ロッド自作の反省点

さて、これも備忘録がてらのログです。

今回ロッドを作ってみて、製作工程含めトータルで点数を付けるとしたら、60点かなぁ…と。

マイナス分は、当然の事ながら反省点な訳で。

今後の為、またこれからロッドを自作される方に向けて、私の二の轍を踏まないよう記しておきます。

用品であったり工法であったり、自分にとってマイナス点が大きかった物から書いていきます。



①スレッド

黒だけは絶対に買うべし

店に行った際、目の前に自分の大好きなメタリックブルーのスレッドがあったので、迷わず購入。

何も考えずにそれでガイド固定したのだが、作ってる最中は色味も良く、黒との相性も良かった。

が、いざ全てが終わると「あれ?」と。

何だか、すっげー安っぽい…

2~3周、ポイントで入れる分には良いのに、ガイド止めスレッド全てを色物にすると、竿までイロモノになります(爆)



②エポキシ

専用品を買うべし

ロッドビルドでエポキシを使う工程は主に二つで、「接着」と「コーティング」。

今回は全てを1つのエポキシ(接着用)で済ませてしまった。

ガイドの取付強度不足を心配し、それを補う為に「接着用の方が強いだろ」と思って使ったのだが、それが仇に。

1回でガッチリ固まるのは良いが、意図せずかなりの厚みが出てしまう。

接着剤であれば多用途なので購入しても損はないが、コーティング用も態々…と思われるかと。

ですが、使い勝手・仕上がり具合が段違いに違いますし、使い分ける事で無駄も少なくなります。

参考までに、ヘラで塗って余分を筆で吸い取る方法にすると、かなり節約出来ます。

逆に言えば、筆だけでやろうとすると、かなりの量を筆に吸われます。

バットガイド1ヶ所で0.4ml(主剤0.2ml+硬化剤0.2ml)あれば充分過ぎる位なので、使用量の目安になれば。


③マスキングテープ

シンプルに貼るべし

カサ上げ・マーキング・ガイド固定と何かと多用する。

その際、ズレを防ぐ意味で自分は2~3重に巻いて、且つ剥がしやすい様に端を折って使っていた。

まあ、それはそれで良いのだが、唯一やってはいけないのが「コーティング時」。

はみ出しを防ぐ為にこれを貼るが、その上で塗ると表面張力が働いて、その厚みでそのまま固まってしまう。

すると、剥がした後にくっきりと段差が出来てしまう。

特に折り返し部は物凄い厚みになってしまい、削るだけでも一苦労となる。

なので、基本1重巻きにし、エポキシ塗ったら即剥がすか、あくまでデッドラインとみて、その手前までで止めると綺麗に仕上がる様になります。

ついでに言うと、マスキングテープにも2種類あり、表面が滑らかなのとザラついてる物。

ホームセンター等のは滑らかなのが多いですが、ことロッドビルドに関してはザラついてる方が圧倒的に使いやすいです。



④ブランク

想定の1.5倍程度の硬さの物を買うべし

これは己の感覚頼みで失敗した典型。

というのも、実際にブランクだけで曲げた際は、それ程柔らかいと思ってなかった。

ところが、実際に竿を組んでみたら、フッキングが心配になる程の柔らかさ。

この原因は2つある。

一つは、グリップ。

ブランク自体はグリップ部が細いが(今回のは10φ程度)、グリップを付けると20φ位になる。

そうなると、その場所を持って曲げた際の力の掛かり方が全く変わるのだ。

細い方が力が入り難い→曲げた時に硬く感じる→テーパーは悪くない→これでいいや、ってのが原因。

それに加え、ガイドを取り付けると重量が上がる→振った時の慣性が変わる→竿ブレが大きくなる。

なのでブランクを購入する際は、その辺りも頭に入れた上で選択する必要があります。

カタログスペック上は理想的でも触ってみたら…という事もあるので、その辺りが難しいトコでもありますが。

マタギってメーカーのブランク、東京に置いてないかなぁ…



⑤ガイド

脚はやり過ぎ位削るべし

ガイドメーカーも推奨(必須?)しているが、市販品をそのまま取り付けず、脚の表面を削る必要がある。

理由はスレッドがスムーズに巻けるように段差を減らす為なので、端だけ滑らかになる様軽く削っておいた。

が、それじゃ全然ダメ。

角度が付き過ぎて、ガイドに掛かった糸がどんどんロッド側に落ちていく(爆)

ロッド側はガイドの1/3位までスレッドが来ているのに、ガイドには1本も掛かって無いという状況に。

メーカー曰く「強度は充分」との事なので、ガイドの真ん中位から脚の先までガッツリ削った方が、スレッド巻きが楽になります。



⑥フィニッシングモーター

既製品を買うべし

これね



手でクルクル回せば不要なのだが、コーティング用エポキシは硬化までに1時間以上掛かる。

流石にその時間中回し続けるのは至難の業なので、必然的に必要となる。

当初の私の様に接着用を代用すれば5~10分程度だが、ガイドが10ヶならば10回やらねばならず、トータルかなりの時間を拘束される。

なので嫌でも必要になるが、各部品を買って組み立てても、結局のところ3000円近く掛かる。

ロッドホルダー部は非常に考えられて作られており、これは他品で代用しない方が良いと思う。

となると、センター位置であったり取付加工の手間の方が大変になる。

これで差額が1万円近くあるなら別だが、2000円程度なので買った方が後悔しない。



⑦溶剤

燃料用アルコールを買うべし(要自己判断)

ロッド製作は粘着成分との戦いと言っても過言では無い。

エポキシは勿論の事、マスキングテープの粘着剤・使う人は仮止めの際の接着剤。

特にエポキシははみ出したり溢れる上に、放置すると固着するのでかなり厄介な存在。

なので、不要な部分はなるべく早くこまめに除去する必要がある。

その際は基本「エポキシうすめ液」なる物を使うのだが、これが少量の癖にそれなりの金額。

「容器代の方が高いじゃねぇか」と突っ込みたくなる様なパッケージ。

私の様な貧乏性だと、勿体ないのでケチって使ってると除去出来る物も出来なくなる。

そこでお勧めなのが「燃料アルコール」。

ホントは無水エタノールが良いのだろうが、このご時世入手が大変だし、あっても結構なお値段。

燃料アルコールはメチルアルコールが入ってるので、(危険性から)殺菌目的には向かない為、普通に出回っている。


そして何より安い!(重要)


うすめ液の1/5位の値段なので、ジャブジャブ使える上に入手も容易。

大量に使うから、綺麗に除去出来て仕上がりも良くなる。

筆もしっかり洗えるので(完全除去は難しいけど)、使い捨てにしなくて済む。

エポキシ自体の希釈には向かないと思うが、専用品を使う分にはその必要性は無いと言って良いので、これ1本あれば充分。


但し!


メチルアルコール自体は劇物指定されている程危険な薬品です。

エタノール等と混ぜられているので劇物指定から外れて簡単に入手出来ますが、その毒性はかなり強いです。

充分な換気が出来ない環境の場合は、使用してはいけません。

私は取扱資格を持ってますし、それに則した作業場があるので問題ないのですが、あくまで自己責任の元でお使い下さい。



番外編:店(笑)

ネットを余り見るべからず

ロッドビルド(部品ではなく)をネット上で調べていくと、ある2つの会社が目立つ事に気付くはず。

・ジャストエース
・イシグロ


youtubeにも製作方法をアップしていたりして、ド素人(私)には非常にありがたい。
(当然広告目的なので、全てを鵜呑みにしないで取捨選択する目は必要になりますが)

多分ロッドを作ろうとしなければ、一切知らずに済んだ会社でしょう。


・・・あれ?


「イシグロ」って、どっかで見聞きしたような・・・

確か一度、有頂天氏と待ち合わせした際「イシグロに居るから来て」と言われたような。

んで、当日行った際に「店見てから行きます?」と聞かれたが、普通の釣具屋と思ってスルーした記憶が。


失敗した(悔)


どうやらこの店、ビルドパーツが店頭に結構揃ってるっぽい。

多分私が好きだろうと思って、誘ってくれてたのか…知らなかった。

いや、パーツなら今回揃えた店にも結構あるが、やはり店舗面積の関係上絶対数は限られている。

それが大型店となったら…


ヤバい(汗)


この店、静岡県内に幾つもあり、移動中にも見た記憶が。

しかも暖かくなるまでは釣りしないので、夜は時間が有り余っている。

早くも仕事終了→イシグロ→さわやかのルートが想像出来てしまう。

緊急事態宣言の為、静岡出張に行けない状態ではあるが、解除されたら…


魔界への扉が開く音が聞こえる…


皆様も、ネットの見過ぎにはくれぐれも注意しましょう。




と、こんな感じです。

今後色々やっていく中で、更に気付いた事があれば追記していきます。

何かの参考になれば幸いです。

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