイラルしているのだが、それがガイドへの抵抗となって、適度なブレーキになっている模様。

JJの方が明らかにフォールスピードが速い事からも、それが言えると思う。

その為、多少の癖でもスムーズに出て行くJJの場合、僅かに落下速度が変わっただけでバックラッシュする。

そして、着底感度。

障害物(貝やらブヨブヨ君)に引っ掛かった際もそうなのだが、フォール最中もロッド先が負けてる(?)HSの場合、何かに当たればロッドが戻る。

その為、竿の戻りの分しっかりと手に伝わり、スプールを押えるタイミングも取りやすい。

この点は、JJの場合に若干ブレーキを効かせる事で対処出来るので、判断微妙とした。


次に魚からの反応があった場合。

これまでは「サーーー(ジグのフォール)・・・グンッ」という感じだったのが「スーーー・・・ビンッッ」って感じ。

明らかにフォール中のノイズが少なく、そしてバイトがしっかりと伝わる。

ノイズに関しては、多分マイクロガイドの問題もあるのだろうが、ブランクス自体が圧倒的に違う。

お陰で、これまで絶対判らなかっただろう「絶対に乗りそうもないバイト」が判ってしまい、ストレスにもなるが(笑)

いざフッキングとなると、これまではロッド全体を持ち上げる様なフッキングが必要だった。

キャスティングと違いバイトエリアが真下な上、ロッドの支点と作用点が一緒なので真上に上げないとストロークが稼げない。

JJは、その時点で二の腕にリアグリップが当たっている為、そこが支点になってくれるので、少ない動きでロッド先は大きく動く。

またフッキングの際、HSは2ピースの先側だけでベンドしていた感じなのだが、今度は全体的にベンドする。

2ピースの宿命だろうが、先側と元側の硬さが余りに違う為、先側が負けてる感がありあり。

その為、パワーが相殺され、フッキングが甘くなってる感じがある。

JJはパワーがある上に、ベンドカーブも綺麗なので、そのまま力が伝わるし、しっかり胴に乗る。

いざファイトの時も、リアグリップの恩恵は計り知れず、余裕を持ってやりとり出来る。

突っ込まれても手首が全然痛くならないし(笑)、魚を止める事だけ意識すれば、勝手に浮いてくれる。

まあ、初めはパワーが判らずに、魚が吹っ飛んだんですけどね(爆)

ジグのシャクリにしても、やはりリアグリップのお陰で、非常に楽。

何がって、一番判り易いのが、これまで引き抵抗が強くて使わなくなってたシーライドが苦にならなくなった事(笑)

シャクる分でストロークを使ってしまっていたHSと違い、リフトで食ってもしっかり乗る。

この点でも、やはり専用品に分があるのだろう。

霜田さんが飲み会の帰りしな、「絶対的な自信がありますから!」と言っていたのが、良く判った。


とまあ、これまではJJの良さばかりが目立っているが、ここから問題勃発。

行きに撃つなら帰りも撃つが、帰りはバックハンドキャストになる。

オープンな場所ならば問題はないと思うのだが、ここでは欄干がある。

すると、撃てないのだ。

仕方なくリアグリップを二の腕から外し、上(顔側)に出してからキャストし、腕を伸ばして竿を回すようにして戻す。

回すにしても、欄干があるのでそこにぶつかる事もあるし、服に引っ掛かったりする。

毎回これをしなきゃいけないので、結構苦労する。

勿論その際は、腕が伸びてる上に重量が全て手に掛かるので、負担倍増。

そして、その最中にバイトが出た場合、全く対応出来ない。

リアグリップが上にあると、そこが邪魔になって肩や腕に当たり、全くストロークが稼げないのだ。

このせいで逃したバイトは2回・・・これまでなら、絶対にヒットしていたバイトだ(泣)

これを解消するには、左手キャストにするか、バックキャストにするしかないだろう。

この点で言うと、やはりバスロッドのハンドリングの良さが目立った。



とまあ、実釣1時間ちょいだが、こんな部分が判りました。

ポイントの特性もあり、どちらにも優劣が出ました。

が、元から「お日様の元で、気持ちよく釣りが出来る」という不埒な理由からスタートした岸ジギ。

その目的からすれば、手への負担が著しく軽減された事からも、良い買物だったかと。



色んな意味で快適性を求めるならば、買いですぜ(笑)

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