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▼ DAIWA STEEZ A-TW を一年使ってみて
- ジャンル:釣り具インプレ
超久しぶりのリールインプレ(笑)
昨年導入してからもう一年になるダイワのベイトリール、スティーズAだ。
ダイワのシーバスユースに耐える機種としてはハイエンドにあたると思うのだが、使う程に素晴らしさが理解でき愛着が湧く機械でしたわ!
このリールに際立つのは高いバーサタイル性と圧倒的剛性感なのよね。
まず、注目すべきスペックを列記すると
・TWS
・マグシールドベアリング
・ATDドラグ
・マグフォースZブレーキ、スプール
・超高剛性メタルハウジング
等だ。
・TWS
パカパカするレベルワインド。
巻く時
投げる時
クラッチに連動してレベルワインドが回転して、キャスト時のラインの擦れる抵抗を劇的に減らす機構だよね。
摩擦抵抗が減るとどういいか?
飛距離が伸びるのは誰でも想像できるっしょ?
でももっと凄いのは、遠投命の鱸釣りでは非常に厄介な、あのバックラッシュ野郎!あの野郎を減らす事が出来る!!
ベイトシーバス野郎って、ちょっとキャストに慣れた人ならガッツリ飛ばそう!と、ブレーキを緩めまくるっしょ?
で、ブーンと思いっきりキャストすると、スプールからアババババとラインが浮き上がり、バックラ!最悪スプールから高切れ。
まぁ、おれも散々経験あります。
バックラは飛んでるルアーの飛行速度の失速に対して、リールのスプールからのラインの供給量がオーバーして、スプール表面のラインにダブつきが出来発生するよね?
で、その際に弛んだラインがレベルワインドの穴の内側に詰まる(スタック)事がバックラをより助長するのよね。
さてTWSのキャスト時の写真を見て下され。
開口部が広くなり、スタックが起き難くなっているのは一目瞭然!
でも、稼働部が増えると壊れやすくなるんじゃないの?
釣行頻度も用途も釣る魚のサイズも…なかなかのヘビーユーザーであるおれはそれを懸念して、いいのは知っていてもなかなか使用に手が出なかったダイワリールだが…
ダイワ使い始めて3年目、一回も壊れて無いですからー!!
全く要らぬ心配して損したわ(笑)
ちなみに、わたしの住む鹿児島では年中火山灰が降ります。
降灰の中でも釣りするのが当たり前ですが、全く不具合を来した事などありませんね。
・マグシールドベアリング
要らんわい!と思ってました。
いや、間違いでした(笑)
ここ!この中央の金色の部品がピニオンギア。
このピニオンを支持しているベアリングがマグシールドになってる。
マグシールドベアリングはご存知だと思うが、海水が侵入しないためゴリゴリにならないんだって。
え~、ほんまでっか~?ここのベアリングは直ぐにゴリゴリなりまっせ~…と思ってましたが、まる一年使ったが全く問題無し!
非マグシールド機では年1か2で必ずゴリゴリになって交換していたベアリングなのに。
加えて、ピニオンの手前が円筒状になっているのが分かると思うが、それはスプールベアリングが納まるハウジング。
この構造も水をシャットアウトするのに貢献している点も大きい。
・ATDドラグ
まぁ、今まで触った小型ベイトリールでは比較対象が無い、ずば抜けて優れたドラグ。
滑らかに出るのにしっかり粘る。
はい!別格です!!
中堅機種ジリオンとは全く違う内部。
要所にオーリングのパッキンが施されている。
細工が細かいねぇ(笑)
でもソレが作動のスムーズさに貢献しているのが良くわかる。
ちなみにこれのドラグmaxは6kg!
シーバスで多用する3kg以下だけでなく、5kg付近でもスムーズさがしっかり維持されてるのは本当に凄い!
でもおれのはYTフュージョンの『ハイパーロックDワッシャー』で強化してるから8kgでも更にスムーズだけどね(笑)
あと、メーカーが意図したかは不明だが、前述のパッキンのオカゲで防水性もあるようだ。
水や塵が侵入しないからドラグ性能の長期安定にも繋がるだろう。
・マグフォースZブレーキ、スプール
ブレーキとスプール、セットで語るべきだろうな。
肝は、このスプールに着いてる金色の輪っか。
これインダクトローター。
インダクトローターがサイドプレートのマグブレーキユニットに納まる事で、スプール回転時に磁界の影響を受けてスプールの回転を抑えるのが普通のマグフォースブレーキ。
で、マグフォースZの『Z 』、何が違うのかと言うと…
前述のインダクトローターが、キャスト時にスプールからビヨーン!と飛び出して来る。
すると、インダクトローターがよりブレーキユニットに深く入り込むわけだ。
つまり、磁界の影響をより強く受けてより強いフォースを生む。
インダクトローターはキャスト初期の回転が早い時には飛び出しが多く、回転が遅くなるに連れ飛び出しが少なくなっていきやがて完全にスプールに収納される。
つまりですよ、最もバックラが多いリリース直後はガッツリとブレーキが効いて、次第にブレーキが弱まりキャスト後半には伸びが生まれるわけだ。
これ、スッゲー気持ちいいよ!!
ブレーキのダイヤル設定次第では、肝心な所はブレーキに助けられてる感もありつつ、後半ブレーキが抜けてから、腕次第だけど微妙なサミングで更に飛距離を伸ばせる!なんてマニュアル感もあり、キャストが楽しい!
また、まだ不慣れな方はダイヤルの数字を15以上にすれば着水時のサミングすら必要無いオートマ的なセットも出来る。
メカニカルブレーキは一切触る必要無く、マグダイヤルだけでエキスパート向きにもエントリーユーザー向きにも簡単に設定出来るのは、マグZの凄いところだ。
まぁ、変態的欲を言わせてもらえば、もう完全にノーブレーキが可能になれば…いや、やっぱいいや(笑)
あ、スプールのラインキャパもちょうどいい感じだった。
PE2.5号が140m、2号が160m、1.5号が200m入る。
・超高剛性メタルハウジング
これ、フレームもギアボックスもパーミングプレートもアルミで出来てんだぜー!
カルコンとか丸型リールの巻き上げが凄くダイレクトで力強いでしょ?
丸型はだいたいがフルメタル。
スティーズAもそのフルメタルボディ。
だったらスティーズAも重いんでしょ?って思うのは自然だ。
おれもそうだった。
でも実際は190gといたって軽量!
スピニングユーザーがこのリールでシンペンを引けば多分ビックリするだろうな。
ルアーのスイング、潮流の変化、バイトの前触れ…
ハンドルノブからの情報量が半端無い。
超高剛性メタルハウジングの恩恵!
さて、長々書いてきたが、まだまだ書き足らない(笑)
スティーズAを使うまでのおれのメイン機は…ベンダにジリオンTW、リプラウトにはジリオンSV TW、マリノには…と言う感じでアレコレ使い分けていた。
ところが、スティーズAを使うようになると、ベンダにもリプラウトにも最近発売されたクローラにもスティーズAを合わせていて、挙げ句に磯ヒラプロトの113にもセットするようになってしまった。
よく以前は、ベンダには36mm径以上のリールをセットして下さい!と、ユーザーさんにも薦めていたもんだが、スティーズAは34mmと、小径だ。
え~!と、自分でも思う(笑)
確かに、ベンダだと36mmのジリオンTWを合わせた方が飛ぶ。
しかし、バックラがジリオンの方が少ないか?と言われれば、理論上はそうなんだろうが、実戦ではスティーズAも何も不都合は感じない。
TWSとマグZのアンチバックラ相乗効果で快適そのものだ。
で、たまにベンダでサスケSF 95とか小型プラグを投げる場合には明らかにスティーズAが飛ぶ!
アレコレ快適に使える幅はジリオンTWより明らかにスティーズAに軍配が挙がる。
リプラウトには以前はジリオンSV TWをセットしていたんだが、これもスティーズAになってしまった。
リプラウトはご存知の通り、川幅20~40mのシチュエーションをメインにしたピン撃ちスペシャリストだ。
7gのライトプラグも扱えるが、普段使用するのは8g以上でメインは15g前後だ。
すると、全然問題無くスティーズAの守備範囲になる。
例えば10g以下のルアーがメインの釣りならば、迷わずジリオンSV TWだ。
ライトプラグ使用でのSVスプールのアンチバックラ性とアキュラシーは抜群だ。
だけど、10gもあればスティーズAのマグZスプールはものともしない。
それに加えて、スティーズAのドラグ性能の良さが光りまくる!
上流域の元気なランカーシーバスを相手にするには3kg~5kgの負荷で安定したドラグ性能が求められる。
ジリオンのドラグが悪いわけじゃない。
ただスティーズが飛び抜けているんだ。
前述の様々なロッドに合わせて使ってみたが、もう1つ大きなポイントがある。
このリール、凄く小さい!
同じTWS登載のジリオンを見ると結構前後長がある。
左がスティーズAで右がジリオンSV TW、両者とも34mmスプール機。
ボディーはジリオンぐらいあった方が…と、思っていたのだが、いざこの小さなスティーズAを使ってみると全く考えが変わった。
パーミングしたままのロッドアクション時の操作性がまるで違う。
小さなスティーズの方が断然アクションさせやすい。
そして、ロッドからのバイトが取り易くなる。
ベイトの欠点は、ロッドからのインフォメーションがスピニングより断然少ない事だ。
竿とリールを一緒に握り込むために接点が太くなり、ロッドに入力された信号が分散されるからだ。
小さいリールは握りがより小さくなり、入力の分散がそれだけ少なくなる。
ファイトの時だけは、ガッツリ握り込めるジリオンのボディサイズが頼もしいが、それに至る全ての場面で小さなボディが有利だ。
そんな感じでおれはスティーズAをリバーシーバスフィッシングのあらゆるシチュエーションで愛用しています。
このリールをオススメしたい対象は、ベイト初心者。
おいおい、いきなり初心者にハイエンドかよ?って思われるんだろうが、結局後の事を考えると安上がりなんだ。
例えば最初の一本にベンダ買った後で、おやベイト楽しいぞ!とクローラ83も買うとする。
最初でベンダにジリオンTWを買ったとしたら、クローラ83にジリオンTWはどうだろう?
15g以上しか使わないなら全然アリだが、ベンダを既に使ってる人が15g投げるためにワザワザクローラ買う筈がない、だってベンダとジリオンTWで15gなんか全く不満無く快適だからだ。
むしろ、それより軽いルアーをやっぱ使いたいんだろう。
すると、ジリオンTWで8gは、まあまあ苦手だ(笑)
よっしゃそれならジリオンSV TW買うか!ってなったら出費は六萬円だ。
スティーズAは四萬円だ。
そりゃあ安くはないが、1台で両方にマッチするなら安い気がする。
でもねぇ、結局みんな何台も買っちゃうんだけど(笑)
色々使った方が楽しいし。
ただ、おれが色々使ってきた中で、最初の1台に最も相応しいと感じたのがスティーズAだと言うのは力説しておきたい。
間違い無く後悔はしないはず!
最後におれが合わせているラインの紹介。
最近発売された山豊テグスのFAMELL ショアジグ8の1.5号だ。
あれ?と思う方も多いだろう。
8ブレイド?4本のレジンシェラーじゃないんかい?
いや、もちろん皆さんにオススメするのはレジンシェラーの2号です。
4本編みでハードコーティング系ラインがやはり安心感もあり使い易い。
最近愛用のこの8本編みのショアジグ8のはやはりレジンシェラーと比較すれば擦れにうんと弱い。
軽いバックラッシュでも致命的な傷が入り、最悪高切れします。
しかも1.5号。
それでもわたしがショアジグ8を導入したのは4本より8本の方が真円度も高く水切れがいいため、ラインメンディング性に優れているためです。
加えて号数を抑えているのはもちろんラインメンディングと、あと感度向上のため。
でも、バックラしてたら使いものになりませんよね?
それが、TWS とマグZ 、アンチバックラ2大性能登載のスティーズでは、普通に使えています。
もちろん、ブレーキ設定には気を使いますが、ちょっと安全マージンを確保した設定で挑めば、全く問題無くフルキャスト可能です。
ブレーキを強くしてしまえば、飛距離をスポイルしそうなもんですが、細い糸はスプールが痩せ難い分飛距離も伸び、結果レジンシェラー2号と同等に飛ばせてしまいます。
オカゲでベイトのデメリットであるロッド感度のスポイルもかなり改善できています。
細糸ですから、ラインのもちが悪い点はありますが、絶対感度が必要な条件で、腕に自信があればトライしてみるのもベイトシーバスの新たな楽しみに繋がると思いますよー!
- 2018年6月20日
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