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▼ ヒラスズキについて(入門編4
※繰り返しになるが、私がここで書きたい事は、初心者が磯で死なないためのノウハウであり、特定の個人や企業をバッシングするものではない。
言い方に不快感を覚えるなら、読み飛ばしてもらって構わない。
おそらくfimoに登録している方で、この写真に違和感を覚えない方は居ないと思いたい。
この写真は以前、南紀の有名な地磯で撮影したものだが、このアングラー、ライフジャケットを着ていない。
気になって近づき、声をかけたところ、ロッド、リール、ルアーを買い揃えたはいいが、ライフジャケットまで予算が回らなかったとの事。
当然、磯靴も履いておらず、ジーンズにロングT、スニーカーという出で立ちだった。
タックルにかけられる予算は人それぞれで、釣りに対する情熱も人それぞれだろう。
ただ、危機管理が全くなってないどころか、ここまでくるともはや自殺行為である。
これが、私の知る初心者の現状である。
装備を揃えるよりも釣りに行きたい気持ちがはやるのもわかる。
今から十数年前、私がヒラを始めたての頃、とにかく回数をこなしたいため、当時雑誌でよく見た本州最南端の地に台風上陸前に1人で行った。
地磯に降りる歩道の入り口に初老の男性が立っており、挨拶をし、歩道に入ろうとすると
「ニイちゃん、今から死にに行くのか?」
と問われる。
当時は磯の怖さを知り尽くしていたつもりで、装備もしっかりしたものを着用していたが、今までこんな事を言われた事がなく、一緒たじろいだ。
初老の男性は矢継ぎ早に
「釣りするのは勝手だが、こんな日に来てここで行方不明になる人が多い。
台風ももうすぐ来る海で、ニイちゃん落ちたら自分自身が助かると思うか?
溺れ死んで、居ないと分かりきっている行方不明者を探すこっちの身になってくれ。」
と、私を睨みながら言ってきた。
そんな事を言われて竿を出せる程私は馬鹿ではありませんと返答し、その場を去ったが、後日、渡船屋さんの船長であることが分かった。(利用した時に、向こうが覚えていた。
能力の過信は身を滅ぼす。
今大丈夫だからといって、いつ何が起きてもおかしくないような場所で、「知ったつもりになる」事ほど愚かな事はない。
地磯に降りる際、崖にロープがかけられていても、支えにする程度で体重をかけたりしない。
(切れる事がある
岩場の崖は、先行者が降り切るまで自分は降りない。
(落石を防ぐため
大波が来ても、磯の上で走って逃げない。
(転倒したら、確実に波に呑まれる
落水したら、1人では上がれない。
(磯は滑りやすく、海から岩場には上がれない
挙げればキリが無い程、経験や教訓から来る「万が一の事態」がある。
それを想定し、対応策、防御策を講じても「想定外」が起こるのが外洋の磯なのである。
今まで2回落水した人を助けた事があるが、2人ともライフジャケットすら着ていなかった。
危なっかしい為、注意して見ていたからよかったものの、私が居なければどうなっていたやら。
昨年の秋に、よく行くポイントの近くの地磯でヤエン師が行方不明になった。
入り江の内側で波がおとなしいこともあって、ライフジャケットはその日着用されていなかったらしい。
必死の捜索も虚しく、遺体すら上がっていない。
行方不明になった方は、私もどこかで挨拶した事があるかもしれない、そう思うと、胸が締め付けられるような気持ちになる。
あなたはそれでも、安全策なしで磯に行きたいですか?
- 2019年3月9日
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