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パイセン

「あ、○○時、出港ね。」

「わかりました..」

さーて寝ようってときにラインが入る。
うろこ雲を追いかけるように船着き場に急ぐ。少し遅刻ぎみである。
そりゃーそーである。

「フェンダー外して」

仕事明け、寝不足ぎみ、軽い空腹で受けるには冷たすぎる北風を真っ正面から受ける。
回転数が上がる爆音が聞こえ、船速と風速が上がる事が容易にわかる。
そして、その寒さに思わず目を瞑る。
日が短くなったこの季節、あっという間に辺りは暗くなり、星がキラキラしてる。
明日は、風が強まるんかな..
魚を釣る事より、翌日の仕事を心配してしまう程今の俺には集中力が無い。

「ヒット!!」

パイセンが掛けた。デカそうだ。

すかさずフォローに入ると、トモでビックベイトを投げる船長にもほぼ同時にヒット。
海の状況がわからない今の自分には、突然時合が現れたような感覚である。

船長「パイセンのからすくって!!」

俺「はい!」

大きく身体を捩らせる、大きな鱸。

パイセン「あっぶねぇえ」

思わず見惚れるランカークラス。
真冬の鱸とは思えない、メタボっ腹。
そして、タモに収まったのとほぼ同時にポインっとルアーが外れる。

「あっっっぶねぇぇ。」(・・;)
っと一番焦ったのはこっちじゃ、ボケィ。
っと心の中で軽い悪態を付く。笑

船長「あっ」

っと短い言葉の後、トモでタモ待ちしてた船長の鱸が外れた。

ちょっとした「何やってンノヨ」的な空気を感じながら、誤魔化すようにパイセンの撮影フォローに入る。

ライトここで良いすかー?みたいな。


「ガチャガチャ、バッシャーン」

(゜ロ゜)!!?

何が起きたかわからないまま音がした方向を見ると
「あぁあ、エラ洗いしてる!!」と船長が叫ぶ。

そう、今は時合の真っ只中だ。
船など気にしない浮いた鱸が、船縁で水面を漂うパイセンのルアーを襲った。
ベイトタックルを水面で引っ張りながら、鱸がエラ洗いすると言う何ともカオスな状況に、これは潜られたらタックルごと持っていかれると瞬時に悟った僕と船長が、パイセンのタックルを釣るため同時にキャストする。

「やばーい俺の竿釣ってくれ~」

「はい~」

お願い..お願い..
もーちょうい右..もーちょうい右..

このままパイセンのタックルが無くなったらやばい。的な人間の事情など、知ったことか。
っと言わんばかりに、何時ももっと続いて欲しい時合が続いた。

「ドーーン!!」

明らかに何かを補食した音と共に、俺の竿が曲がった。
パイセンのタックルを釣るために放ったポッパーの絶妙な波紋に見事な鱸が飛び上がった。
 
「あっ。」

「コラァ今鱸釣るなぁ!!」

「スイマセーン(~o~)」

なんて言いながらファイト開始。
後ろで爆笑する船長。

今日の釣り、俺の釣り人生のハイライトだ。
それくらい笑った。
冷えた身体が火照るほど、笑った。

今年は少しばかりの遠征と、数年前から本腰し入れた物作りを継続し、愛してやまない鱸を今年も追いかけようと思います。 
またログお付き合い頂ければ幸いです。

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