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ロッド開発の裏側~シークレット その1

  • ジャンル:日記/一般
こんにちは。ピュアの清水です。

今回はアングラーのトモ清水ではなく、ロッド開発者、清水として書きたいと思います(笑)

KR-Xシーバスについても、前回ログは抽象的な話でしたが、可能な限りより具体的なコアな紹介も少しずつしていく予定です。

さてフィールドテストもさることながら、デスクワークにも追われるわけで。

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身を削って、家族をも犠牲にして頑張っている!?

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デスクの周りも、開発中のロッドなどでバタバタ。

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これでも整理しているのだが...
竿の林を通り過ぎて、デスクの周りは竿の森が広がりつつありますww

ちょっと仕事の息抜き、気分転換として、このログを書いています。

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まずちょっとロッドの核となるブランクスの話を。

その材料となるカーボンの種類は、数えきれない程あります。
4軸カーボンひとつとっても、様々な種類があったりします。

弾性率の違い、レジン(樹脂)の含有率、マテリアル(カーボン、グラス、ボロン、チタンファイバーなど)、シートの厚み、織りクロスパターンなど、種類はさまざま。
それらの組み合わせで、ひとつのブランクスが出来るのだが、組み合わせパターンは、実に何万通り。
シートのカッティングパターンや貼り合わせパターン、マンドレルのテーパー設計、レジンコントロール、ラッピングテープ圧コントロール、ラッピングピッチの設定、焼成温度管理と挙げれば、切りがありません。
設計だけでなく、生産管理も重要なファクターとなります。

ロッド設計者は、様々な特性要因の中から最適な組み合わせをチョイスし、その釣り方にあったブランクスを設計していきます。
設計者としては、そこが腕の見せ所。非常に楽しいところでもあります。

前回ログで、カーボン技術は行き着くところまできていると書きました。
が、誤解して頂きたくないのは、基礎開発は既にかなり完成されてはいますが、このカーボンの何万通りのパターンの組み合わせを最大限、駆使すれば、まだ進化の余地は十分に残っているという点。

しかし、ここは各企業のテクノロジーの結晶となるので一般的には、ほとんどその詳細については公になることはありません。

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日本の繊維大手のひとつ「東レ」。
アメリカのボーイング社が、開発・製造する次世代中型ジェット機「ボーイング787」にも、この東レのカーボンが軽量化のために大量に使用されているのはご存じだと思います。

この写真は社外秘資料ですが、今はカーボンマテリアルもナノレベルで管理する時代に突入しました。

NR Composition Carbonは3M社のPowerlux 新素材を融合したカーボン
これもナノレベルでレジンコントロールされた最新鋭のマテリアル。
これもすでに採用し独自のロッドを展開しているのが、ABUのロッドです。


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さらには次回ブログで簡単に説明したいと思いますが、ガイドの設定、グリップの形状、マテリアル、ガイドのスレッド、カラーの決定など、後工程の設計を行います。ブランクスの設計が前工程とするならば。


私の場合は、設計もしますが企画者でもあります。
企画が決まれば、あとすべき事は9割決まると言われています。
ですので実際にその企画が重要となります。
設計に取り掛かる前に、まずは企画です。

突然ですが、企画力とは何でしょうか?

アイデアを出すこと?考えること?

いえ違います。本当の企画力とは、その企画したことを実行する実行力のことを指すのだと思います。

企画は、決してデスクワークからは生まれません。
実際にフィールドに出て、自分で感じ、たくさんのアングラーに耳を傾け、情報を整理し、最終的には魚を獲るための道具として、または楽しめるための発想でなければならないと。


感動は宝物

釣り人に夢を



大学を卒業したら釣り業界に入ってモノづくりをしたいと考えていた時から今日に至るまで、この基本的な気持ちは何ら変わりません。

自分の夢を実現するために、これからも実行力あるのみで頑張りたいと思います。

次回は、KR-Xシーバスを例にとって、設計の裏側を紹介したいと思います。


ピュア・フィッシング・ジャパン(株)プロダクト本部
清水 智一





 

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