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五島遠征 2023-7(終)

  • ジャンル:釣行記
  • (遠征)
6/24
当日は島内全域でベタ凪の予報なので渡船を利用して沖磯でイシダイを狙う。
渡船は前回に引き続き福江島西部、荒川港の”都丸”。
当日はベストシーズンの凪の土曜日ということで渡船は大盛況で、磯渡しは4:30出船の嵯峨島行きと6:00出船で玉之浦行きの合計2便の出港となった。
私とまっちゃんは一便目の嵯峨島行きに乗船。
玉之浦は前回ボウズだったで縁起がよくないし、嵯峨島のほうがより外洋向きなのでいかにも釣れそうというのが嵯峨島をチョイスした理由だが、船頭いわく釣果はどちらもそう変わらないらしい。

出港後40分ほどでポイント着。
降ろされた磯は嵯峨島北西端に位置する崖の下4番という磯で通称は”かけあがり”というらしい。
この崖の下磯は1から5番まであり、入磯条件が厳しく海が穏やかな日のみ渡礁できる特級ポイント。シマノやがまかつの動画でもこの磯で釣りをしているものがあるくらいだ。だいたいどこの地域の渡船もこういった良い磯には地元民や常連を割り当てるものだが、私たちのような訳のわからぬ一見さんをこのようなポイントに降ろしてくれるとは、都丸は噂に違わぬ良渡船のようだ。

余談ではあるが、流人の島であった嵯峨島には物騒な話が残っていて、このポイントの崖は昔、罪人を簀巻にして落とす死刑場として利用されていたそうだ。このことが事実なら私たちは転落した罪人が身を打ち付けていた岩場に腰をおろしていることになる。
霊的なものを全く信じていない私としてはここで過去何人の方が亡くなっていようが我関せずといった感じだが、まっちゃんは気味悪がっていた。現実のものにあまり恐れを抱いている印象のない怖い物知らずのまっちゃんがありもしない霊的なものを恐れているの様子をみるとなんだか人間の心理の面白味を感じた。私としてはほとんど実害のない幽霊なんかより現実の人間のほうがよほど恐ろしいような気がする。

崖の下4番は広い磯で底物だけなら5名は楽に収容できるだろう。
竿を出すポイントはやはり船着場の足下。イシダイ釣りではいつでもどこにいっても船着場がベストポイントになっている。あえてセオリーに逆らう必要もないので今回も船着場の磯際を攻めることにした。
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攻め方は前回の反省を生かして、この数日で調べた南方宙釣り。
この南方宙釣りは名前だけの印象だと仕掛けを海中に浮かせて釣るような感じだが、実はそうではなく、磯際から段階的に下がっている途中途中で仕掛けを止めて釣るというもの。
より簡単なイメージとしては、海面より下が階段状に下がっていると仮定して、上から一段一段刻みながら魚のいる段を探していくようなかたちとなる。なので錘は常に海底に接していることになるのだ。

通常の底物釣りよりも上の棚を狙う南方宙釣りでは撒き餌で魚に上層を意識させることが重要になるが、今回はシーズン後半でこれまでの釣り人の撒き餌が効いているだろうと思い撒き餌は持参しなかった。決して撒き餌を持ってくるのが面倒だったわけではない。

当日使用する餌はガンガゼで少し多めに80個を持ち込んだ。私はハリスにケプラーを使用しており結び目が大きく、ウニ通しが使えないので、ガンガゼは一個掛け。
針はイシダイ針の17号で錘は10号。当日は終始当て潮で、仕掛けが流されることがなかったので終日錘は10号で通した。

釣りをする前に行うことは棚の確認。
崖の下4番船着場では磯際直近の底でリールのカウンター”7”。
竿半分、つまり磯際から約3m地点でカウンター”11”。
竿一本分、5m半でカウンター”14”。
当日は上記三つの棚を攻めて行くこととなる。

南方宙釣りのセオリーは上の棚から攻めること。今回も7の棚から釣り始めた。下の棚から釣ると上層の魚が散ってしまうらしい。

南方宙釣りの特徴は竿を手持ちにして当たりを待つというスタイル。
特に今回は終始入れたらすぐに当たるような感じであったので、ずっと手持ちで手が疲れた。再度五島に挑戦する際には南方宙釣りに適した短めの竿を持参したい。

当日は始めから終わりまで当たり続ける。
前回は竿先が震える程度の明らかに餌取りの当たりがほとんどだったが、今回は当たり方が強い。

強い当たりが続くものの、なかなか魚が走らないもどかしい時間がつづいたが、開始1時間半ほどでようやく本当たり!

「ついにイシダイ様の参上か?」と心が弾んだが、見えた魚の色は前回に引き続き青。
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姿形がインコの化け物といった感じでかわいくない。むしろキモい。

「朝からの当たりはアオブダイか・・・。」と落胆。
ヒラスズキは全然釣れないし、最盛期で頼みの綱であるイシダイも他では釣れているが私にくるのはお化けインコのみ。
朝マズメのベストタイミングも逃してしまい、今回の五島遠征での釣果を諦めかけていた午前10:30ころ中層11の棚で本当たり。

海中で魚が翻った際にギラリと煌めいた魚体の色は銀色。本命イシダイだ!
銀色の魚体に口元のみ墨汁を垂らしたような濃い黒が特徴的ないわゆる”ギンワサ”と呼ばれるオスのイシダイが海面に横たわる。

まっちゃんにタモ入れしてもらい勝負あり。
この瞬間を待っていた!
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40cmほどとそれほど大きくはないが、本命は本命。

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この”ギンワサ”タイプは是非一度磯で釣れたものをこの目で見てみたかった魚だったので喜びも倍増。しかも釣果がほとんど絶望的だと思われた直後の登場である。人の作る物語ではだいたい主役は遅れてやってくるが、このイシダイもなかなかの千両役者である。
ようやく姿を現した本命にまっちゃんも喜んでくれていた。


ここから時合いに入ったようで、前当たりからの魚の食い込みがよくなりラインが気持ちよく走る。
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魚はアオブダイやイシガキといった外道だが心に余裕があるのでお化けインコもなんだかさっきよりかわいらしくかんじる。

魚が掛かるたびにまっちゃんにタモ入れを頼むものだから、イシダイの時にはノリノリだったまっちゃんも段々とタモ係が面倒くさくなってきたようで、明らかにやる気がなくなってきて動作が緩慢になっている。よくない傾向である。

そんな時、次の餌を用意するために置き竿にしていた竿先に強い当たりが出た。棚は14。
当たりが出始めた後に手持ちに切り替えるのは魚に警戒心を与えることになるかもしれないので置き竿のまま様子を窺っていると、竿先が海中に刺さった。ヒット!

浮上してきたのは、黒と白の縞模が特徴的であるメスのイシダイ。先ほどのオスのイシダイより一回り大きい。

魚はすぐに浮上してきたのだが、タモ係に嫌気がさしているまっちゃんのタモワークが緩慢で時間がかかる。
まずまっちゃんはこちらが魚とファイトしている様子をみても全然自分の釣りをやめない。まっちゃんを呼ぶとようやく重い腰を上げてくれたが、いかにも”ヤレヤレ”といった様子で動きが遅くなかなかタモを準備してくれない。
ファイトからタモいれまで2分そこらの時間なので、今になって考えるとタモイレが遅かろうが早かろうがそう差異はないような気がするが、魚の浮上からタモイレを待つまでの時間はようやく針に掛かってくれた魚が外れないか気が気ではなく、とても長く感じた。
そんなこんなでヒヤヒヤのファイトであったがタモイレは無事成功。
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全長50cmのメスのイシダイ。重さは2㎏といったところか。
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私としては一日のうちにオスとメスが両方釣れてくれて感無量であったが、まっちゃん的にはオスもメスも大差ないようで二匹目のイシダイはあまり興味なしという感じであった笑。

その後一発良型と思われる魚が掛かったが惜しくもファイト途中でフックアウト。

回収時間である13:30の30分前には80個用意したガンガゼが尽きたので釣り終了。釣りが出来ていればまだ魚が出そうだっただけに後ろ髪が引かれる思いだが、多少心残りがあったほうが次に繋がるだろう。

ルアーでヒラマサを狙ったまっちゃんはボウズ。他の磯に渡ったルアーマンは沖でボイルする大型ヒラマサを目撃したらしいので、ルアーの釣果はタイミング次第なのだろう。

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回収の様子。ショアラインの岩という岩に釣り人がへばり付いている異様な光景。

当日の嵯峨島は不調でイシダイ師が10人以上渡って釣れたイシダイは6匹。全くもってポイントと運がよかった。崖の下4番以外の釣り場で竿を出していたらボウズであることも十分考えられたので、今回の遠征でイシダイを仕留めることができたのは船頭さんのおかげである。好ポイントに渡礁させてくれた都丸に感謝。

磯上がり時間が早かったので、宿のある三井楽集落を散策。私は散歩が趣味だったりする。
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沖磯でのボウズに納得のいっていないまっちゃんは地磯での延長戦に繰り出していった。狂気じみた魚に対する執念である。
何事も心の余裕と鷹揚な態度が事を成すのに重要である、と勝者の余裕で調子に乗って思ってみたりする笑


6/25
最終日
南から強い風が吹く予報だったので地磯でのヒラスズキを期待したが、なかなか風が吹かなかったため、波が出ないうちに終了してしまった。帰り支度をしていると海が荒れてきてコンディションがヒラスズキ向きになったのは、本遠征自体のタイミングの悪さを象徴しているようだった。
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レンタカーを返却して13:40福江島発のジェットフォイルに乗船して五島列島を後にした。




今回は結果がでなかったが、このことはある程度想定済みで純粋に釣果を求めるのは次回以降である。
今回の遠征での主目的は福江島までの移動方法や二次離島への釣行方法、ヒラスズキとイシダイのシーズンや釣り方、釣り場を現地で確認することであった。
今回の経験を生かして次回はより具体的な釣行プランを立てることが出来るし、移動ではフェリーや定期船の乗り継ぎ待ち時間などを減らすことができ、より効率的に魚を狙っていくことができるだろう。
次に魚が釣れるかどうかで遠征釣り人としての真価が問われると思っているので、次回は何としてでもヒラスズキを仕留めたいところだ。

魚を出すことができなかった遠征でも、その経験を次に繋げることで価値を見いだすことができるようになるだろう。

”釣れない釣り”、遠征釣行を包括的に考えるとこれもまた貴重なエッセンスなのである。

2023 五島遠征おわり

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