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上宮則幸

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糸鳴きと軋みと 6

分解して陰干ししていたリールを組み立て、ラインのチェックをする。
前夜の干潮時に駆け上がりのショルダーに何度かラインを擦り付けた感触があった。
ラインが濡れている時には少しのキズや毛羽立ちは見えないから乾燥した時に必ず点検するようにしている。
風呂に入った後、溜めたままの湯舟にラインをチェックしながら垂らしていく。
目立ったキズは無いようだ。
テンションを掛けてスプールにしっかり巻き直す。
先端の3mだけは切って捨てておいた。
リールについた水滴を綺麗に拭き取る。

毎日するわけじゃないが、気になったら必ずチェックをするように心掛けてんだ。
チェックを済ませたらちょっとは安心して釣りに向かえるだろ?

右手の指にラインを巻きつけループをつくり、FGの編み込みを開始するところだった。
友人からの着信。
ひとしきり地震の近況を語り合った後で
「のりゆき君今から浸かるとやろ?今年もデカかと見たかねー!」
いや、釣るさ
「そげーん言うて、あんたが釣るのはマグレくさ」
いや、じゃあ今夜釣るさ
「むーりーって!のりゆき君今日は殺気がみなぎりよるばい!」
いや、おれは身体から撒き餌が出るから殺気とか関係ないんだよ!

他愛もない会話を終えて川に向かった。



そんなに焦る必要もない。
そんなに必死になる必要もない。
そんなに考え込む必要もない。
なぜなら
そこに居るとは限らない
居ても食うとは限らない
食っても掛かるとは限らない
掛けても捕れるとは限らない

この釣りはひとつ悩めば、全てが悩みだらけになる。
やんなきゃならない事を極力シンプルにして、決めた事だけを坦々とやろうと思うんだ、今は。

そんな事を考えてエントリーした。


ボラが居ない。
いや、居ないんじゃないな。
気配を消してんだ。
今夜の定点はここ最近では異常に静かだ。
妖しいほどに。
ただひたすら浅瀬にルアーを通し続ける。



下げの流れにひとしきり流し終えて、上げを待つ。
巻きで待つ。
手返し良く巻いてカワヌベやベイトの反応を探るのにこの場所ではハニトラ95Sが非常に使いやすい。
巻きスピードとロッドティップの高さでレンジを上げ下げ、フォールを織り混ぜながら、定点をテンポ良く探る。
そこをヤツが通るに違いないと、信じ込んで探る。
いい要素悪い要素あるんだろうが、何も考えない、考えない、考えない…

そしてそれは唐突に訪れた。

カツン!!と言う鋭角的な激しいバイトショック。
間髪入れずにBRIST MARINO渾身のあわせを食らわす。
途端にそいつは定点の向こう側のブレイク水面を爆発させた。
ドババババ!
ドババババ!
ドババババ!
水深が浅いんだろう。
フルパワーで底走りしてるんだろうが、水面に飛沫が上がる。
こちらは無理はしない。
弛めのドラグを更に少しだけ弱めた。
そいつは下流を目指している。
このまま矢のように同じ方向に走る?
筈がない!
トリッキーに向きを変えるのは想定内。
その通りにヤツは真逆の上流に転じた。
素早くリールを巻きロッドのテンションを回復した。
しかし、直後にゴッ!と再度テンションが抜けた。
どちらかのフックが抜けちまったんだ。
ヤンワリ巻いて寄せる。
フックがそいつの口の外に掛かってるのは容易に想像できる。
下顎の外に掛かってるならばどうにかなる場合がある。
上顎ならば次のダッシュでサヨナラだ。

見すかされたか?ヤツは右斜めの流芯にダッシュ。
またもやガッ!と衝撃が。
だが、まだ抜けていない。
フックが魚体を移動している。
そして再再度激しくドラグが逆転した後、今度はテンションを完全に失った…

今年初めての洗礼
ファイト中にビデオを回す余裕は無かったよ。



悔しさが溢れ出す。
未熟?かもしれない。
不運?かもしれない。



たぷたぷと水が海から攻めてくる。
2m退却しては数投、退却しては数投…
諦め悪く、未練がましく定点にハニトラを撃ち込む。
既に70m近くも離れてしまい、キャストの確度もアヤフヤだが、それでも投げる。

そして、待望のバイトを得た!
執念の成せる業だろう。



捕らえたのは『巨大』と表現しても差し支えないほどに立派な鱸。

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デカい
久方振りのグッドサイズには違いがないが…
それすら霞んでしまうなんて、全く…

(ファイト動画は後日公開します)



なんて夜なんだ

春カワヌベの物語はまだ終われない





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