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上宮則幸

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BlueBlue Gaboz!!! 90でメーターシーバス


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最近の仕事場は山林の中。
長雨でグジュグジュだった地面は梅雨明けと共に徐々に渇き、少しばかり感じられていた木陰の冷気は地面から立ち昇る熱気に変わった。
山林を1歩抜け出し、林道を踏みしめれば干からびたミミズをアリ達が行列をなして運ぶ様をあちこちで見掛ける。
顎髭を伝いポタポタ落ちる汗は拭っても拭っても止まらない止まらない。
背中が痒い。
腰のベルトに着けた鉈の柄で背中を掻く。
汗疹の皮が剥けて痛痒い。
汗や泥やおが屑に汚れた眼鏡越しに空を睨む。
斑な雲と吸い込まれそうに青い夏が見える…
仕事中に肌に感じる夏はまた、あの川にも夏が来たって事を意味する。
仕事場に近い磯に毎日のように降りて竿を振っていたがそろそろ夏の川が恋しいのは、もちろんおれが川鱸釣り師だからだ。
肝属の夏は化け物鱸の季節。
どこにでも居るわけじゃないし、オープンにただただ投げ込んでいても、釣れるのは80クラスまで。
メーターを超える鱸に出会えるチャンスは無いに等しい。
じゃあどこに居るって言うのか?!



昨日の大雨後、久し振りに訪れた肝属はまだ若干の濁りを残してはいるが流勢が落ち着きつつある。
絶好のタイミングだ。
魚が差しているタイミングだ。

でもおれが藪を掻き分け入ったのは、肝属の中流へ流入する農業排水路。
幅は広いところで4m。
本流よりも先に水が落ちる。
そして、本流の水が落ちるまでの間、ここにハクが溜まる事を知っていた。
そのタイミングは丸一日あるかどうか?
水が落ちれば本流のシャローに散ってしまう。

目論見通りに排水路にはハクの姿が。
リプラウトで要所を撃ちながら釣り上がると、蛇行部分の淵に行き当たる。
コンパクトなキャストでポチャリと落としたルアーはBlueBlueのガボッツ90、クリアボラ。
僅かにテンションを張り、ガボッツが動くか動かないかのスロースピードで水面に引き波を描く。

とても控え目なバイトだった。
水面がモワンと脹らみ、ガボッツが消えた。
ワンテンポ置いてフックセット!
刹那、水面が激しく弾けて巨大な鱸の頭が現れた。
見た瞬間に『超えてる!』とわかるその頭が、まるでスローモーションを見るように飛沫の中で激しく揺れる。
同じ場所で10回近くもヘッドシェイクしただろうか?
モワンとだらしなく水面にそのドデカイ全身が伸びて浮いた。
そして重そうに頭を下にして潜る。
だが水深が浅く頭が底に支えてるんだろう、巨大な尾びれが虚しく水面を叩いている。
完全に巨体を持つ余している。
そして、相手は相当に年老いた鱸だ。

捕りたいのはもちろんだが、捕ったとしてもこの場所では水の流れが乏しく後の蘇生が間違いなく困難になる。
咄嗟の判断で強引に、流れの当たる場所まで下った。
魚は不思議と暴れず真っ直ぐに着いて来る。
余力の程はわからない。

流れの効く直線はすぐ近くだった。
水底に膝を着きその巨大な鱸を手繰り寄せた。
ヒット直後のヘッドシェイクで疲弊したのか老齢のためなのか?大した抵抗にも遭わずにおれはこの魚の顎にボガを撃ち込んだ。

捕った直後から蘇生にかかる。
撮影機材も準備。
圧倒される程に巨大だが、一見して老成魚とわかる。
鱗の欠損は殆ど無いが張りと艶が乏しい。
ブロンズ色の色褪せた魚体が醸し出す迫力と少しばかりの悲哀を感じながら魅せられる。

そうしているとうっかりボガを放してしまいそうになる程に鱸が身を捩った。

素早く撮影

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いったいどれだけ生きて来たんだろう?
そしてどれだけ生きられるんだろう…
再び流れに入れ、エラに水を通しながらボンヤリと思う。
今年の夏も出逢えた『宝』だ。

ボガを開放し深みに戻す。
狭い水路に相応しく無いその巨体に再び見とれる。

『宝』が夢だったガキの頃から、それを狙い撃てる程になった現在までの数十年を何となく回想した。
その結実みたいな釣り竿『Beams RIPROUT 』。
誰かの宝物になれたらいいなぁ…
そんな事を考えている間に大鱸は何処へと無く消えていた…


釣りって何だ?
『道』だ。
おれは生涯、釣り道を歩く。
宝物を拾いながら。















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