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▼ ハイエンドリールに価値を見出すのは自分自身
※このブログは自身の経験、価値観を語るもので、特定の個人やメーカーを誹謗中傷するものではなく、陥れる意思もありません。
タイトルからして、どうせハイエンドリールは最高である。という事を書くと思う人が多いだろう。
事実、私もハイエンドが大好きで、メインの南紀ヒラスズキタックルは、リールはステラSW、ロッドはMCワークスやダイコー、リップルフィッシャーを複数本使い分けている。
日常では、クルマはラリーカーを乗りまわし、時計も有名ブランドの自動巻ばかりを愛用している。
が、貧乏サラリーマンの私は、リールオーバーホールの度に小遣いを年度単位で切り詰め、車検の時には血の涙を流し、時計のオーバーホールも普段から気を付けて使用し、かかる期間を1.5倍程伸ばして何とか持たせている。
そして何より「我が家の大蔵省」を奉り、納得させながら何とかやりくりしている。
恐らく世の中のお父さんアングラーのほぼ9割がそうだと思いたい。
また、私の場合は更に釣りに行く場所が遠方ばかりで、一回当たりの釣行で、多ければ3万程(半分以上ガソリン代)掛かるのもネックである。
果たしてそんな状況でハイエンドばかりを購入し、維持し続けるのは可能なのだろうか。
釣りだけが趣味で、小遣いの予算全てを突っ込めるなら可能であろう。
しかし、やれ付き合いだ、やれ釣りにかかる費用だと考えれば難しいのが事実だ。
先日、社会人クラブで友人になったコ(サービス業管理職、一児のお父さん)のシーバス用リールの「ハイエンドリールのOH」を複数個無償でしてあげた。
購入してから3年殆どノーメンテで、かなり酷い状態であったが、何とか延命処置を行うことができた。
彼の場合、この3年程で釣りを始め、いきなりロッドもリールもハイエンドを購入したらしい。
ここで疑問に思うのが、何故中級機種を購入したり、メーカーOHに出さなかったかだ。
彼曰く、オーバーホールの費用が捻出できず、ハイエンドなら故障もなく、ずっと使い続ける事が出来ると思ったから、との事。
どんな高級品でも、道具である段階で定期的なメンテナンスと、いつか来る寿命を覚悟しなければならない。
確かに使用している素材や、製造工程の違いで寿命の違いはあろう。
しかし、自身でメンテナンスが出来なければ、どんな高級品でも寿命は短い。
私は先述の通り、メーカーOHに頼っている。
が、普段からこまめに自身でハウジングを開け、オイルやグリスアップを行い、ベアリングやパッキンなら自身で交換し、オーバーホール料無料のタイミングで全体の調整と、パーツリストに記載が無いパーツの交換も兼ねて依頼している。
私は現在使っている13ステラSWを、01ステラと同じ感覚で分解整備し、使い物にならなくしてしまった経験がある。
01ステラの頃は、ハイエンドであっても購入後は自身で分解整備し、維持するのがある意味暗黙のルールであった。
今のようにインターネットで簡単に情報が引き出せなかった時代、試行錯誤して愛機を維持していた。
今はパーツの精度が上がり過ぎて、油脂の粘度1つでリールが使い物にならなくなるような緻密さがある。
実際、使い物にならなくなったステラSWをメーカー修理に出したところ、もう少し出せばツインパワーSWが買える程かかり、オシュレートカムのコツコツ感が消えないという状態になってしまった。(これは後程、自身でパーツを全交換し、解消した。
昔を懐かしむつもりも無いし、メーカーを責めるつもりも無いが…。
今のハイエンドはユーザーの分解整備に向かず、また、パーツも1点1点が高額で、シルキーで緻密な使い心地を維持したいなら、高額な維持費を払い続けるか、不具合が出ないように騙し騙し使い、モデルチェンジごとに購入するかになってしまっている。
では、中古のハイエンドを使い続ける場合はどうだろう。
先日、職場の先輩(?)からフリマアプリで購入したハイエンド磯リールをメンテナンスしてほしいと預かった。
マグシールドが入っている段階で私の手には負えないと拒否し続けたが、注油だけでいいからと押しに負け、簡易的な整備だけを条件に受けた。
簡易整備だけでは不安が残ると思い、分解してみたところ驚いた事に、マグオイルは切れ、浸水した海水により内部ギアに腐食があった。
先輩曰く、数回使用の極美品を謳い文句に出品しており、価格も量販店で新品を購入する価格のー1万程だったとの事。
このケースでは返品して事なきを得たが、中古リールの場合はこのようなリスクがある以上、基本的にメンテナンスが出来る人向けと考えた方がいい。
(※良心的な出品者や、中古販売店も実際多数ある。
ではどうすればいいのか?
私が考えるのは、ハードな使用をする物こそ中級機種でよいと考える。
パーツがある程度安価で、分解整備もしやすく、ギアレートの違いやスプールキャパの違いで複数個あれば、予備のスプールを購入する必要も無く、最悪の場合ベアリング等重要パーツの互換性もある。
(例としてはツインパワーXD C4000HGがメインの場合、サブが15ストラディックC4000というように、ボディーに合わせる必要がある。
ただ、マグロキャスティングや、GTといった、そこに至るまでの費用が高額で、機会も少なく、代替品が無い場合は、後悔しないためにもやはりハイエンドに拘るべきだ。
ハイエンドは確かに繊細で、所有欲を満たしてくれる。
しかしその反面、犠牲にするものも多い。
「ステイタス」に拘るより、実釣主義に傾いてはいかがだろうか。
- 2019年7月22日
- コメント(1)
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