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ゴールの設定 村岡昌憲

村岡昌憲です。

アピアのロッド開発も真っ最中ですが、今回は私の番ということで私になりにいつも何を考えてロッド開発をしているかについて書いてみたいと思います。(「俺がアピアに入るまで」は今回お休みです。)
 
ロッドの開発をする時に一番大事なのはゴール設定です。僕は報告事項をまとめる時によく使う5W1Hを流用してロッド開発におけるゴールをしっかりと設定しています。
 
1.いつ(When)
2.どのような場所で(Where)
3.どんな魚を(What)
4.誰に(whom)
5.どんなルアー・使い方で(How)

 
をしっかりと考えた時に、なぜこのロッドが必要なのか(Why)が決まります。

 
開発に当たっては1年前位から頭の中に構想があるものを使います。それは普段の取材活動や移り変わる季節の中で次々と変わるぼんやりとしたものです。このぼんやりとしたままにロッド開発に入ると、どんなロッドが欲しいのかがブレてしまい、サンプルを作る度にこちらの希望が揺れてしまいます。1つのサンプルを作るのに急いでも1ヶ月掛かります。11月のフィールドと12月のフィールドではまるで状況が変わります。要望がブレると開発も何を作っているのかがわからなくなってしまい、中途半端なものができあがってしまいます。

 
だから、まず確実にゴールを定めてしまいます。難しいのがWhenです。秋の、春の、厳密に僕の中だけでいえば春と秋のロッドも変わるべきだと思うし、気温が変われば最適なロッドも変わるもの(弾性が変わり飛距離が変わる)と思っています。しかし、レースのタイヤじゃあるまいし、そこまでする釣り人はいません。(でも、ナイロンラインは夏と冬で変える人多いですね。)

 
そこで、僕がよく使うのは秋という設定です。それ以外の季節は厳密にいえば少し調子も変わるけど一年を通してロッドのポテンシャルが発揮される季節だと考えています。

 
その他、様々なゴールを定めた後にそれを開発担当者と共有して作業が始まるのですが、僕の場合はゴールを完全には共有しないように気をつけています。
それは担当者も釣り人であって、その担当者の描くイメージと僕の描くイメージは違うからです。
例えば、港湾部で使う、というイメージがあったとしても、開発者にはなるべく漠然とした港湾部のイメージをしていて欲しいと思っています。
 

アピアは大阪の会社なので、東京と大阪の港湾部では足場の高さから違います。その大阪のイメージを持ってこられると絶対に擦り合わないことになります。あくまで港湾用、だけど、それをどの長さにするかは僕が決めないといけないのです。そして僕はもちろん東京のポイントに徹底的に合わせていきます。その東京の高さが合う地域と合わない地域はあるでしょう。なるべく全国的に通じそうな高さを選ぶように考慮していますが、それ以上にブレないことが大事だと思っています。
 

そういう点で、松尾道洋君が作ったヴァンクールは持った瞬間に、5W1Hが描けるロッドでした。多くのユーザーも使う5W1Hを想定して購入したでしょう。こういうロッドがたくさん提案できるメーカーなら最高ですね。
 
そういうことを考えながら、今テストしているロッドは3種類あります。

 
今はその内容を公開できないのが残念ですが(フィッシングショーの目玉にしたいと持っています。少なくとも僕は)一つだけ明かすと、ネオンナイトの進化バージョンです。
 
昔に比べたら今はルアーを釣り人が積極的に動かしていく時代です。僕の中でも動かす割合がやや増えています。それに合わせてロッドも進化していく。その進化をお見せしたいと思っています。

 
必然と思うことを最初にやる、提案する。それが大事なのではないかと思います。
 
2014カタログにも書きましたが、それをやっていかないとメーカーはいずれ衰退するというのが僕の考えです。

 
シーバスフィッシングに初めてPEが持ち込まれた時、僕はすぐに試して衝撃を受けました。巷では自分が最初という説も見かけますが、全くの誤解です。村越正海さんは僕がアマチュアの頃から何度かPEラインの使用を試み、場所によっては使える、みたいなことを雑誌で書いていました。僕はそれを読んで試してみて全面導入したのです。
 
今回の試みがユーザーに受け入れられるかどうかはわかりません。全くダメかもしれないし、一部のマニアにだけかもしれないし、多くの人に共感してもらえる提案なのかもしれません。ただ、いずれにせよ、それそのものが僕の最新の釣りであり、それを皆さんに喜ばれることこそ僕の人生の生きがいなのだと思っています。

 
最期、人生論で締めるのは三流の文章だと何かで読んだ記憶がありますが、文章三流、釣りは一流を目指して来年も頑張っていきたいと思います。ウぃス!
 

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