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▼ Foojin’Z再び
Foojin’Zね、Foojin’Z…。
なんか久しぶりに聞く名前だ。前モデルはいつだったっけか…。天井を見上げる(自宅のRED部屋は天井につっかえ棒を渡してロッドを置いている)。
Foojin'Z93MLX フロウストライカーのサンプルロッドの本数を数えてみる。
すると実に12本もあった。またゼータをやるのか…こりゃメンドクサイことになるな。
コレ、正直な感想である。
『今回は誰のモデルとは決めないでロッドサンプルを進める』
っという話だったのだが、送られてきたサンプルは3本。811LX(The Dusk)と93MH、108M(Mindcrime)の三機種。
あー三機種も…。
眩暈がしてくる。ケツはいったいいつまでなんだ!?
ちなみにThe DuskとMindcrimeは私が提案したモデルだ。
The Dusk 811LXはマイクロベイトパターンに特化したモデル。
ハイドロスリム100やらハイドロ55、ポジドラのスィングウォブラーやらその他、50ミリクラスのプラグ類を使った春のハクなんかのマイクロベイト、アミ、バチなんかに使用する専用のモデルだ。話は逸れるが、ポジドラの方でアーバン向けのルアーをチョコチョコやる機会が多く、久々に都内で釣りをする機会があったのだが、これが案外面白い。アーバンフィールドのマイクロベイトパターンに重点をおきつつロッド開発を進めれば、利根川、涸沼あたりの春~初夏に対応できるロッドになるはずだ。
Duskの意味は夕闇。
夕目詰めに狙うバチパターンを意識したコードネームだ。
Mindcrime 108Mはヘビー級ルアーの超遠投を前提としたモデル。
そもそもFoojin'シリーズのコンセプトは‘飛距離’であることをご存知か??飛ばすことこそFoojin'シリーズの根本原理であり、この軸を外すとFoojin'がFoojin'で無くなってしまう。その飛距離を最大限に引き出すためのモデルがこのMindcrimeである。そもそものコンセプトビルディングのベースにしたのは筑後川でのエツパターンのシーバスゲームである。この大河川で優勢なのは実に流心の100~150mラインで発生するボイルを狙う釣りだ。
とにかく飛距離。
速い流速の中でトップレンジを引けるルアーに、最大限の飛距離を稼げるロッドが不可欠の釣りである。
10年通ってスウィングウォブラー145Sを開発したが、あとは絶対的な飛距離を出せるロッドの開発が悲願だ。60g近いウエイトのルアーをとにかく飛ばす・・・っと考えるならベイトよりやはりスピニング。今まで多くのプロアングラーが筑後川での釣果を夢見て挑戦してきているが、飛距離の壁に撃沈するケースが非常に多い。そりゃそうだ。このフィールドに挑むにはそれ相応のルアーとタックルが必要だからだ。私は10年間もの間、このフィールドに向き合ってきたのだ。正直、簡単に攻略されては困る。このロッドは筑後川を始め、利根川、阿賀野川といった大河はもちろんのこと、ゴロタやサーフで死ぬほど飛距離が欲しい・・・っといった釣りにはコイツしかないだろうというロッドを造るつもりである。
あ、名前の由来は‘知能犯罪’。スウィングウォブラーを使ったトップウォターの釣りなんてズバリ知能犯罪みたいなモンでしょうが♬(クスクス)
っと散々自分の提案したモデルについて紹介してみたけど、
実際に先んじてテストに取り掛かったのは93MHである。
実のところ、遠征先のリバーゲームで最も使いそうなモデルがコレ。早速、先日の米代川ロケのメインロッドとして酷使してみたのである。MHというからには80~90㎝クラスのシーバスをどれほど楽に寄せられるかに視点が行くと思うのだが、私がこだわったのが10g前半のルアーをどれだけ飛ばせるのか、40gオーバーのルアーがどれだけ飛ばせるのという汎用性。
遠征の釣りでは‘汎用性’が結構重要な要素。
その辺のところを注視しつつ、初夏の米代川に挑んだ。
今年の東北はそれこそベイトフィッシュとなる鮎の遡上が順調な様子。昨年の不振が嘘のようで、要所要所では鮎を追うシーバスの溜まり場を撃つことができた。それこそロッドのテストにはうってつけの場となった。
さて、10g前半の軽量ルアー及び、40g近い高ウエイトのルアーの飛距離であるが、これはファーストサンプルながら楽々クリア。ジェイルブレイカーに匹敵する汎用性には正直驚く。これならばFoojin'の名を語ってもOKだ。
一方でバイトに対するノリ、アワセた時のセットフック感、ファイトや寄せのフィールングに関しては改善の余地あり。
たとえ話だが、
『裂波120投げました、ハイ釣れました、80アップのランカーでした』
ってなイージーなフィールドは現状少なってきている。それはフィールドに通い込んでいるアングラーほど痛切に感じているに違いないはずだ。頭をひねって9㎝や7cmのルアーを駆使してランカーをヒネリ出すフィールドが今後はますます増えるに違いない。
#6や#8番手の搭載フックルアーでMHクラスのロッドでファイトした場合、‘フックの伸びによるバラシ’にどの程度対応できるロッドなのかが焦点になるのではないか。
ファーストサンプルを見るにつけ、ちょっと全体的に張りのあるブランクテイストが鼻についた。今回のロケのようにある程度、鮎に対してアグレッシブになっているシーバスに対しては100%のランディング率だったのだが、渇水時の居食いしかしない状況や、濁りのなかでの浅いバイトを考慮した場合、この張りの強さが弾きを招くことは容易に想像がついた。
セカンドサンプルに関してはこの辺の修正点がメインの調整になるだろう。この点を改善して、なお且つファーストサンプルのような汎用性のある飛距離を確保できるのかが問題だ。時間はまだまだある。じっくりこの93MHなるモデルにも対峙してやろうと思っている。
さて、来週からはMindcrime 108Mの開発のキッカケとなった筑後川遠征が控えている。
ファーストサンプルがどれだけのポテンシャルを秘めているのか、いまから楽しみで仕方が無い。
私の釣りにとって悲願であったヘビールアーを使用した飛ばすためのロッド。
そして、Foojin'がFoojin'である証、‘飛距離’に最大の重点を置いたモデルであるからだ。
アピア公式ブログより転載
- 2019年8月8日
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